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加工性を向上したNd-BRの新製品を提供【ランクセス】

2013年10月10日

合成ゴムのパイオニアで、Nd-BR(ネオジウム触媒ポリブタジエンラバー)の世界最大のメーカーであるランクセスは、加工性を向上した2つのNd-BRグレードを新たに提供すると発表しました。これらの新製品によって、例えば、低燃費タイヤの製造が従来よりも容易となり、タイヤ開発の選択肢が一層広がります。

新製品の「ブナR(BunaR)Nd22EZ」と「ブナR(BunaR)Nd24EZ」は、卓越した低転がり抵抗を備えたタイヤ製造に必須となる高いモル質量を特徴とすると同時に、ランクセスの新しいゴム改質技術によって加工性がはるかに向上しています。従って、これらの新しく改良されたNd-BRグレードは、すでにタイヤ業界で幅広く使用されている高性能ゴムNd-BRの「ブナCB22」および「ブナCB24」に取って替わる魅力的な製品となります。両製品は、サンプル出荷および量産出荷が可能です。

パフォーマンスブタジエンラバーズビジネスユニットの責任者であるヨアヒム・グルーブは、次のように述べています。「EUにおけるCO2排出量のうち、自動車 からの排出量は約26%を占めています。そのため近年タイヤ業界では、他の特性 にマイナスの影響を及ぼすことなく、エネルギー効率を向上することが主な課 題となっています。一方で、エコタイヤを使用することで、自動車のCO2排出量 を大幅に削減することが可能です。特にランクセスのNd-BRは、低転がり抵抗を 備えた高性能タイヤの製造を実現する重要な素材として評価されており、つま りは、これらのタイヤは、低燃費およびCO2排出量削減を実現することが可能と なります」

これらの合成ゴムの主な特性は、高いモル質量をもたらす狭い多分散性です。グルーブは、次のように説明しています。「ゴムのモル質量が高いほど、タイヤの転がり抵抗を低減することができます。従って、高分子量のNd-BRは、転がり抵抗および摩耗性など主要な特性において、幅広い多分散性を有する他のBRタイプより優れています。しかし、これまで高いモル質量は、高いムーニー粘度と相関性があり、従来の高性能ゴムNd-BRの最適な性能を引き出すには大きなハードルとなっていました。これらの高分子量ポリマーの加工性向上は業界の長年の課題であり、ランクセスにとっても顧客に貢献する上で重要なチャレンジでした。ランクセスのこの新素材は、長年、生産性の高い高分子量ポリマーを模索していたタイヤメーカーに、生産性を高める大きな機会と、新しい独自のゴム改質技術を活かした有望なソリューションを提供することができます」

より専門的に説明すると、この新しいNd-BRグレードの「ブナNd22EZ」と「ブナNd24EZ」の改質技術は、長鎖分岐を増加させるように設計されています。それが、充填剤のゴム母材への結合を迅速かつ確実にし、結果として加工性を向上します。さらに、鎖の独自の化学改質は、特に側壁コンパウンドにカーボンブラックを含有する場合、ゴム/充填剤の結合を高めます。結果として、新グレードで製造されたタイヤの動的性能は、ランクセスの従来のNd-BRグレードで製造されたタイヤと同等の高いレベルを維持します。Nd-BRは、単独ではほとんど使用されることはありません。むしろ、他のポリマー、特にSSBR(ソリューション・スチレン・ブタジエン・ラバー)とのブレンドでシリカを充填剤としたタイヤトレッド配合に使用されています。この改質は共重合体の位相分布も高めることが証明されています。これは、合成されたコンパウンドにおける充填剤の分布の均一化に繋がります。さらに、ランクセスの合成ゴムの専門家は、加工助剤を添加することなく、ミルでのゴムの粘着性の大幅な向上を実現しました。

「要約すると、新しく改質されたNd-BRグレードの『ブナNd22EZ』と『ブナNd24EZ』は、従来の『ブナCB22』や『ブナCB24』のような高性能ゴムの魅力的な代替品となります。新製品は、従来製品と同様の特性を備えているだけでなく、優れた加工特性も備えています」と、グルーブは述べています。例えば、「ブナNd22EZ」は、「ブナCB24」と同じ方法で加工することができるとともに、高いムーニーグレードを有し、非常に複雑な加工が要求される「ブナCB22」の動的性能にも匹敵します。「ブナNd24EZ」は、「ブナCB24」と同等の性能を与えるだけでなく、コバルトを触媒とするポリブタジエンゴムと同等の容易な加工性をもたらします。グルーブは、また次のように述べています。「この新製品によって、タイヤメーカーは、現行のタイヤの性能を一段とレベルアップさせることが可能となります。しかし、これだけではありません。ランクセスは、単に高度なR&Dだけに頼る世界有数のゴムサプライヤーではなく、積極的にゴム業界のニーズに耳を傾けています。例えば、ランクセス専用のタイヤ試験ラボでは、実際の運転条件下で、新しいタイヤゴムの試験を行っています。その結果として、2012年9月にAA等級(転がり抵抗・ウェットグリップ性能両方においてA等級)のコンセプトタイヤを公開しました。ランクセスは、常に『エコタイヤ』向けゴムの開発と迅速な市場投入に力を注いでいます」

現在、シンガポールのジュロン島において建設中の世界最大級のNd-BR製造プラント計画は順調に進行しています。投資額約2億ユーロ、年間製造能力14万トンを備える同プラントは、特にアジア地域の旺盛な「エコタイヤ」向けの市場に供給します。
約100名の新規雇用を創出する見込みです。
詳細は、www.Buna.comをご覧下さい。

これは、ドイツ・ケルンで10月1日に発表されたリリースをもとに、
ランクセス株式会社が発表したものです。
この原文(英語)は、以下のURLにてご参照下さい。
http://www.press.lanxess.com

ランクセスについて

ランクセスは、世界31カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。
2012年の総売上は91億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 17,500人、世界中に52の拠点を展開しています。主な事業は、プラスチック、合成ゴム、中間体、特殊化学品の開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス(DJSI World)」および「FTSE4Good」の構成銘柄です。また、気候変動に関して優れた取組みおよび情報開示を行っている企業で構成されるCDLI(Carbon Disclosure Leadership Index:情報開示先進企業リスト)に選定されています。
ランクセスについての詳細は同社URLにてご確認下さい。
www.lanxess.co.jp

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