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難燃性と低発煙性に優れたエコ電線・ケーブルを開発【フジクラ】
2013年6月21日
㈱フジクラ(取締役社長 長浜洋一)は、高い難燃性と環境負荷特性を同時に達成したエコ電線・ケーブルを開発しました。
電線・ケーブルは身の回りの様々な場所に使用されているため、防災面から難燃性が求められています。特に、ビルや地下街、また乗り物など閉ざされた空間で使用される電線・ケーブルには高い難燃性能が求められています。それと同時に、REACH,RoHS 規制をはじめとする化学物質による環境や人体へのリスクを最小化する取り組みの広がりに伴い、高い環境安全性も求められています。
高い難燃性能を達成するために、電線・ケーブルの被覆材には難燃材を添加します。ハロゲン系の難燃材料は難燃性能が高いものの、環境特性や安全面では、燃焼時に塩素ガスやダイオキシン等有害な物質を発生させ、不完全燃焼時には黒煙を発生しやすく災害時の視界を妨げる可能性が問題視されています。また、一般的にリン系の材料は、環境ホルモンのバランスを崩す可能性があるといわれています。
これらの課題の解決のために、金属水和物系難燃剤を添加したケーブルを開発してきましたが、高い難燃性能を得るためには、大量の難燃材を添加する必要がありました。大量の難燃材の添加は、電線・ケーブルの機械強度(耐外傷性、耐引裂性)を低下させることから、これまで、機械特性と難燃特性を同時に満たすことが課題になっていました。
当社は、この度、被覆材の燃焼時に出来る表面の殻を強化することで効果的に燃焼を停止させる技術を開発しました。(基本特許取得済み)この技術によって、難燃材の添加量が劇的に減少したことで、高い難燃性能と、機械特性の両立に成功しました。また、殻によりガスの発生が抑制されることで、発煙量が格段に少ない低発煙性も得ることが出来ました。さらに、被覆材の比重が小さいことから、製品重量の軽減にも貢献します。
この新しいエコ電線・ケーブルを、ビルや住宅、トンネルや地下街などの構内や、自動車や電車、航空機、船舶などに適用することにより、防災や環境負荷の低減に貢献していきます。
特長
● 環境負荷物質不含有
● 垂直燃焼試験合格レベルの高い難燃性
● 燃焼時に有害ガスを発生しません
● 低発煙性
● 高い機械特性(耐外傷性能と耐引裂性能)
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