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ZFの革新的実走プロトタイプ車両: 軽量化設計により自動車の電動化をスピードアップ【ZF・ジャパン】

2013年11月28日

-  ゼット・エフ社が、エネルギー・マネージメントシステム、および軽量化シャシと、制御ユニットを含む電動駆動を設計
-  革新的なプロトタイプ車両は、ゼロ・エミッションと運動性能を両立

ゼット・エフ社は、サブコンパクト車両をベースにして独自に開発した試作車を通し、自動車の電動化と軽量化の大きな可能性を提案します。この試作車では軽量化サスペンション部品と、インバータを含む「エレクトリック・アクスルドライブ」の組み合わせによって、電気自動車の航続距離と運動性能の向上が実現されています。

ゼット・エフ社の革新的プロトタイプ車両の電動駆動システムは、将来の市街地交通などに求められる要件に合わせて仕立てられています。車軸部分の中央に位置する駆動モジュールは、駆動軸での出力は90kWで、低速から大きなトルクを生み出します。この車軸モジュールは、サブコンパクトおよびコンパクトサイズの純電気自動車向けの高効率な動力機構として使用できると共に、後輪側に電動駆動を組み込んだハイブリッド車両にも適用することができます。

このプロトタイプ車両に、ゼット・エフ社はまた、電動モビリティならではの特別な要求に最適化したシャシの軽量構造を用意しました。重量の軽減は電動駆動の乗用車において航続能力もしくは積載重量を増やせることにつながります。また重量を削り、バネ下質量を低減することは、従来型の動力で走るクルマにおいても、ドライビング・ダイナミクスを向上させつつ燃料消費を削減するメリットをもたらします。

このプロトタイプ車両の前輪懸架用には、車輪の動きを位置決めするダンパー・ストラットと操舵のためのナックルアームを一体化したモジュールがFRP(ファイバー強化プラスチック)で作られています。革新的なFRP のデザインによってその表面は平滑に仕上げられています。金属で作られた通常のものと比べると、重量低減は40%に達します。

また従来型の金属製部品に換えて、複合素材の組み合わせによるスタビライザー・リンクが、このプロトタイプの前車軸に組み込まれています。カーボンファイバー強化プラスチック(CFRP) 、射出成形されたポリアミド樹脂、高強度鋼を適切な組み合わせで使うことで、16%もの重量を削ることができました。

このプロトタイプ車両の半独立型の機能を持つリア・サスペンションについては、重量低減だけではなく、機能の多様化も実現しています。例えばスタビライザー(アンチロール機能)に柔軟性を持たせるコンセプトによって、車両のロール挙動を自動車メーカーそれぞれの要求に応じて仕上げることができます。このために組み込まれるFRP製のスタビライザーは、材質をCFRPにすれば単純に50%も軽くできるため、この機能を加えることによる重量増加も吸収する事ができます。

このゼット・エフ社の半独立懸架型リア・サスペンションは、金属とカーボンファイバー強化プラスチックによって作られています。そしてゼット・エフ社の軽量ダンパーと最適な組み合わせとなります。このダンパーはアルミニウム素材を使用し、プラスチックで被覆したダンパー・マウントと組み合わせ、最適な設計を行なうことで、従来よりも25%の軽量化が可能となります。





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