ニュース
業界最高※の高電圧化と低抵抗を両立させた電気二重層キャパシタ(EDLC)を開発・量産【ローム】
2013年6月14日
要旨
ローム㈱(本社:京都市)は、薄型高出力の電気二重層キャパシタ(Electric Double Layer Capacitor:EDLC)を開発しました。
本製品は、2.7Vに加え、業界最高の高電圧化(3.0V)にも成功しました。また、各種抵抗の要因を低減することにより、内部抵抗25mΩ(0.7F時)を達成。高電圧でありながら低抵抗も実現しています。 なお、本製品は、6月からサンプル出荷(400 円/個)を開始し、2014年1月から当面月産30万個の体制で量産を開始する予定です。
背景
ロームはセンサネットワーク構築に向けた取り組みを強化しており、その補助電源として活用が期待できるEDLCの開発に着手しておりました。EDLC は、従来使われていたコンデンサに比べて小型・大容量・高出力であり、デジタルビデオカメラなどのLEDフラッシュ用補助電源のほか、スマートメーターなどの制御機器におけるマイコンやメモリーのバックアップ電源として注目が集まっています。さらに、実装スペースの小型化のため、EDLCの高電圧化が求められていました。
新製品の詳細
今回、ロームでは適した材料選定と独自のプロセスにより、業界最高の高電圧化に成功しました。また、集電極の表面処理を工夫することで、抵抗要因のひとつであった界面抵抗をほぼゼロにすることに成功し、内部抵抗25mΩ(0.7F時)も達成しています。これらにより、高電圧化と低抵抗を両立させることができるため、幅広い用途への提案ができるようになります。
さらに、薄型アルミラミネートパッケージでありながら高出力が可能となり、小型機器への搭載にも大きく貢献します。
今後は、LSIやLED、各種モジュール化技術を活かし、LED素子とEDLCを組み合わせたLEDフラッシュモジュール製品など、周辺回路を含めたアプリケーション提案を実施していきます。また、産業機器や自動車分野など、蓄電デバイスとしての期待が高まっている市場向けに大容量化にも取り組んでまいります。
特長
使用用途例
用語説明
● F(ファラッド)
静電容量のこと。コンデンサに1Vかけた際、どれくらいの電気をためることができるかを示す値。
● SSD(Solid State Drive)
フラッシュメモリを使用した、記憶媒体として使える装置のこと。
● 瞬低(瞬時電圧低下)
落雷などにより、電圧が瞬間的に低下する現象のこと。
■新製品速報
電気二重層キャパシタ(EDLC) SRシリーズ / VRシリーズ / VTシリーズ
ローム株式会社ホームページはこちら