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シリーズ中盤でアドバンテージを稼ぐため、重要な一戦となるオートポリス【日産自動車】
2014年5月22日
2014 SUPER GT 第3戦 – プレビュー
2014年SUPER GT第3戦SUPER GT in KYUSHU 300kmが、5月31日・6月1日の両日、熊本県との県境にほど近い大分県日田市にあるオートポリスで開催されます。昨年まではシリーズ最終戦のひとつ前のラウンドとして開催されており、毎年のようにチャンピオン争いを左右する重要な一戦となっていました。しかし今年はレースカレンダーが一新され、新緑の時期、シリーズが序盤から中盤へと差しかかるタイミングで開催されることになりました。ニューマシンの熟成を進め、シリーズ中盤の戦いを優位に展開するためにも、重要なイベントとなることは間違いないでしょう。
今シーズンのSUPER GTにおいて最大のトピックはやはり、GT500マシン全車が一斉にモデルチェンジしたことです。
日産はNISSAN GT-R NISMO GT500で、これを使用するチームはNISMOの23号車「MOTUL AUTECH GT-R」(松田次生/ロニー・クインタレッリ)を筆頭に、TEAM IMPULの12号車「カルソニックIMPUL GT-R」(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)、KONDO RACINGの24号車「D’station ADVAN GT-R」(ミハエル・クルム/佐々木大樹)、そしてMOLAの46号車「S Road MOLA GT-R」(本山哲/柳田真孝)の4チーム計4台です。なお、装着するタイヤはこれまでと変わりなく23号車と46号車がミシュラン、12号車がブリヂストン、24号車がヨコハマを使用します。前ラウンドの富士では予選トップ3を独占し、決勝でも上位を快走。12号車「カルソニックIMPUL GT-R」が圧倒的な優勝を飾っており、その速さと強さが、早くも証明された格好となりました。
阿蘇・外輪山の山麓に位置するオートポリスは、高低差が大きいヨーロッパタイプのコースレイアウトが特徴で、これまでもストレートからコーナリングまでオールマイティな速さを発揮するNISSAN GT-Rにとっては得意なコースのひとつとなっていました。マシンは一新されましたが、NISSAN GT-Rのキャラクターは不変です。4月下旬にはタイヤメーカー合同のテストが行われ、#23 MOTUL AUTECH GT-Rと#12 カルソニックIMPUL GT-R、#24 D’station ADVAN GT-Rが参加しましたが、3台揃って好タイムを連発し、本番に向けて準備は万端です。 テストに参加していなかった#46 REITO MOLA GT-Rも、同じミシュランタイヤを装着する#23とデータを共有することで、準備には何の不安もありませんでした。ところが直前になって少し状況が変わってきました。今シーズン用の新型マシンには通常のサーキット用と富士スピードウェイ用、2種類の仕様がありますが、通常のサーキット用ではダウンフォースが大きすぎ、コーナリングスピードが高くなり過ぎて危険では、との意見もあって、シリーズを統括するGTアソシエーション(GTA)では急きょ、今回のオートポリスと次回の菅生(7月20日決勝)に関してはダウンフォースの少ない富士仕様で参戦するようブルテン(公式通知)を発表しました。通常のサーキット用で走り込んでいただけに、テストでのデータが、そっくりそのままそのまま使うことはできなくなったのです。
また、マシンが一新された今シーズン、特に序盤戦はライバルとの力関係が見極めづらくなっているのも事実です。それまで不振だったマシンが、熟成を進めて行く中で急に速くなることも充分に考えられるからです。ホームコースでNISSAN GT-Rの快勝を許すことになったレクサス勢も、当然反撃のチャンスを窺っているでしょうし、開幕2戦で不調だったホンダ勢が巻き返す可能性も見過ごせません。それでもNISSAN GT-Rの富士仕様は、前回の第2戦でライバルを圧倒した実績からその速さと強さは折り紙つき。富士で圧倒的な速さを見せつけたNISSAN GT-Rの富士仕様が、マウンテンコースのオートポリスでどれだけ威力を発揮するのかにもご注目ください。
GT500にのみスポットが当たることが多いのですが、GT300の面白さも見逃せません。GT300クラスはFIA-GT3とJAF-GTが対決する図式で知られていますが、実はFIA-GT3同士でのバトルもますます激しくなっています。もちろん、FIA-GT3車両の中でも多数派となったNISSAN GT-R NISMO GT3勢ですが、台数だけでなくチームラインナップも強化されています。#3「B-MAX NDDP GT-R」は星野一樹のパートナーに、GTアカデミー最初の卒業生であるルーカス・オルドネスを起用しています。また5台のNISSAN GT-R NISMO GT3では、これまでに何度もチャンピオンに輝いたことのあるトップチームのTAISANが加わっています。NISSAN GT-Rにとっては得意なマウンテンコースだけに、これまで以上に優勝の期待も高まっています。
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