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2013年 日産グローバルモータースポーツ活動計画を発表【日産自動車】
2013年2月26日
日産自動車㈱(本社:神奈川県横浜市西区 社長:カルロス・ゴーン 以下、日産)及びニッサン・モータースポーツ・インターナショナル㈱(本社:神奈川県横浜市鶴見区 社長:宮谷正一 以下、ニスモ)は26日、2013年のグローバルモータースポーツの活動概要を発表しました。
日産の社長であるカルロス・ゴーンは、同社がゼロエミッション・テクノロジーを用いた革新的なコンセプトのレーシングカーにより2014年のルマン24時間レースにガレージ56車両として参戦することを発表しました。このルマンへの参戦は新しいパワートレインをテストすると同時に、最新のテクノロジーを採用したレーシングカーが将来ルマン24時間のトップカテゴリーに復帰する際の、ACO(西部自動車クラブ-ルマン24時間レースのプロモーター)とFIA(国際自動車連盟)への必要なデータ提供、という目的があります。
ゴーン社長は、「ルマンへの復帰は当社の市販車とレーシングカーの両方にとって、最も厳しい環境下での実験の場への復帰となることでしょう」と語りました。
この他にも、ニスモはグローバルでのモータースポーツ活動を以下のように拡大していきます。
・ ブランパン耐久シリーズにおけるNISSAN GT-R NISMO GT3による耐久レース活動の継続
・ 22台中17台を誇る2013年ルマン24時間レースLMP2クラスでのニスモエンジンユーザー
・ オーストラリアでのトップレーシングカテゴリーであるV8スーパーカーズへの新型アルティマ4台による参戦
・ すでに欧州、ロシア、米国、南アフリカ、中近東で大きな成功を収めているGTアカデミーの更なる地域的拡大
ルマンへの復帰
本日、ニスモグローバル新本社のオープニングイベントの中でゴーン社長は、日産が2014年にガレージ56車両としてルマンに復帰することを約束しました。
詳細についてはプロジェクトが更に進行したときに発表を行いますが、日産は数々の賞を受賞したデルタウィングの精神を受け継いだ、今までになかったワクワクを提供できるレーシングカーを開発していきます。ACOは、将来の日産のLMP1カテゴリーへの復帰の可能性にむけて必要なデータを関係団体が収集できるよう、ガレージ56の枠を日産に提供したものです。
内燃機関エンジンについては、日産は今年もルマンLMP2クラスでの最多エンジンサプライヤーです。2013年のルマンでは17台の日産・ニスモVK45DEエンジン搭載車が参戦します。
GT-Rでの参戦
ニスモが開発したGT-Rレーシングカーでのモータースポーツ活動は日産の主要な活動の一つです。日本のスーパーGT GT500クラスでのシリーズ連覇、GT300クラスでの勝利、スーパー耐久レースGT3クラスでの勝利、英国GT選手権での勝利など、GT-Rは2012年に数々の勝利を収めました。
1. SUPER GT
①GT500クラス
■車両
現行規則が最後となる2013年型NISSAN GT-Rは空力とエンジンに重点をおいて開発を行いました。
①空力:リヤ周りに特徴的なシャークティース形状を採用するとともに、床下周り形状を最適化して、ダウンフォースを維持しつつ、ドラッグを大幅に減少しました。
②エンジン:レスポンスとトルク特性を改善するとともに、フリクションの低減などにより燃費性能を改良し、実際のレースシーンでの速さを向上しました。
■チーム体制
日産系チームとしては、NISMO、MOLA、TEAM IMPUL、KONDO RACINGが参戦し、計4台の「NISSAN GT-R」が同シリーズGT500クラスに出場します。日産系チームの総監督は、引き続き柿元邦彦が努めます。
②GT300クラス
■車両
「NISSAN GT-R NISMO GT3」にてGT300クラスに参戦します。
2013年モデルでは、エンジン出力向上及び耐久性向上、空力性能向上、ブレーキ配分の適正化、空力性能向上に伴うサスペンションセッティングの見直し、エンジン出力向上に伴うギアレシオの最適化を行うことにより競争力を一層高めました。
■チーム体制
2013シーズンは、昨年のNDDP RACINGに加え3台のプライベートチームによるGT-Rが出場し、計4台のGT-RがGT300クラスに参戦します。
2. スーパー耐久
KONDO RACINGと日産自動車大学校のコラボレーションによる、授業の一環としてのレース活動参画という、教育とモータースポーツを結びつけた「スリーボンド日産自動車大学校GT-R」プロジェクト(NISSAN GT-R NISMO GT3)に加え、3チームから6台のフェアレディZが出場します。
ニッサン・ドライバー・デベロップメント・プログラム(NDDP)
世界及び日本のトップカテゴリーで活躍できる若手ドライバー育成を目的とし、二人のドライバーを協賛します。
■NDDPアドバンススカラシップ対象ドライバー:
SUPER GT(GT300クラス)参戦: 千代勝正 (26)、佐々木大樹 (21)
全日本F3(Nクラス)参戦: 高星明誠 (20)
■NDDPスカラシップ対象ドライバー:
フォーミュラ・チャレンジ・ジャパン参戦: 藤波清斗 (17)
ブランパン耐久シリーズ
ニスモのビジネスパートナーでもあるJRMとRJNがそれぞれ2台体制でブランパン耐久シリーズに参戦します。
オーストラリアV8スーパーカーズ
オーストラリア日産は4台の新型アルティマによるV8スーパーカーズへの参戦を行います。新型アルティマには、FIA GT1シリーズで2011年に世界チャンピオンに輝いたGT-Rに搭載されていたニスモ開発のVK56DEエンジンがベースとなったパワーユニットが搭載されています。
■チーム体制
GTアカデミー
「バーチャルの世界から現実のレーシングに」というキーワードに2008年にスタートしたGTアカデミープロジェクトは大きな成功を収めています。このプロジェクトはすでに第一線で活躍するレーシングドライバーを輩出しています。プレイステーション®用ゲームソフトであるグランツーリスモ5®によって競われる日産車を使用したバーチャルレースでは、2012年単年でのゲーム上の総走行距離は8億キロを超えております。
2012年は4名のレーシングドライバーが誕生しました。
・ ウォルフガング・ライプ (GTアカデミーヨーロッパ大会優勝者)
・ マーク・シュルツイスキー (GTアカデミーロシア大会優勝者)
・ ペーター・ピッツェーラ (GTアカデミードイツ大会優勝者)
・ スティーブ・ドハティ (GTアカデミー米国大会優勝者)
彼らはNISSAN GT-R NISMO GT3でブランパン耐久シリーズにRJNチームから参戦します。
また、ニスモ・アスリートと名づけられたGTアカデミープログラム卒業生向けの新しいプログラムの詳細が、近々発表される予定です。
グローバルモータースポーツダイレクターのダレン・コックスは「モータースポーツ活動は、日産ブランドを構築するためのものだと考えています。我々はモータースポーツを愛する方々に、世界中の数々のレース活動やGTアカデミーを通じて、日産の”イノベーション&エキサイトメント”に接してもらいたいと思っています。我々はモータースポーツへのより革新的なアプローチを模索することにより、サーキットの中でも外でも驚きを提供したいと思っています。」と語りました。
日産のグローバルなモータースポーツの中心はニスモです。ニスモは新たにオープンした新本社と、ニスモバッジを冠したロードカーによりプレゼンスを増していきます。ジュークニスモ、フェアレディZニスモそしてフラッグシップであるGT-Rニスモなどのモデルによりラインナップは確立されていくでしょう。
ニスモ取締役社長の宮谷正一は、「ニスモは、日産の将来の市販車とモータースポーツ戦略のキーとなるものであり、我々は早急に日産のパフォーマンスブランドとしてのニスモブランドを作り上げたいと思います。ニスモの開発チームが1箇所に集結したことは始めてのことであり、この新しい本社は、情熱とパフォーマンスを育てる場所になり、そしてニスモの高い技術を持つエンジニアたちは、新しいヒーローを創出するために限界点を更に引き上げていくことが可能になるのです。」と語りました。
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