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効率的な軽量化デザイン 多軸配向の連続繊維の熱可塑性コンポジットシート【ランクセス】
2014年10月17日
効率的な軽量化デザイン
多軸配向の連続繊維の熱可塑性コンポジットシート
負荷に対応した設計
ドイツの特殊化学品メーカー、ランクセス（LANXESS）は、連続繊維で強化された熱可塑性コンポジットシート「テペックス®（TEPEX®）」の製造プロセス革新に成功したと発表しました。同コンポジットシートは、ランクセスグループ傘下のボンドラミネーツ社が製造しています。このたびのプロセス革新によって、ほぼあらゆる角度での配向が可能な連続繊維層を実現した大型半仕上げのコンポジット製品の連続生産が可能になりました。
これまでの「テペックス」の連続繊維は、繊維束の配向方向、または繊維束に対して垂直方向（繊維束に対して0度か90度）への配置に限られていました。プロセス革新の結果、配向の異なる連続繊維のコンポジットが可能となり、それによって対象部品における力伝達に一層的確に対応できるようになります。さらに、「テペックス」を使用した擬等方性構造も可能となりました。ボンドラミネーツ社の研究開発部門の責任者であるダーク・ボーンフェルト博士は次のように述べています。「『テペックス』を使用することで、より軽量で、対象となる負荷に応じてコンポジット部品をより的確にデザインすることが可能となります。ランクセスは、新世代の『テペックス』によって軽量化デザイン向け熱可塑性高性能コンポジットのリーディングサプライヤーとしてのポジションを一層強化します」
最小限の廃棄物で大規模連続製造に最適
これらの多軸配向の「テペックス」半仕上げ製品は、完全含浸され強化されています。極端な角度まで形成することができるにも関わらず、この含浸によって繊維にずれが生じることはほとんどありません。ボンドラミネーツ社は、従来通りお客様と緊密にコミュニケーションを取り、半仕上げ製品を成形やオーバーモルド、または、圧縮用に予め設計された輪郭に切断します。特別なネスティング用プログラムを使用することで、ほぼすべての場合において廃棄物を最小限に抑えることができます。「このように、メーカーは完全に処理されたオーダーメードのコンポジット素材を受け取ることで、廃棄物を発生することなく、非常に短いサイクル時間で優れた耐荷重性を備えた複雑な部品を形成することが可能となります」と、ボーンフェルトは述べています。
単方向の特性
連続繊維の高度な配向性により、各繊維層はほぼ単方向の特性を発揮します。ポリアミド6と連続ガラス繊維でつくられているため、各層の繊維方向における靱性は37GPa、剛性は780MPaとなります。
幅広い用途
「テペックス」の高度で多様な機械的特性は、特殊なニーズにカスタマイズすることを可能にします。多軸配向の「テペックス」半仕上げ製品は、特に自動車向けの高い剛性を備えた構造部品や準構造部品を製造するための理想的な材料となります。「一例を挙げると、ランクセスは現在、フロントエンドキャリア、ペダル、座席部品、電気・電子モジュール用キャリア、エンジンルームのプロテクティブプレート、エアバッグカバー、車体下部の保護に使用される部品の開発に取り組んでいます」と、ボーンフェルトは述べています。ねじり荷重と曲げ荷重の複合ニーズに対応できるカスタマイズ構造の部品も検討しています。
これは、ドイツ・ケルンで10月7日に発表されたリリースをもとに、ランクセス㈱が発表したものです。
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ランクセスは、世界31カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2013年の総売上は83億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 16,900人、世界中に52の拠点を展開しています。主な事業は、プラスチック、合成ゴム、中間体、特殊化学品の開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」のワールド・インデックス（DJSI World）とヨーロッパ・インデックス（DJSI Europe）および「FTSE4Good」の構成銘柄です。また、世界的なNPO組織CDPの調査から、気候変動に関して優れた取組みおよび情報開示を行っている企業で構成されるCDLI（Climate Disclosure Leadership Index:気候変動情報開示先進企業）に選定されています。
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