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自動車の小径ギヤを高速・高能率に加工できるホブ盤「GE10A」を開発 【三菱重工業】

2014年9月3日

北米市場での拡販に向けてIMTS 2014(シカゴショー)で初披露

三菱重工業は、当社歯車工作機械のベストセラー機であるドライカットホブ盤GEシリーズの新モデルとして、自動車の自動変速機(AT)を構成する小径ギヤなどの量産に力を発揮する「GE10A」を開発しました。高速・高能率加工を可能にする各種の工夫により、高い生産性を実現します。米国・シカゴで8日~13日に開催される「IMTS 2014」(国際製造技術展:シカゴショー)で実機を初披露し、北米の自動車製造業界を中心に拡販をはかっていきます。

GE10Aは、最大直径100mmの歯車に対応。X軸とZ軸の早送り速度を20m/分と従来の2倍にし、主軸とテーブルにダイレクトドライブモーターを採用することで高速化をはかりました。また、高速ローダーによりワーク交換時間を短縮、非加工時間2秒と従来比半分以下にしました。高能率加工に向けては、切削工具(ホブ)の刃長を最大300mmとし、工具寿命を従来比で1.7倍に延長。さらに、ボルトレス設計によりワークを搬送するグリップを、工具を使わず簡便に段取り替えができる構造を採用し、ボタン一つで工具の自動交換を90秒で行える機能を搭載(オプション)したことなどで、非稼働時間を削減しました。

加えて、搭載するNC(数値制御)装置については、欧米の製造現場で多く使われている独シーメンス社製と、ファナック株式会社製との選択が可能です。そのほか、熱変位対策として主軸とテーブル軸に冷却機構を搭載することで、高い加工精度を実現します。

北米では自動車のAT多段化が進んでおり、遊星ギヤユニットの中央部に位置するサンギヤや遊星ギヤとなるピニオンギヤの数が増加するとともに、ギヤの小型化・高精度化が加速する傾向にあります。こうした市場ニーズを踏まえ、当社は粗加工機から仕上げ加工機までのラインアップを強みに、自動車のAT製造現場に対して小型・高精度ギヤの新しい量産ソリューションを提案するものです。

IMTSは、欧州のEMO(欧州国際工作機械展)、日本のJIMTOF(日本国際工作機械見本市)と並ぶ有力工作機械展で、隔年開催されています。当社は今回、GE10Aのほかに、2012年に当社グループ入りした米国フェデラル・ブローチ社(Federal Broach Holdings, LLC)の各種ブローチ工具※1を展示。米国を中心に世界中から集まる工作機械ユーザーに、歯車工作機械をはじめ各種工作機械と切削工具の両方を手掛ける類のないメーカーとして多様な加工システムを提供していきます。

※1  長い棒状の切削工具で、これをブローチ盤に取り付けて“引き抜き”加工を行うことにより、複雑な形状の穴や外面を高い精度に仕上げることができます。
※2   歯車の歯の大きさを表す値で、ピッチ円の直径(mm)を歯数で割ったものです。

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