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高機能複合材料の素材開発に最適なマルチスケールCAEツールの最新版「Multiscale.Sim 4.5」リリースのお知らせ【サイバネットシステム】

2013年12月2日

設計者から解析専任者まで幅広い層に利用いただけるようにANSYS Workbench環境へ実装。優れた操作性とパラメータスタディで作業効率の飛躍的な向上が期待できます。

サイバネットシステム㈱(本社:東京都、代表取締役社長:田中  邦明、以下「サイバネット」)は、マルチスケールCAEツール「Multiscale.Sim(マルチスケールドットシム)」の最新バージョン4.5の販売を2013年12月2日(月)より開始することをお知らせいたします。

Multiscale.Simは、解析対象物のミクロ構造とマクロ構造との連携解析を可能にするマルチスケール解析(※1)ソリューションとして、東北大学・災害科学国際研究所の寺田賢二郎教授の協力のもと、サイバネットと日東紡績㈱、㈱くいんとの3社で共同開発した均質化法(※2)を用いた解析ツールです。複数の物理現象を統合的に解析するマルチフィジックス解析を得意とするANSYS(※3)をベースとしたカスタマイズ製品として開発しました。

近年、多くの業界において、先進的な複合材料を導入する動きが広がっています。そのため製品開発の現場では、複合材料を考慮したシミュレーションへのニーズが高まっていますが、材料のモデル化に多くの工数を要する事から、開発現場での実際のシミュレーションは困難でした。
しかしMultiscale.Simによるマルチスケール解析を用いれば、複合材料の材料特性はもちろん、複合材料を用いた最終製品の特性まで予測可能になります。

さらに今回のバージョンアップでは、ANSYSの設計者向け操作環境「ANSYS Workbench」への実装を実現しました(線形均質化解析のみ)。
ANSYS Workbench環境はその使いやすさに定評があり、設計者から解析専任者まで幅広い層にご愛用いただいております。
今回の統合により、Multiscale.Simの操作性が大きく向上することはもちろん、ANSYS Workbenchの持つ独自の機能も使えます。さらに、材料設計における作業効率の飛躍的な向上が期待できます。

Multiscale.Simの詳細については、下記Webサイトをご覧ください。
http://www.cybernet.co.jp/ansys/multiscale/

ANSYSの詳細については、下記Webサイトをご覧ください。
http://www.cybernet.co.jp/ansys/

注釈
※1 : マルチスケール解析 :
スケールの異なる構造体双方の物性、もしくは挙動を連成させる解析を意味している。マルチスケール解析には様々なアプローチ手法があり、均質化法が代表的な手法として広く知られている。

※2 : 均質化法 :
マクロスケールとミクロスケールの関係を記述する解析手法として知られている。材料内部の微視構造における応力やひずみの分布も同時に解析できる特徴があり、不均質な構造を持つ複合材料や金属組織などの解析に利用されている。

※3 : ANSYS(アンシス) : 当社取扱の、米アンシス社によって開発された汎用FEM連成解析ツール。構造解析をはじめ熱・電磁場・流体などの各種解析やそれらの連成解析ができる。航空宇宙・自動車・機械・電機・医療工学など広範な分野において、世界中の企業・官公庁・教育機関で利用されている。

Multiscale.Sim 4.5の主な機能

■線形均質化解析のANSYS Workbench GUI対応
従来、Multiscale.SimはANSYSの解析専任者向け操作環境「Mechanical APDL」のGUI環境でのみ利用可能でしたが、Multiscale.Sim4.5からは、操作性に優れたANSYSの設計者向け操作環境「ANSYS Workbench」上で利用いただけます(線形均質化解析のみ)。これにより、ANSYS Workbenchをご利用の全てのユーザー様は、特別な操作教育を要することなくマルチスケール解析を容易に実施できるようになりました。
ANSYS Workbenchの持つ独自の機能を使うと、例えば「材料ライブラリの管理」「ロバストなモデリング・メッシング」「様々なCADインターフェース」「パラメトリック解析」などをマルチスケール解析で活用可能になります。特に、パラメトリック解析をお使いいただくことで、「繊維の配向角に対するヤング率の特性」「フィラーの体積含有率に対する熱伝導率の特性」など、材料組織レベルの幾何情報を変えることが、最終製品にどのような影響を及ぼすのか短時間に予測可能になります。

ANSYS Workbench環境の特徴
ANSYS Workbench版Multiscale.Simの主な機能
直感的で使いやすいGUI
材料ライブラリの管理機能
ロバストで機能豊富な自動メッシュ機能
種類豊富な3次元CADとのインターフェース
パラメトリック解析機能
複数のモデル作成テンプレート
等価物性値のレポート出力
エンジニアリングデータの自動登録
数値材料試験のコンター・ベクトル表示

(Multiscale.SimおよびANSYS Workbench環境をご利用いただくには、ANSYS Professional、ANSYS Structural、ANSYS Mechanical、ANSYS Multiphysicsのいずれかのライセンスが必須です。詳細はお問い合わせください。

■複数粒子分散のミクロモデル作成テンプレート
サイズの異なる粒子が分散しているミクロ構造に対して、効率的にモデルを作成するテンプレートをANSYS のモデル作成・修正ツールANSYS Design Modelerに新規追加いたしました。

従来は、同一径の粒子が理想的に均一に並んでいることが仮定されていたのですが、今回のテンプレートが実装されたことにより、様々なサイズの粒子が混ざった複雑なミクロ構造をより厳密にモデリングして均質化解析を実施することができるようになりました。
※ANSYS Workbench環境で均質化解析をするためには、別途 ANSYS DesignModelerが必要です。詳細はお問い合わせください。


■温度依存性の線形均質化解析

繊維や樹脂などのミクロモデルを構成する材料に温度依存性が存在する場合、等価物性値としても温度依存性として出力する機能が追加されました。

㈱くいんとについて
㈱くいんとは、1985年に創業し、以来アダプティブ有限要素法解析プログラム、均質化法/重合メッシュ法によるマルチスケール解析プログラム、位相/形状最適化プログラム、イメージベース構造解析プログラム、応答曲面を用いたパラメータ最適化プログラム等、特徴のあるプログラムを独自に開発し、市場に供給しています。
詳細は下記Webサイトをご覧ください。

http://www.quint.co.jp

日東紡績㈱について

日東紡績㈱は、1923年4月に「繊維メーカー」として創業して以来、時代の変化を常にチャンスとして捉え、その都度旺盛な”パイオニア精神”を発揮しながら、グラスファイバー事業、建材事業、メディカル事業などに次々とチャレンジして経営の多角化を進めてきました。
海外展開においても、各事業のノウハウを海外に移転するとともに、新市場、新技術の獲得に向け、アメリカをはじめ、台湾、中国、マカオへと事業拠点を拡大するなど、早くから海外市場にも視野を広げてグローバルな活動を続けています。
詳細は下記Webサイトをご覧ください。

http://www.nittobo.co.jp

サイバネットについて

サイバネットシステム㈱は、科学技術計算分野、特にCAE(※)関連の多岐にわたる先端的なソフトウェアソリューションサービスを展開しており、電気機器、輸送用機器、機械、精密機器、医療、教育・研究機関など様々な業種及び適用分野におけるソフトウェア、教育サービス、技術サポート、コンサルティング等を提供しております。具体的には、構造解析、射出成形解析、音響解析、機構解析、制御系解析、通信システム解析、信号処理、光学設計、照明解析、電子回路設計、汎用可視化処理、医用画像処理など多様かつ世界的レベルのソフトウェアを取扱い、様々な顧客ニーズに対応しております。
また、企業が所有するPC/スマートデバイス管理の効率化を実現するIT資産管理ツールをはじめ、個人情報や機密情報などの漏洩・不正アクセスを防止し、企業のセキュリティレベルを向上させるITソリューションをパッケージやサイバネットクラウドで提供しております。
サイバネットシステム株式会社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。

http://www.cybernet.co.jp/

※CAE(Computer Aided Engineering)とは、「ものづくり」における研究・開発時に、従来行われていた試作品によるテストや実験をコンピュータ上の試作品でシミュレーションし分析する技術です。試作や実験の回数を劇的に減らすと共に、様々な問題をもれなく多方面に亘って予想・解決し、試作実験による廃材を激減させる環境に配慮した「ものづくり」の実現に貢献しております。





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