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リチウムイオン電池向け酸化鉄顔料の開発に重点 ~ 電気自動車用途の「バイオキサイド(Bayoxide(R))」を開発~【ランクセス】
2012年12月19日
ドイツの特殊化学品メーカー、ランクセス(LANXESS)は、リチウムイオン電池の陽極材に使用される様々な酸化鉄を開発しています。酸化鉄は、特にその優れた物性と高い反応性により、電気自動車分野での使用に理想的です。ランクセスが最近開発した製品には、特殊用途酸化鉄「バイオキサイド(Bayoxide(R))E B 90」があります。
「バイオキサイド」のラインアップには、個々の顧客の需要を満たすため、様々な粒子サイズ、結晶の形状や構造、そして純度グレードをもつ特殊な酸化鉄が揃っています。メーカーはこれらの製品を使用して、走行距離1kmあたりの二酸化炭素排出量を大幅に削減できる電気自動車用の高性能電池を製造することができます。
環境に優しい駆動技術のための化学的専門知識
全ての主要自動車メーカーは、持続可能で経済的な電気自動車の開発に取り組んでいます。交通量は世界中で急速に増大し、国家および国際レベルの両方において自動車の二酸化炭素排出量に関する厳しい規制が義務化されるようになってきました。無機顔料(IPG)統括責任者のヨーク・ヘルヴィッグ(Jorg Hellwig)は、次のように述べています。「電気自動車は、世界中で急速に進むモビリティを、持続可能で環境に優しいものにするための重要なステップです。しかし、消費者が電気自動車を受け入れるかは、トータルコストが合理的かどうかで決まります。そこで電池の耐用年数と走行距離が特に重要な役割を担うことになります。そのため、ランクセスの研究部門は、環境に優しく経済的な駆動技術を実現するために様々な課題を解決できるよう、テーラーメイドの製品に取り組んでいます。
特殊化学品メーカーとして、顧客のために個々のソリューションを見出すことこそがランクセスの使命です」
電気自動車用の電池だけで、その潜在的な世界市場は2020年までに200億ユーロに達すると予想されます。電池における成功要因の1つは陽極技術です。電池は、エネルギー密度、電力密度、安全性、耐用年数そしてコストのバランスがとれている必要があります。LFP陽極材(リン酸鉄リチウム、LiFePO4)は、これらの全ての必要条件をバランスよく効果的に満たしていることが証明されています。第1世代のLFP陽極材が、沈殿させたLFP、または焼結処理法によってシュウ酸鉄から製造されたLFPの溶液を含んでいたのに対し、今日多数のメーカーは酸化鉄、リチウム化合物およびリン化合物の炭素熱反応を使用しています。
長期にわたる協力関係が革新における成功の鍵
「成功への鍵は、ランクセス製品の高い品質だけではありません。顧客にとって重要なことは、ランクセスの開発能力と長期にわたり協力関係を維持したいという私たちの熱意なのです。世界有数の酸化鉄顔料メーカーとして、ランクセスは電気自動車用陽極材に使用される酸化鉄の増大する需要を信頼あるサービスで十分に応えることができます」とヘルヴィッグは述べています。
無機顔料ビジネスユニットのグローバルコンピテンスセンターの特殊用途責任者であるヘンドリク・カトライン(Hendrik Kathrein)は、次のように述べています。「ランクセスが行ってきた継続的な研究開発への投資は、すでにいくつかの革新的な製品となっています。しかし、特にこのような複雑な用途における製品開発の成功は、顧客との密接な信頼関係を必要とします。例えば、ランクセスは電池メーカーのためのカスタム製品に取り組んでいます。
これらの製品は、顧客が必要とする形状に最も適合する必要があり、また顧客独自の要求がしばしばあるからです」
「バイオキサイド」、色は脇役に
「バイオキサイド顔料」は、様々な市場、産業、要求に対応するために開発されてきました。 その多岐にわたる用途の例として、エアバッグ、ブレーキパッド、触媒コンバーター、コピー機およびレーザープリンター用トナーの顔料、飲料水および廃水浄化に使用する吸着剤製品などがあります。「バイオキサイド」のもう一つの非常に革新的な用途が、バイオガスの脱硫です。「バイオキサイド」は、酸化鉄顔料を基に製造される「バイオキサイドE顔料」と、酸化クロム顔料を基に製造される「バイオキサイドC顔料」に分類されます。建材やプラスチックの着色に使われる顔料同様、バイオキサイドも特定の色調(赤、黄、緑、黒)を揃えていますが、その製品の技術的、化学的、物理的特性と比較すれば、色はほんの脇役です。
無機顔料ビジネスユニットは、無機酸化鉄および酸化クロム顔料の世界有数のメーカーで、製造設備をドイツ、ブラジルおよび中国に、ミキシング・粉砕設備をオーストラリア、中国、スペイン、英国および米国に有しています。
無機顔料ビジネスユニットは、パフォーマンスケミカルズ部門(2011年度の売上高:21億3,000万ユーロ)に属しています。
これは、ドイツ・レバクーゼンで12月5日に発表されたリリースをもとに、ランクセス㈱が発表したものです。
この原文(英語)は、以下のURLにてご参照下さい。
http://www.press.lanxess.com
ランクセスについて
ランクセスは、世界31カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。
2011年の総売上は88億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 17,100人、世界中に49の拠点を展開しています。主な事業は、プラスチック、合成ゴム、中間体、特殊化学品の開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続
可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス(DJSI World)」および「FTSE4Good」の構成銘柄です。
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