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フッ素繊維トヨフロン®を用いた摺動材用途の高耐久テキスタイルの開発について【東レ】

2014年6月17日

東レ㈱(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)は、この度、低摩擦素材であるフッ素繊維トヨフロン®と高剛性繊維を組み合わせることで、超高圧力下にも対応できる高耐久摺動テキスタイルを開発しました。本素材は、優れた低摩擦性を保持しつつ、耐摩耗性にも優れていることから、機械装置等を滑らせながら動かす部品に用いる滑り材(摺動(しゅうどう)材)として最適な素材です。
今後、この特徴を活かして、自動車や航空機、風力発電機、産業用機械、建設機械、ベアリング等に用途展開を拡大します。

フッ素繊維トヨフロン®は、低摩擦、かつ耐熱性・耐薬品性に優れたPTFE(フッ素樹脂)を主原料としています。通常、PTFEは繊維化しづらいポリマーですが、当社の高度なマトリックス紡糸技術により、PTFEの特性を維持しつつ、均一かつ高品質な長繊維化を実現しています。これにより、トヨフロン®は化学繊維の中で最高レベルの安定した低摩擦性を有し、自動車や産業用機械など様々な分野の摺動材として使われています。
今回開発した高耐久摺動テキスタイルは、この優れた低摩擦性を持つフッ素繊維トヨフロン®と高剛性繊維を組み合わせて二重構造テキスタイルとして複合化したものです。高剛性繊維を高密度に織る当社の先端テキスタイル技術を駆使することで、これまで摺動部位と接触を繰り返すことで飛散していたフッ素繊維の粉塵をテキスタイルの中に蓄積させ、潤滑層を形成させることに成功しました。これにより、低摩擦性と高耐久性の両立を実現でき、従来のフッ素繊維トヨフロン®のみを使用したテキスタイルに比べ、100倍以上の耐摩耗性を実現することが可能となりました。そのため、今回開発した高耐久テキスタイルを用いることで、製品の小型化・軽量化や高性能化に伴う摺動部の面積削減による高面圧化や、フリーメンテナンスでの高寿命化に対応することが可能です。既にこの特徴を活かした高耐久摺動テキスタイルが、新日鉄住金エンジニアリング株式会社の免震装置に採用されることが決まっています。
なお東レは、6月25日(水)から27日(金)の3日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「第18回 機械要素技術展」に出展し、上記開発品を展示いたします。

東レは、「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」の企業理念のもと、社会を本質的に変える力のある素材の開発に取り組んでいます。本年4月からスタートした新中期経営課題“プロジェクト AP-G 2016”では基幹事業としての繊維事業の収益体質の更なる強化のため、非衣料分野における、素材から高次までの一貫型ビジネスの構築に取り組んでいます。東レはケミストリーの力で先端材料の開発を進め、より豊かな社会の実現に向けて「素材」で貢献する企業集団であり続けます。

今回の開発品の詳細は次の通りです。


1. 商品特長 :
(1)従来の当社テキスタイルに比べ、100倍以上の耐摩耗性を実現。
(2)超高荷重下で、低摩擦性と高耐久性を両立。
(3)オイルレス摺動が可能(メンテナンスフリー)。

2. 技術概要 :
フッ素繊維と高剛性繊維を二重構造テキスタイルとすることで、摩耗で発生するフッ素繊維の粉塵をテキスタイル中に蓄積させ、潤滑層を形成させることに成功。

3. 発売時期 : 2014年6月から販売開始


<ご参考>
「第18回 機械要素技術展」について
(1) 開催日時 : 2014年6月25日(水)~27 日(金) 
       10:00-18:00 (27日(金)のみ17:00終了)
(2) 場所 : 東京ビッグサイト(東京都江東区)
(3) 東レブース番号 : 西2-2(西ホール)
(4) ウェブサイト : http://www.mtech-tokyo.jp/






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