ニュース

樹脂グレージングの商業生産を開始 イエローキャブの新型車種にポリカーボネート樹脂が採用【帝人】

2014年2月21日

帝人㈱(本社:大阪市中央区、社長:大八木 成男)のポリカーボネート(PC)樹脂「パンライト」製グレージング*1を使用したパーティション窓*2が、このたび、米国・ニューヨーク市のタクシー(以下、イエローキャブ)の新型車種である日産自動車株式会社の「NV200ニューヨーク市タクシー」に搭載されました。
当社はこれを契機として、PC樹脂のグレージング用途への本格展開に向けて、グレージング部品の商業生産を開始します。

*1  グレージング : 樹脂などにより射出成形された、ガラス・金属代替パーツ。
*2  パーティション窓 : 防犯のため、運転席と後部座席の間に設置される大型の間仕切り。


1. 背景

(1)地球温暖化防止、化石資源の消費削減など、地球環境保全の機運が高まる中、自動車業界では環境に対する配慮から、車体の軽量化や燃費改善などが大きな課題となっています。そのため、ガラスや金属の代替として、自動車窓やボディ材などの自動車パーツの樹脂化が進んでいます。

(2)当社は、これまでもパノラマルーフやクォーター・ウィンドウ、ラゲージドアガーニッシュなど、自動車パーツの金属代替素材として様々な特性を有するPC樹脂を開発していますが、車体の軽量化が進む中、バックドアやフェンダーなどの大型パーツについても、顧客からの樹脂化のニーズが高まってきています。

(3)海外のタクシーを中心に、防犯用パーティション窓の設置は一般的になっており、ガラスの200倍以上の耐衝撃性を持ちながら、重量がガラスの半分であるPC樹脂が、従来よりそれに適した素材として使用されています。

2. 今次採用のグレージングについて

(1)このたび採用された「パンライト」製グレージングは、「NV200ニューヨーク市タクシー」のパーティション窓として、日産車体㈱と共同開発したものです。

(2)「パンライト」を世界初となる三次元厚肉射出プレス技術で成形し、同じく世界初となる三次元両面フローコーティング技術によってハードコート処理を施すことで、これまでPC樹脂製のパーティション窓では実現不可能とされていた「歪みが少なく、高い視認性」と「従来工法では実現不可能な美しいデザイン性」の両立を可能としました。こうした当社独自技術による『車窓の新しいカタチ』が評価され、このたびの採用に至りました。

(3)現在、ニューヨーク市内には約13,000台のイエローキャブが走行しており、順次、このグレージングによるパーティション窓を搭載した「NV200ニューヨーク市タクシー」に切り替えられる予定です。

3. 今後の展開について

(1)当社は、このたびの採用を契機として、PC樹脂のグレージング用途への本格展開に向け、三原工場(広島県)および松山工場(愛媛県)においてPC樹脂グレージングの商業生産を開始します。

(2)今後、PC樹脂グレージングを樹脂事業のコアビジネスとして確立し、2019年度までに年間売上高100億円を目指します。

(3)当社は、中長期経営ビジョンの注力分野の1つとして「モビリティ」(自動車や航空機など)を掲げています。今後も、帝人グループが有する様々な技術や素材を組み合わせることで、車体の軽量化などの顧客ニーズに応えるソリューション提供を加速していきます。



■当件に関するお問い合わせ先
帝人㈱  コーポレートコミュニケーション部   03-3506-4055



掲載されている情報は、発表日現在のものです。
その後、内容が変更になっている場合がありますので、あらかじめご了承下さい。





帝人株式会社ホームページはこちら

キーワードをクリックして関連ニュースを検索

#帝人
#材料
#樹脂
#2014年2月21日