新型ミリ波レーダーを開発～高速走行中においても、より早いタイミングの適切な制御に貢献～【デンソー】

2012年11月21日

㈱デンソー（本社：愛知県刈谷市、社長：加藤宣明）は、検知距離と角度を拡大した新型ミリ波レーダーを開発しました。新型レーダーの検知距離は従来品の151mから205mに拡大、また検知角度は35m先までの距離において同±10度から±18度まで拡大しています（下図参照）。これにより、これまでよりも遠くから、かつ幅広い範囲において、前方車両を検知することが可能となり、車両の衝突被害軽減システム（PCS）と車間距離制御システム（ACC）の作動範囲の拡張に寄与しています。

ミリ波レーダーは、製品正面から電波を発信し、前方車両からの電波の反射時間・方向から車間距離や前方車両の速度・方位を検知するもので、衝突が不可避な状況を検知して衝突被害を軽減するPCSおよび、先行車との車間距離を一定に保って走行するACCのセンサーとして使用されています。

新たに開発したミリ波レーダーは、検知距離を拡大することで、ACCの作動下で、より早い速度での走行においても、先行車両との間に必要な車間距離を一定に保つことが可能となります。また検知角度の拡大により、横からの車の割り込みやカーブ・交差点を含む様々な道路環境に対して従来よりも早いタイミングで最適な制御を実現します。

今回の検知距離の拡大は、ミリ波レーダーの電波信号の受信の妨げとなるノイズ（電磁雑音）レベルを低減し、より高感度な受信回路となるよう電子回路の構成を改良することで実現しています。また、受信アンテナの配置を工夫することにより、検知角度を拡大しています。
さらに、発信・受信アンテナの材質の変更や構成部品の統合により、従来品と比べて大幅にコストを低減しています。

新たに開発したミリ波レーダーは、本年11月より、欧州市場からグローバルに順次発売の「マツダ　アテンザ（海外名：　Mazda6）」に採用されており、国内市場では11月20日より発売開始されています。

デンソーは、交通事故のない社会の実現を目指し、乗員の保護や事故防止に関する安全技術を開発・実用化してきました。今後もこれまで培ってきた技術を活用し、ドライバー、歩行者をはじめとする、世界中のすべての人が安心できる、安全なクルマ社会の実現に貢献していきます。