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遠隔作業ロボット「MHI-MEISTeR」を福島第一原子力発電所に投入 除染やサンプリングを実施【三菱重工業】
2014年2月20日
三菱重工業の遠隔作業ロボット「MHI-MEISTeR※」(マイスター)が東京電力株式会社福島第一原子力発電所に投入され、このほど、除染作業の実証試験とコンクリートコアサンプリング作業を完了しました。2本のロボットアームを駆使することにより、災害や過酷事故の現場で保守・補修などの作業ができる高機能ロボットで、今回、ロボットの高い作業能力を確認することができたことから、今後、福島第一原子力発電所での除染やサンプリングをはじめとした支援作業に従事する計画です。
MHI-MEISTeRは、1999年に発生した茨城県東海村の核燃料加工施設での臨界事故を受けて開発した災害対応ロボットを、原子力施設で培った多くのメンテナンス技術を援用して改良したロボットです。具体的には、福島第一原子力発電所での使用実現に向けて経済産業省補助事業の一環として、東京電力および技術研究組合国際廃炉研究開発機構(IRID)の協力も得ながら改良したものです。耐放射線性能や遠隔操縦性も大きく向上させ、高線量域での各種作業に対応可能としました。
これまでの災害対応ロボットの多くは、カメラなどを用いた点検・監視などが主な役割だったのに対し、MHI-MEISTeRはロボットアーム先端のツールを交換することで、点検・監視だけでなく、除染作業やコンクリートのサンプリング作業を行ったり、通路を遮断する障害物を切断するなど、多様な作業が可能であるのが特徴です。
ロボットアームは、7つの関節(7自由度)を持ち、片方でモノを掴みながらもう一方で切断する作業や、左右に異なるツールを装着して1台で2種類の作業を同時に行うことが可能です。そのため、原子力プラント内でのコンクリート穴あけや、手すりや配管の切断、障害物の除去、さらには除染や補修など、様々な作業をこなすことができます。
今回、同機は福島第一原子力発電所1号機に1月末から投入され、プラント内の放射能汚染物質を専用のノズルによる吸引除染や、ブラスト材(研削材)を噴射し汚染表面を薄く削り取るブラスト除染の作業実証を行いました。さらに、1号機内の狭い通路での走行確認や、建屋内の汚染程度を調査することを目的としたコンクリートコアサンプリングも実施しました。コンクリートコアサンプリングは、壁や床から70mm程度の深さのコンクリートサンプルを採取する作業で、専用に開発したドリルやハンド(挟み爪)をロボットアームに装着し遠隔操作で行いました。同機はさらに2号機においても、オペレーティングフロアの汚染度を調べるため、コンクリートコアサンプリングを実施する予定です。
当社は今後も、さらに高機能な遠隔作業ロボットや各種先端ツールの開発を進め、福島第一原子力発電所などでの多様なニーズに対応していきます。
※MEISTeR=Maintenance Equipment Integrated System of Telecontrol Robotの略。
担当窓口 : エネルギー・環境ドメイン 原子力事業部
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