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量産型セラミック炉芯管ロータリーキルン販売開始のお知らせ -リチウムイオン電池の高性能化と量産化への対応-【ノリタケカンパニーリミテド】
2014年5月3日
㈱ノリタケカンパニーリミテド(本社:名古屋市西区、社長:小倉 忠)は、リチウムイオン電池(以下、LiB)材料などの高純度な機能性材料の焼成炉として、量産型の「セラミック炉心管ロータリーキルン」を開発し、平成26年5月1日より販売を開始しましたので、お知らせいたします。
1. リチウムイオン電池の需要の増加と高性能化に対応するための焼成炉
LiBは、携帯電話、タブレットPCなどの二次電池として広く採用されているほか、風力などの蓄電システムやハイブリッドカー、電気自動車でも採用が進み、今後も需要の飛躍的な増加が期待されています。また一方で、電気の安定供給や長寿命化などさらなる高性能化への要請も高まっています。
LiBの電極材料であるカーボンや金属複合酸化物は、窒素等を充填した炉で1,000℃前後の高温で焼成してつくられますが、電池の高性能化のためには、材料の高純度化が不可欠で、焼成工程でも金属不純物の混入を防いでクリーンな状態で焼成をしなければなりません。現在は、材料をサヤと呼ばれる耐火容器の中に入れて焼成する方法が一般的で、ノリタケはこの方法で焼成するローラーハースキルンを販売してきました。しかし一方で、サヤを必要としないロータリーキルンにも注目して新製品の開発を進めてまいりました。こうして平成20年には、中量型のセラミックス炉心管ロータリーキルンを開発、販売を始めました。今回はこれを発展させて量産型のセラミック炉心管ロータリーキルンの開発に成功したものです。
2. ロータリー方式焼成炉(ロータリーキルン)
「ロータリーキルン」は円筒形炉芯管(通常は金属製)を回転させ、その中を移動する材料を攪拌しながら加熱する焼成炉で、ノリタケはこの分野で多くの実績があります。平成20年には業界で初めて、焼成材料と不純物の原因となる金属との接触を排除するためセラミックス製の炉芯管を採用した中量型「セラミックロータリーキルン」を開発しました。そして顧客の新材料を開発するためのパイロット機として販売してきました。
3. 量産型「セラミック炉芯管ロータリーキルン」でクリーン焼成の大量生産が可能に!
その後、ノリタケは量産型の開発に着手しました。新たに大型セラミック炉芯管を採用したことで、中量型の10倍以上の生産能力を持つ量産型「セラミック炉心管ロータリーキルン」を開発することに成功しました。そしてこの度、約6か月にわたる実証試験を終え、市場に投入いたします。
■量産型「セラミック炉芯管ロータリーキルン」でクリーン焼成の大量生産
①生産能力大幅向上
・ 中量型「ロータリーキルン」と比べ10倍以上の処理量
・ 現在主流の量産型焼成炉「ローラーハースキルン」(サヤ詰焼成型)と同レベルの処理量
②焼成材料の品質の向上、安定化
・ クリーンな焼成(微量な金属不純物の混入がない)が可能
・ 攪拌しながらの焼成により均一な加熱処理ができ、品質が安定
4. 販売計画
売上目標 : 平成26年度(初年度) 5億円
本体価格 : 標準機(炉芯管寸法 : φ500㎜×長さ7,000㎜、処理量30~70kg/hr)
1基 1.2~1.5億円(炉芯菅材質による)
(付帯設備 スクリューフィーダー式投入装置を含む)
5. その他
今回開発した量産型「セラミック炉芯管ロータリーキルン」はLiB材料の他にも、燃料電池の材料や電子・半導体業界で増加する高純度セラミックス材料の焼成に適用することができます。当社ではテスト用の装置を用意しており、焼成テストにも応じます。焼成特性や性能を実機で検証した上で、最適な設備を導入いただける体制を整えています。
【商品に関する問い合わせ先】
㈱ノリタケカンパニーリミテド
エンジニアリング事業部 ヒートテクノ部 焼成炉グループ
TEL : 052-561-7166 FAX : 052-561-6557 E-mai : heat@n.noritake.co.jp
■本件に関する問合せ先
㈱ノリタケカンパニーリミテド 広報室
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