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南極点到達雪上車(KD604、KD605)が2014年度「機械遺産」に認定【コマツ】
2014年8月7日
このたび、コマツ(社長:大橋徹二)が1963年に文部省(当時)から要請を受け開発したKD60型南極観測雪上車のうち、南極点に到達したKD604とKD605が、一般社団法人日本機械学会による2014年度「機械遺産」に認定されました。「機械遺産」は、歴史に残る機械技術関連遺産を大切に保存し、文化的遺産として次世代に伝えることを目的に、2007年に創設されたもので、コマツの製品としてはブルドーザーG40(小松1型均土機)に続き2度目の認定となりました。
*KD604は国立極地研究所南極・北極科学館(東京都立川市)に、KD605は白瀬南極探検隊記念館(秋田県にかほ市)に保存、展示公開されています。
<雪上車について:一般社団法人日本機械学会HPからの文書の転載>
雪上車KD604とKD605は、わが国の南極観測史上、最初で最後となる第9次南極観測隊の極点往復プロジェクトで、1968(昭和43)年12月19日南極点に到達した雪上車3台のうち2台である。この行程は往復約5200km、調査期間約5カ月に及んだ。
これらの車両は極低温や、南極特有の細かい上下方向に柱状の凹凸のある雪面環境に対応するため、小松製作所で試行錯誤の末、開発された。操縦も比較的容易であったという。また、これらは後に世界初の南極隕石発見にも貢献し、後継機が開発されるまでの約10年間、南極内陸調査の主役となった。外板の黒塗装は、太陽熱を少しでも吸収する目的で行われ、この措置もあってか、内部では普通の室内のような服装で過ごせたという。
これらが見せた極限での車両設計・運転実績を引き継いだ雪上車は、わが国が当時世界最多の南極隕石保有国となるという、世界の南極観測史上に残る成果を側面から支えた。極点旅行で使用された残りのKD603は極点への往路にエンジンが故障し、修理不能と判断され、放棄された。KD605はこの後も使用され、わが国が南極で使用した雪上車としては最長の総走行距離17000kmを達成している。なお、実地試験用の試作機KD601は極点旅行には参加しておらず、KD602は昭和基地で保管中である。
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