軽量化デザインにおける主導的ポジションを目指す【ランクセス】

2013年9月26日

グリーンモビリティ向けの高性能材料のソリューション
ランクセス、軽量化デザインにおける主導的ポジションを目指す

開発中の新コンポジット材料

昨年 Bond-Laminates 社を買収した、ドイツの特殊化学品メーカーのランクセス（LANXESS）は、グリーンモビリティ市場を対象とした軽量化デザイン向け高性能熱可塑性樹脂材料の世界有数のサプライヤーとしてのポジションを目指します。ランクセスのハイパフォーマンスマテリアルズ（HPM）ビジネスユニットのグローバルプロダクト＆アプリケーション開発責任者であるハートヴィヒ・マイヤー（Hartwig Meier）は、次のように述べています。「ランクセスは、実績あるコンパウンドとパフォーマンスコンポジット材料の両方、そして、量産に関するカスタマイズ可能な用途ノウハウを世界的に提供することができる数少ない熱可塑性樹脂メーカーのひとつです。ランクセスは、事業を成長させるためにこの独自の組合せを活用したいと考えています。市場動向に沿って、炭素繊維で強化された熱硬化性樹脂に代わる、軽量化デザイン向けの高性能代替材料に取り組んでいます」

ドイツのブリーロンに拠点を置く Bond-Laminates 社は、熱可塑性樹脂を使用し、連続繊維で強化した高性能コンポジットシート（ナイロンコンポジットシート）「TEPEX」製品群を製造しており、この分野の主要メーカーです。この材料はすでに、例えば、自動車、航空機、運動用具、そして電子機器の量産において、その優位性を発揮しています。Bond-Laminates 社のゼネラルマネジャーであるクリスチアン・オベルマン（Christian Obermann）は、次のように説明しています。「Bond-Laminates 社は、気泡非含有の完全に含浸された半製品コンポジット材料を、商業規模で生産する能力を持っています。このことがBond-Laminates 社を多くの競合企業と差別化し、安定した高品質特性を備える部品の生産を可能にしています」

ワンストップサプライヤーから全ての材料を

ランクセスは軽量化デザイン向けの繊維強化コンポジット材料を製造するために、包括的なバリューチェーンを構築しています。Bond-Laminates 社は、繊維、織生地そして「TEPEX」の製造に関する専門知識で貢献します。ランクセスの HPM ビジネスユニットは独自のポリアミドを持ち、このポリアミドの戦略的に重要な前駆体に後方統合しています。それにより顧客に対する製品の安定供給の拡大を図れます。HPM ビジネスユニットの軽量デザインビジネス開発マネージャーであるマルティン・クロッケ（Martin Klocke）は、次のように説明しています。「ランクセスは、製品、用途開発、販売およびマーケティングにおいて、世界的な位置づけにあります。このことはランクセスが世界中で革新的なソリューションを設計し、市場に送り出せることを意味しています」

HiAnt – インテリジェント軽量化デザインのためのカスタムメイドサービス

HPM ビジネスユニットの優位性は、コンセプト開発、CAE 計算、プロセスエンジニアリングおよびインダストリアルエンジニアリング、さらに部品テストといった分野での包括的な専門知識があることです。これらのノウハウは、「HiAnt」というの商標名で幅広いカスタマーサービスのために蓄積されています。例えば、複合部品の統合シミュレーションを行うために、金型と対応する素材モデルを開発し、このモデルによって、連続ガラス繊維で強化された熱可塑性樹脂コンポジットシートから作られた半製品の成形工程を正確にシミュレーションすることができます。

その結果、これらの部品の製造工程を正確にモデル化し、最適化して、それに続く機械的シミュレーションを高速応力レベルにおいても行うことが可能となります。ランクセスは、この分野において主導的役割を果たしており、様々な媒体や気候状況の影響を考慮した落下試験や老化試験といった、プラスチックを使用した自動車部品向けのテストシステムを、広範囲にわたり有しています。

多数の軽量組み立て部品が量産可能

Bond-Laminates 社とランクセスは、座席、ドア、テールゲイト、ハッチ、ボンネットといった部品向けのコンセプトを含む、自動車用コンポジット軽量デザインソリューションの様々な開発プロジェクトに取り組んでいます。クロッケは次のように述べています。「いくつかの部品は、量産の開始を間近に控えています」。二社が過去に共同事業を成功させています。「例えば、アウディA8 のフロントエンド、そして生産間近の複合成形したエアバッグ・ハウジングやブレーキペダルの開発試作品
です。それ以外にも、ドイツの自動車メーカーのスポーツクーペに『TEPEX』を使用し、ハイブリッドデザインで量産されている座席の枠組みや、コンパクト・スポーツカー用エンジンルーム・シールドなどがその例としてあげられます」

新たな特性を備えた新コンポジット半製品

Bond-Laminates 社とランクセスは現在、連続繊維で強化されたコンポジット半製品向けの新しい材料を開発中です。この素材は高い難燃性、熱安定性そして耐衝撃性を持っています。クロッケは次のように述べています。「両社は、ここでポリアミドやその他の材料のコンパウンドにおいて幅広い実績を活かしています」加えて、軽量化デザインの可能性をさらに拡大するため、特別な応力配向の「TEPEX」グレードを開発中です。

HPM ビジネスユニットの優位性は、コンセプト開発、CAE 計算、プロセスエンジニアリングおよびインダストリアルエンジニアリング、そして部品テストといった分野での包括的な専門知識です。これらの蓄積されたノウハウは、HiAnt の商標名で幅広いカスタマーサービスを提供します。

参考資料

● SMC（シート・モデリング・コンパウンド）の代替として（PDF）
● 金属が不要に（PDF）

ランクセスについて

ランクセスは、世界31 カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2012年の総売上は91億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 17,500人、世界中に52の拠点を展開しています。主な事業は、プラスチック、合成ゴム、中間体、特殊化学品の開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス（DJSI World）」および「FTSE4Good」の構成銘柄です。また、気候変動に関して優れた取組みおよび情報開示を行っている企業で構成されるCDLI（Carbon Disclosure Leadership Index：情報開示先進企業リスト）に選定されています。ランクセスについての詳細は同社URLにてご確認下さい。www.lanxess.co.jp

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