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電気自動車用バッテリーの性能向上を目指すIntLiIonコンソーシアム【ボッシュ】
2013年9月20日
ドイツ連邦教育科学・研究技術省からの支援
データと電力 – 2つを1つに
電気自動車用バッテリーの性能向上を目指すIntLiIonコンソーシアム
■電流回路でデータを送信
■電気自動車とハイブリッド車におけるバッテリーの可能性を最大限に活用
■2つの企業と2つの大学で協力体制を構築
シュトゥットガルト – 電気自動車に搭載されるバッテリーの性能を向上させるという共通の目標に向かって2つの企業と2つの大学がタッグを組み、新しい共同プロジェクトの研究開発をスタートさせました。プロジェクトチームは、インテリジェントなバッテリー管理を通じて、電気自動車とハイブリッド車の性能、安全性と寿命を著しく向上させたいと考えています。このプロジェクトでは、測定データや制御信号を効率的に交換するための技術的なベースとして、バッテリー内の電流回路を利用してデータを送信するという画期的な手法を導入しています。チームが推進するこのIntLiIonプロジェクト(電気自動車とハイブリッド車に搭載されるリチウムイオンバッテリー向けのインテリジェントなデータバスコンセプト)は2016年5月までに、ドイツ連邦教育科学・研究技術省から250万ユーロの資金援助を受けることになっています。
電気自動車とハイブリッド車は持続可能なモビリティではかなり重要な役割を担っているわけですが、電気自動車が日常的に使用されるようになると、より高性能、安全で耐久性も優れたバッテリーを求める声も次第に強くなっていきます。バッテリーに蓄えたエネルギーをより効率的に利用できるようにするだけでなく、電気自動車の走行距離をより伸ばすためにも、インテリジェントなバッテリー管理には将来的に大きな期待が寄せられるようになっていくでしょう。
バッテリーセルを個別に制御
IntLilonプロジェクトは、リチウムイオンバッテリーに特化したインテリジェントなデータ送信技術を開発することを目的としており、バッテリーパック内に最大100個組み込まれるセルを個別にかつ効率的に制御・モニターする革新的な通信システムの開発を中心に進められています。このシステムのベースとなっているのが、バッテリー内の電流回路をデータ送信にも利用するという画期的データ送信技術で、将来的には、電流回路を利用したこの通信手法でセントラルコントロールユニットに情報を送信できるようにすることが期待されています。そして、これが実現すれば、これまですべてのバッテリーシステムで不可欠だったデータ送信用の配線が不要になり、余分なコストも抑えられるようになります。ロバート・ボッシュGmbHでプロジェクトコーディネーターを務めるJens Strobelはこう述べます。「バッテリーセルを個別にモニターし続け、必要に応じて制御できるようにしたいと考えています」。これが実現できると、バッテリーに蓄えられたエネルギーの最適利用も可能になるほか、リチウムイオンバッテリー内の1つのセルの効率が低下した場合でも、バッテリーモジュール全体ではなく、問題の生じたセルを交換するだけで済みます。これはリソースの節約につながるだけでなく、安全性の向上、さらには将来の持続可能なモビリティにも大きく寄与するようになるでしょう。
プロジェクトパートナー
バッテリーによるデータ送信に電流回路を利用する取り組みには、数多くの専門家がパートナーとして参加しています。ロバート・ボッシュGmbHがコーディネーターを務め、プロデザイン・エレクトロニックGmbH、ハノーバー専科大学、カールスルーエ工科大学(KIT)とともに推進するIntLilon共同プロジェクトの総費用は430万ユーロに上ります。ドイツの連邦教育科学・研究技術省からの支援は、ドイツ連邦政府が推進する「ICT 2020 – イノベーションのための研究」資金援助プログラム内の「エネルギー効率の優れた安全なエレクトロモビリティ」イニシアティブ(STROM 2)の一環で行われます。このイニシアティブの目的は、ドイツのeモビリティ技術のトッププロバイダーとしての地位を築き、未来のモビリティの現実的なモデル構築を支援することにあります。
プロジェクトパートナー
▶ドイツ連邦教育科学・研究技術省 :
http://bit.ly/17E9nt2
▶ロバート・ボッシュGmbH :
http://bit.ly/11akLX7
▶プロデザイン・エレクトロニックGmbH :
http://bit.ly/1ck5T2D
▶ハノーバー専科大学 :
http://bit.ly/16o5ZlJ
▶カールスルーエ工科大学(KIT) :
http://bit.ly/17Xfh7s
ボッシュ・グループ概要 The Bosch Group at a Glance
ボッシュ・グループは、グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディング・カンパニーです。2012年度の従業員数は約30万6,000人、売上高は525億ユーロを計上しています。また2013年初めからは、自動車機器テクノロジー、産業機器テクノロジー、消費財、エネルギー・建築関連テクノロジーの4事業セクター体制に移行しました。
ボッシュ・グループは、ロバート・ボッシュGmbHとその子会社約360社、世界約50カ国にあるドイツ国外の現地法人で構成されており、販売、サービス代理店のネットワークを加えると、世界の約150カ国で事業展開しています。この開発、製造、販売、サービスのグローバル・ネットワークが、ボッシュのさらなる成長の基盤です。
ボッシュでは2012年に約48億ユーロもの金額を研究開発に投じ、さらに全世界では4,800件以上の国際特許の基礎特許(第一国出願)を出願しています。私たちは革新的で有益なソリューションを提供し、そのすべての製品とサービスを通して、人々を魅了し、人々の生活の質を向上させることを目的にしています。この方針に基づき、ボッシュは全世界において人と社会に役立つ革新のテクノロジーを提供し続けていきます。それこそが「Invented for life」です。
ボッシュの起源は、1886年に創業者ロバート・ボッシュ(1861~1942)がシュトゥットガルトに設立した「精密機械と電気技術作業場」に遡ります。ロバート・ボッシュGmbHの独自の株主構造は、ボッシュ・グループの財務上の独立性と企業としての自立性を保証するものです。「株主(利益配当)」と「経営(議決権)」が完全に分離した企業形態によって、ボッシュは長期的な視野に立った経営を行い、将来の成長を確保する重要な先行投資を積極的に行うことができるのです。ロバート・ボッシュGmbHの株式の大半は非営利組織である公益法人「ロバート・ボッシュ財団」(持株比率92%、議決権なし)が保有しています。議決権の大部分は株主の事業機能実行機関である共同経営者会「ロバート・ボッシュ工業信託合資会社」が保有しています。残りの株式と議決権は創業家であるボッシュ家とロバート・ボッシュGmbHが保有しています。
さらに詳しい情報は
www.bosch.com ボッシュ・グローバル・ウェブサイト(英文)
www.bosch-press.com ボッシュ・メディア・サービス(英文)
twitter.com/BoschPresse/ ボッシュ・プレスツイッター(英文)
を参照してください。
このプレスリリースは2013年8月21日に Robert Bosch GmbH より発行されました。原文をご覧ください。▶
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