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BMW i3に、BASFの材料と製造ノウハウが結集【BASFジャパン】

2014年4月16日

(本資料は 2014年4月2日にBASF本社(ドイツ)で発表されたリリースの翻訳です。)

■ Ultramid® (ウルトラミッド/PA )を使用した新しいシート構造
■ Ultradur® (ウルトラデュアー/ PBT ) を使用した多機能ボディ補強材
■ Elastolit® (エラストリット/PU )を使用した自立式リアシートシェル
■ Elastolit® D (エラストリット D/PU )を使用したルーフフレーム用構造補強材


BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は、 BMWグループ社の電気自動車である BMW i3用の革新的なコンポーネントとして、多彩な樹脂製品を供給し、また多岐にわたる製造ノウハウにより部品開発をサポートしています。用途としては、フロントシートバックレスト、カーボンファイバーボディの主要補強部品およびリアシートシェルです。



BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部プレジデントのライマー・ヤーンは次のように述べています。「パフォーマンスマテリアルズ事業本部の樹脂に関するあらゆる専門知識を結集することで、BMWグループやその他のサプライヤーに対し、それぞれのニーズに合ったソリューションを提供し、部品の製造をサポートすることができます。BMWグループはBMW i3により、自動車産業の未来へ向けて画期的な第一歩を踏み出しましたが、BASFのソリューションはその中で重要な貢献を果たしています。」


ポリアミド製シートバックレスト
運転席と助手席のバックレストは、車両内部の表面にポリアミドを使用した初の射出成形、未コーティング構造部品です。この軽量ハイブリッド部品は、重さわずか2kgで、BASFのグローバルシートコンピテンスチームのすべてのノウハウを結集し、完成したものです。この多機能バックレストは、BASFがこの用途に対し特別に開発した高度な紫外線安定性を有するポリアミド6コンパウンドから作られています(Ultramid® B3ZG8 UV)。この材料は剛性と伸びに優れているだけでなく、頑丈でもあるためBMWグループの機械要件に適合しているほか、-30°C~+80°Cの温度条件に耐えられます。

このバックレストには、BASFのUltrasim®(ウルトラシム)ユニバーサルシミュレーションツールを初期の開発段階から使用し、複雑かつきわめてスリムな形状を実現しています。バックレストやリリースレバー、ベルトガイドに使用する材料に対して正確な数値シミュレーションを実施したことにより、衝突シミュレーションにおける挙動が、後の試験結果と正確に一致しました。このように開発初期の段階で最適化作業を行うことで、開発後期での変更を回避することができます。BASFのシミュレーションツールであるUltrasim®は、様々なシート位置、温度、負荷に対して法律で定められたすべての基準を効率的に満たすのに役立ちました。

さらに、Ultramid® B3ZG8 UVの非常に高い耐スクラッチ性と優れた表面品質により、シート構造を可視化することが可能となりました。シートリリースレバーに関しては、材質が衝突時に破損するものであってはなりません。このため、高性能のガラス長繊維強化のポリアミド、Ultramid®グレードが使用されています(Ultramid® Structure B3WG8 LF)。


PBT製、多機能構造ボディ部品
BMW i3のカーボンボディには、PBT(ポリブチレンテレフタレート)構造部品がインナーシェルとアウターシェルの間に使用されています。この大きな部品は、この種の部品としては初となるカーボンファイバーボディシェルの間のリア側部分に位置する一体化部品です。衝突の際の耐荷重性の他に、2つのボディシェルを別体に保ちながら、同時にサイドウィンドウ用のリア開口部も形成しています。BASFのPBTである Ultradur®B4040 G6は、周囲の気候条件にかかわらず寸法安定性を維持しており、必要な耐座屈性も有するため、この用途に適しています。BASFのエンジニアは、最適なガラス繊維配向のシミュレーションを提供する事により、この低反り性に優れた製品に対し大きな貢献をしています。この射出成形部品は、通常小さな部品から構成されているため、簡素化と低コスト化を図ることができます。総重量約9kgの、24個ほどの小さなUltradur®コンポーネントを車両ボディの他の部分に統合することで、部品の補強を行うとともに、所定の音響特性の改善に貢献しています。


炭素繊維、ポリウレタンマトリックス製リアシートシェル
BMW i3の自立式リアシートシェルはBASFのElastolit®(エラストリット)ポリウレタンシステムを使い、量産車で初めて、炭素繊維材料とポリウレタンマトリックスを組み合わせて作られています。この部品はカップホルダーアタッチメントやトレーなどの様々な機能を付加することが可能で、組立て作業と重量の両方の軽減に貢献しています。BASF の Elastolit®は、プロセスウィンドウが広く、また疲労強度や損傷許容性が高いのが主な特長です。この特殊な性質により、このリアシートシェルは壁厚がわずか1.4mmですがBMWグループの厳しい安全要件を満たしています。


ルーフフレーム補強のための構造発泡体
ポリウレタン構造発泡体であるElastolit® Dは、Aピラーを含むルーフフレーム全体の補強材として採用されています。この高い耐圧性を有する発泡体は、カーボンサンドイッチコンポジットに組み込まれ、車両の構造剛性をサポートしています。


その他、車両のインテリアおよびエクステリアに使用されているBASFの樹脂製品

BMW i3には、上記以外にも、すでに多くの自動車に採用されている多数のBASF樹脂製品が使用されています。


- Ultramid®、 Ultradur®、ポリウレタン製の電気、電子部品。例えば、Ultramid® B3ZG3 製のヒューズボックスは、剛性や引張強度に関する厳しい要件を満たしており、またUltramid® A3EG6製の高電圧コネクタも同様です。さらにポリウレタンであるElastollan®(エラストラン)、Elastoflex®(エラストフレックス)を使用したケーブル被覆材やケーブルグラントがあります。

- 車両インテリアでは、ポリウレタンセミリジッド発泡体Elastoflex®(エラストフレックス) E がインストルメントパネルの背面発泡成形に使用されており、またCピラーカバーにはUltramid® B3ZG3が使用されています。

- 2種類のElastoflex® Eポリウレタン発泡体が、車室内の音響特性改善のためにルーフ構造に使用されています。ルーフライナーでは、優れた熱成形性と高剛性を有するサンドイッチコンポジットのコア材として使用されており、音響効果部品のベースには、極低密度のオープンセル Elastoflex® E発泡体が使用されています。

- オプションのスライディングルーフのモジュール生産では、耐紫外線性と耐候性を有するガラスカプセル化システムElastolit® R 8919が使用されています。スライディングルーフのフレームにはUltradur® B 4040 G6が使われており、低歪のPBT/PETがブレンドされています。

- マイクロセル特殊エラストマーである Cellasto® (チェラスト)を使用した軽量スプリング補助部品は、BMW i3のフロントとリアのサスペンションに使用されています。

また、BASFのコーティングス事業本部はBMW i3のデザインに貢献しています。BMWのライプチヒ工場に新設されたBMW i3生産ライン向けに、付加部品のコーティングおよび関連する塗装工程の要件を満たす4色のベースコートを提供しています。


BASFについて
BASF(ビーエーエスエフ)は世界をリードする化学会社「The Chemical Company」です。製品ラインは、化学品、プラスチック、高性能製品、農業関連製品、石油・ガスと多岐にわたっています。BASFは、経済的な成功、社会的責任、そして環境保護を同時に実現しています。また、BASF は科学とイノベーションを通して現代社会や将来のニーズを提示しながら、ほぼすべての産業のお客様を支援しています。BASFの製品とソリューションは、資源の確保に貢献し、栄養価の高い食品を提供するとともに、生活の質の向上に寄与しています。BASFは「私たちは持続可能な将来のために、化学でいい関係をつくります」を企業目標に掲げ、これらの活動を実施しています。2013年の売上は約740億ユーロで、従業員数は約11万2000人です。BASFの詳しい情報は、www.basf.com(英語)、newsroom.basf.com(英語)、www.japan.basf.com(日本語)をご覧ください。





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