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シンガポールでアジア最先端のブチルゴム製造プラントを新設【ランクセス】
2013年6月5日
■ 年間製造能力10万トン
■ 高品質のハロブチルゴムの製造
■ 4億ユーロの投資: ランクセス設立以来、単独投資として最大規模
■ 高い技能を持つ160名の新規雇用を創出
■ ジュロン島で開所式典
ドイツの特殊化学品メーカーのランクセス(LANXESS)は、6月4日、シンガポールに建設した、新ブチルゴム製造プラントの開所式典を開催し、約400名の来賓が出席しました。約4億ユーロを投じた年間製造能力10万トンを備える同プラントは、この分野ではアジアで最先端の施設となり、高性能のハロブチルゴム、レギュラーブチルゴムを製造します。同プラントでは、現地の高い技能を備えた人材を中心に約160名の新規雇用を創出します。
ランクセスは、世界各地に全額出資の製造拠点を持つ初のブチルゴムメーカーです。サーニア(カナダ)、ズヴァインドレヒト(ベルギー)の既存のブチルゴムプラントと、シンガポールに新設した同プラントを合わせると、3大陸に最先端のプラントを構えることになります。この新しいブチルゴム製造プラントは、2013年第1四半期に試験運転を開始し、製造量を徐々に増加したのち、2013年第3四半期に商業生産をスタート、2015年にはフル稼働を予定しています。
ランクセスのCEO であるアクセル・ハイトマンは、次のように述べています。「この投資は、ランクセス設立以来、単独投資として最大規模となり、ランクセスの合成ゴム事業におけるアジアの重要性を明確に示しています。ランクセスは、モビリティの将来を念頭に、長期的な視点から明確なビジョンを持って、このプラントの建設を推進してきました」
式典には、シンガポールの副首相兼安全・国防調整相兼内相のテオ・チーヒエン(TEO Chee Hean)氏、駐シンガポールドイツ連邦共和国大使、アンゲリカ・フィーツ(Angelika Viets)氏をはじめ、ランクセスのブチルラバービジネスユニットの責任者であるロン・コマンダーも出席しました。
テオ・チーヒエン氏は次のように述べています。「アジアの成長トレンドに乗るため、ランクセス社は、シンガポール拠点を全アジア地域に向けたビジネス成長の基盤として活用しています。現在、様々な企業がシンガポールにおいて、その業務を本社機能から研究開発に至るまで拡大しており、私たちは多くのシンガポール人に化学分野において幅広く豊かな就業機会が与えられることを期待しています。ランクセス社にとって、アジアで初のブチルゴム製造プラントが開設されたことを、心よりお祝い申し上げますと共に、今後とも長期にわたり実りのあるパートナーシップを構築できることを期待しております」
メガトレンドのモビリティ
今後数年間のブチルゴム市場は、特にアジアで急成長するメガトレンドのモビリティが原動力となり、年平均成長率5%が予測されています。ランクセスのブチルラバービジネスユニットの売上高の約4分の3をタイヤ産業が占めており、アジアにおける売上高は50%以上を占めています。
例えば、中国とインドの自家用車の保有台数は、主に両国の中産階級の増加に伴い、今後15年以内に3倍以上に増加すると予測されています。さらに、中国とインドでは、バスおよびトラック向けのラジアルタイヤおよびチューブレスタイヤの使用の高まりが明らかで、業務用車両の表面が変わりつつあります。先進のラジアルタイヤには、ハロブチルゴムで製造されたインナーライナーが必須です。ハロブチルゴムは、気体に対する不透過性を備えているため、タイヤの適切な空気圧をより長期間維持し、それが結果的に燃料の節約やCO2排出量の削減につながります。
「ランクセスは、高性能製品を通して『グリーンモビリティ』を可能にするリーダーの役割を担っています」とハイトマンは述べています。
ハロブチルゴムの一種であるブロモブチルゴムの新用途として、タイヤトレッドへの使用が挙げられます。この使用により、ブロモブチルゴムは、転がり抵抗を犠牲にすることなく、グリップ性能と関連するウエットブレーキ性能の両方を向上することで、タイヤの特性を最大限に発揮します。
ハロブチルゴムの他の用途として、医薬用ゴム栓があります。この特殊用途向けゴムの使用は、中国やアジアの数カ国において法律で義務づけられています。アジアには、複数の世界有数の医薬用ゴム栓メーカーがあり、ランクセスのブチル事業の約10%も医薬分野が占めています。
ブチルゴムのその他の用途としては、防護服、靴底、接着剤、チューインガムなどが挙げられます。自動車のエアコンシステムや燃料タンクライナーにおいてもブチルゴムの気体に対する不透過性と耐薬品性が証明されています。
非常に複雑な製造プロセスを改良
ブチルゴムの製造は、非常に複雑で 摂氏−100度から200度までの温度幅で様々な工程があります。ランクセスは、ブチルゴム製造に使用されている従来の製造プロセスを完全に改良し、この新プロセスをシンガポール拠点で導入しています。
ランクセスの総投資額の約10%が、ブチルゴム製造プラントの環境対策のために使用されました。例えば、同等の施設と比べて製造プロセスにおいて消費する蒸気量が大幅に削減されたことで、エネルギー消費の削減に繋がります。製造プロセスで発生する化学化合物は、最先端のサーマルオフガス処理装置で処理され、それにより環境への影響を低減できます。
ブチルラバービジネスユニットの責任者であるロン・コマンダーは次のように述べています。「このプロセスは、ゴム製造におけるランクセスの世界的なリーディングポジションを明確に示すものであり、ランクセスが業界の新基準を築いていることを誇りに思います」
シンガポールの理想的な立地条件
シンガポールのジュロン島の15万平方メートルの敷地に新設されたブチルゴム製造プラントは、Foster Wheeler Asia Pacific Pte.Ltdが設計と建設を担当しました。ランクセスは、シンガポール通商産業省の外郭団体であるジュロン・タウン公社(JTC)から製造拠点建設用に土地をリースしています。
ジュロン島は、都市国家であるシンガポールの南西部に位置しています。化学産業のニーズに適したインフラが完備され、ランクセスにとって理想的な立地条件を備えています。例えば、近接するプラントから、ブチルゴム製造の主要原料であるイソブテンの長期供給を確保しています。
またランクセスは昨年、ジュロン島にNd-PBR(ネオジウム触媒ポリブタジエンラバー)の新製造プラントの建設も開始しました。同プラントは、ブチルゴム製造プラントと近接した位置にあり、インフラおよびロジスティクス共有化などから有益な相乗効果をもたらします。
ランクセスPte.Ltd.(シンガポール)は、現在、約380名の従業員を擁し、東南アジアおよびアジア太平洋地域におけるランクセスの重要なハブ機能を果たしています。2010年より、ブチルラバービジネスユニットはグローバル事業本部をシンガポールに置いています。
ブチルラバービジネスユニットは、ランクセスのパフォーマンスポリマーズ部門(2012年度の売上高:52億ユーロ)に属しています。
これは、ドイツ・レバクーゼンで6月4日に発表されたリリースをもとに、ランクセス㈱が発表したものです。
この原文(英語)は、以下のURLにてご参照下さい。 http://www.press.lanxess.com
ランクセスについて :
ランクセスは、世界31カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2012年の総売上は91億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 17,400人、世界中に50の拠点を展開しています。主な事業は、プラスチック、合成ゴム、中間体、特殊化学品の開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス(DJSI World)」および「FTSE4Good」の構成銘柄です。また、気候変動に関して優れた取組みおよび情報開示を行っている企業で構成されるCDLI(Carbon Disclosure Leadership Index:情報開示先進企業リスト)に選定されています。ランクセスについての詳細は同社URLにてご確認下さい。www.lanxess.co.jp
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