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国内初 7軸完全NC化、フルモデルチェンジしたギヤシェーパ「ST40A」を発売【三菱重工業】

2013年9月12日

国内初 7軸完全NC化、フルモデルチェンジしたギヤシェーパ「ST40A」を発売
米国の歯車製造技術展「GEAR EXPO 2013」で初披露

三菱重工業は、ヘリカルギヤ(はすば歯車)や二段ヘリカルギヤなど多様な歯車の歯切り加工を実現するギヤシェーパ「ST40A」を発売しました。カッター(切削工具)とワーク(加工対象物)の干渉を防ぐリリービング(逃し動作)機構※1を日本で初めてNC化※2することにより、加工対応の幅を広げたのが特長です。米国のインディアナポリス市(インディアナ州)で9月17~19日に開催される歯車製造技術展「GEAR EXPO 2013」での加工実演展示で初披露し、自動車や建設機械、航空機をはじめとするあらゆる歯車製造現場向けに販売していきます。

ST40Aは、ヘリカルギヤ加工時のねじれ運動を世界で初めてNC化することにより、従来必要とされていたヘリカルガイド※3を不要にした「ヘリカルガイドレスギヤシェーパST40」をフルモデルチェンジしたものです。

今回の開発では、ST40ではNC化されていなかったリリービング機構をNC化することで、7軸完全NC化を実現。これにより、歯筋中央部をふくらませるクラウニング加工や歯筋方向に傾斜をつけるテーパ加工など、多様かつ高精度な加工において簡単・自在に対応できるようになりました。

また、主軸ストローク回数は、最高速度を500回/分から600回/分と1.2倍にして生産性を重視した高速加工能力を向上させる一方、最低速度を60回/分から30回/分と半減して硬い材質のワーク向けなどの低速加工能力も高めることにより、加工の対応幅が大きく広がりました。さらには、チルト(傾斜)テーブルを用いずに0.3度までのテーパ加工を可能にしたほか、オプションの充実や操作性・安全性・省エネ対応など様々な点に配慮した設計としています。

米国をはじめ世界的に、自動車・建設機械の変速機の多段化や歯車機構の変化に伴う歯車の大量生産や、小型旅客機の量産化に伴う高硬度歯車ニーズの増大などを背景として、あらゆる歯車製造現場において、付加価値の高い各種歯車加工に向けた設備投資意欲が旺盛になっています。ST40Aはこうしたニーズに確実に応えていきます。

GEAR EXPOは、米国歯車製造協会の主催で隔年開催される世界最大の歯車加工に関する展示会。世界中から歯車工作機械のメーカーとユーザーが集まり、商談も活発に行われます。今回開催されるGEAR EXPO 2013では、ST40Aだけでなく、切削油不要のドライカットホブ盤「GE15A」の実機を並べて展示。自動車の変速機構などに用いられている二段ヘリカルギヤの加工を実演します。

米国ではシェールガス革命や金融緩和を背景に、製造業が元気を取り戻しています。当社は、高い技術力に裏打ちされた歯車工作機械のフルラインアップと切削工具の組み合わせによる最適な歯車加工システムの提案と、グループ会社である米国フェデラル・ブローチ社や米国営業拠点を活かしたきめ細かい販売・サービス対応で市場浸透をはかっていきます。


「GEAR EXPO 2013」での展示内容

・ 歯車工作機械  ギヤシェーパ「ST40A」の加工実演
・ 歯車工作機械  ドライカットホブ盤「GE15A」の加工実演
・ 2012年4月に買収したフェデラル・ブローチ社製ブローチ工具

ギヤシェーパ「ST40A」の主な仕様

※1  リリービング(逃し動作)機構は、カッターの戻し(上昇)時に、ワークからカッターを引き離す機構です。
※2  NC(Numerical Control : 数値制御)化は、カッターやワークの動き、切削条件などの加工情報を数値でNC装置に入力して加工を自動制御にすることです。
※3  ヘリカルガイドは、ヘリカルギヤ加工の際、カッター軸にねじれ運動を与える部品です。
※4  実加工の主軸ストローク数は、カッターリードとストローク幅により制限があります。
※5  制御軸数は、NCリリービング機構オプション付加時に7軸となります。


製品ページ
工作機械
精密切削工具
Mitsubishi Heavy Industries America, Inc. Machine Tool Division
フェデラル・ブローチ社

担当窓口 : 工作機械事業本部




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