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SUPER GT 2024年 第6戦 SUGO GT 300km RACE 笹原/アレジ組GRスープラが最後尾から追い上げ今季2勝目【トヨタ自動車】
2024年9月22日
SUPER GT 2024年 第6戦 SUGO GT 300km RACE
笹原/アレジ組GRスープラが最後尾から追い上げ今季2勝目
石浦/大湯組が2位で続きTGR勢1-2フィニッシュ!
SUPER GTの第6戦がスポーツランドSUGOで行われました。週末を通しての強い雨でスタートはディレイ、ウェットから路面が好転していくという難しいコンディションのレースとなりましたが、14番手スタートから序盤最後尾まで順位を落とした笹原右京/ジュリアーノ・アレジ組 Deloitte TOM’S GR Supra 37号車が逆転して今季2勝目を挙げました。ポールスタートの石浦宏明/大湯都史樹組 KeePer CERUMO GR Supra 38号車が2位で続き、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGRスープラが1-2フィニッシュ。また、ランキング首位の坪井翔/山下健太組 au TOM’S GR Supra 36号車は4位フィニッシュを果たし、ランキング首位の座を守りました。
2024年シーズンSUPER GTの第6戦「SUGO GT 300km RACE」が9月21日(土)、22日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催されました。
前大会第5戦鈴鹿が台風の影響で12月へ延期となったため、今大会は事実上の5戦目、シーズン後半戦へ入ります。
TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は今季同シリーズのGT500クラスに6台のGRスープラで参戦。開幕戦で36号車がポール・トゥ・ウィン。第3戦では37号車がポール・トゥ・ウィン、大嶋和也/福住仁嶺組 ENEOS X PRIME GR Supra 14号車が2位で続き、GRスープラが1-2フィニッシュという好成績を挙げました。
ドライバーズランキングでは36号車が首位、37号車が13ポイント差の4位、14号車が14ポイント差の5位、前戦富士で3位表彰台を獲得した38号車が16ポイント差の7位と、十分にチャンピオンを狙える位置につけており、魔物が棲むといわれるSUGOでの今大会も熱い戦いが期待されます。
イベント広場にはTGRブースが開設され、LEXUS LBX MORIZO RR、GRヤリスを展示。この週末はあいにくの天候となりましたが、多くのお客様がサーキットを訪れ、ドライバートークショーや、自由にデザインした乗り物をスキャンしてモニター内でレースを楽しむ「お絵かき3Dレーシング」などのコンテンツが人気を集めていました。
予選
予選が行われた21日(土)は前日からの雨が続き、午前中の公式練習はウェットコンディション。午後はさらに雨が強まる予報もあり、予選が中止になった場合にこの公式練習のベストタイムでグリッド順を決める可能性があると通達があったこともあり、各チームは走行開始時から積極的にタイムを出す走行を続けました。断続的に降る雨の中、悪天候やアクシデントにより6回もの赤旗が出される公式練習セッションとなりましたが、そんな中GRス-プラ勢が速さを見せました。
公式練習走行の後、若干コンディションが良くなった時間帯もありましたが、その後また雨脚が強まり、午後2時45分より予定されていた予選は、数回にわたるディレイの後、午後3時9分にキャンセルされることが発表されました。決勝のスターティングリッドは公式練習時のタイムにより決定されることに。
これにより、38号車がポールポジションを獲得。14号車が2番手、国本雄資/阪口晴南組 WedsSport ADVAN GR Supra 19号車が3番手、ランキングトップで82kgとサクセスウェイトの重い36号車が4番手と2列目までをGRスープラが独占。関口雄飛/中山雄一組 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車が8番手、37号車は14番手グリッドとなりました。
GT300クラスでは、平中克幸/清水英志郎組 シェイドレーシング GR86 GT 20号車がポールポジション。吉本大樹/河野駿佑組 Syntium LMcorsa GR Supra GT 60号車が6番手、小高一斗/中村仁組 apr LC500h GT 31号車が8番手、ランキングトップの堤優威/平良響組 muta Racing GR86 GT 2号車が9番手、永井宏明/小林利徠斗組 apr GR86 GT 30号車が10番手、新田守男/高木真一組 K-tunes RC F GT3 96号車が11番手で、菅波冬悟/松井孝允組 HOPPY Schatz GR Supra GT 25号車は21番手。
イゴール・オオムラ・フラガ/古谷悠河組 ANEST IWATA Racing RC F GT3 50号車は公式練習セッションで車両トラブルにより走行できず最後尾スタートに。吉田広樹/野中誠太組 Green Brave GR Supra GT 52号車は公式練習走行中に激しくクラッシュ。ドライバーは無事でしたが、車両はこのイベント中の修復は不可能と判断され、今大会はリタイアとなりました。
決勝
22日(日)も雨模様は続き、朝方に行われたFIA-F4は赤旗中断で終了する状況。午後遅くなって天候が回復するという予報も鑑み、当初午後1時半から予定されていた決勝レースは、午後2時22分に開始されることとなりました。
気温20度、路面温度24度と悪天候で肌寒い中、グランドスタンドを埋めたレースファンの皆様が見守る前で、セーフティカー先導でレースがスタート。雨はほとんど止んだものの、まだ路面はウェットで、GT500クラスは全車両がレインタイヤを装着して走りだしたレースは、4周目から本格戦が開始されました。
ポールポジションの37号車石浦が首位を逃げる一方で、その後方では序盤から激しいバトルが繰り広げられました。2番手の14号車大嶋が遅れ、3番手スタートの19号車国本が2位、4番手スタートの36号車坪井が3位へとポジションアップ。その後も目まぐるしく順位が入れ替わる展開となりました。
36号車の坪井は好ペースで順位を上げ、5周目に2位に上がると、16周目には38号車をパスし首位に浮上しました。
序盤の混戦の中で一時6位まで順位を落としていた14号車の大嶋も、周回を重ねる中でペースを上げ、23周目に2位へとポジションを上げました。
14番手と後方スタートを強いられた37号車の笹原は、序盤はタイヤのグリップに苦しみ一時は最後尾に後退。しかし、周回を重ねていくに従ってペースを上げ、ポジションアップ。37号車は16周目には7位、23周目には38号車をかわして4位まで順位を上げる目覚ましい追い上げを見せました。
上位勢は各車の差がかなり広がっていましたが、24周目にGT300クラス車両にクラッシュが発生しセーフティカーが導入。これで各車のマージンは帳消しに。
32周目に再スタートが切られると、まだタイヤをスリックに交換するには難しいタイミングで、GT500クラスでは39号車ともう1台のみがピットへ。39号車は中山へとドライバーを交代、新しいウェットタイヤへ交換してコースへ復帰しました。
首位を行く36号車の坪井のペースが厳しくなってくる中、2位の14号車大嶋が36号車に追いつくと、4位だった37号車の笹原は、Astemo CIVIC TYPE R-GT 17号車をかわして3位に。さらに首位を争う14号車と36号車もかわし、最後尾から首位までポジションを上げました。
39周目にGT300クラス車両がコースオフしたことで、GT500クラス車両は先に入っていた2台ともう2台を残して一斉にピットへ。ドライバー交代と給油、そしてスリックタイヤへの交換作業を行いました。アレジへと交代した37号車は、ピットインしなかった2台に次ぐ3位でコースへ復帰。福住へと交代した14号車が5位、ウェットのままの39号車は6位、山下へと交代した36号車が7位でコースへ戻り、そのままセーフティカーが導入されることとなりました。
50周目、残り35周で再スタート。14号車の福住は好ペースで順位を上げていきましたが、14号車はセーフティカー走行中にコースオフを喫したことでドライブスルーペナルティ。惜しくも順位を落とすこととなりました。
37号車のアレジは再スタート直後から素晴らしいペースで周回を重ね、54周目に首位に浮上。38号車の大湯も好ペースで57周目に3位に上がると、その勢いのままに翌周2位へ。
36号車の山下はペースが上がらず後続にかわされるシーンもありましたが、その後ペースを上げていき、4位へ。
首位を行く37号車のアレジは、圧倒的なペースで後続との差を広げていき、終盤は20秒近い大差をつけてトップチェッカー。今季2勝目を挙げました。38号車は2位でチェッカー。前戦富士での3位に続く2戦連続表彰台獲得となりました。
36号車は4位フィニッシュ。ドライバーズランキングで首位の座を守りました。笹原/アレジ組が勝利を挙げたことで、ランキングは首位の坪井/山下組に1ポイント差の2位へと浮上しました。
19号車が8位、14号車は9位でフィニッシュし、共にポイント獲得を果たしました。
GT300クラスでは、ポールポジションの20号車清水がスタートから首位を逃げ、ライバルとの上位争いを繰り広げましたが、22周目に右リアタイヤが突然脱落するというトラブルに見舞われ痛恨のリタイア。
8番手グリッドから着実なレース運びで、終盤は小高がオーバーテイクを見せた31号車がTGR勢最上位の6位でフィニッシュ。ランキング首位でサクセスウェイトの重い2号車も終盤バトルで観客を沸かせ、8位フィニッシュ。6番手スタートから早めのスリックタイヤ投入作戦を採った60号車が9位でポイント獲得を果たしました。
Deloitte TOM’S GR Supra 37号車 ドライバー 笹原右京:
14番手スタートから、本当に難しいコンディションで最後までどのタイヤを選ぶか悩んだのですが、僕も含めチームも最後まで素晴らしい判断ができたと思います。僕はとにかくタイヤも守りつつも、とにかく自分のスティント中にトップまで上がるっていう意思でいたので、最終的にトップでバトンを渡すことができて、僕としては今日100%の仕事はできたのかなと思います。最初はとにかく大変で、もう気合いで何とかしてくれっていう感じだったので、なんとか必死に耐えつつ走ったんですが、途中からはそのタイヤ選択もうまく功を奏して追い上げることができて、トップでジュリアーノにバトンを渡せました。 後半もジュリアーノがすごくよく頑張ってくれて、優勝することができて本当に嬉しいです。皆さんの応援のおかげですし、本当にチーム含め皆さんに感謝です。この結果はチームとしても自信に繋がったと思います。シリーズタイトルについても今回の2勝目で現実味は増してきていますが、やっぱり隣にいる36号車が本当に速いので、今37号車はとにかく彼らに早く追いついて追い越せるように努力するという、みんなで同じベクトルに向かって進んでいるので、今後が楽しみです。
Deloitte TOM’S GR Supra 37号車 ドライバー ジュリアーノ・アレジ:
前回の勝利も初優勝ということで忘れられないレースでしたが、今回はまた格別です。これだけ後方からのスタートで、難しい、誰も予想できないコンディションでしたから。我々はちょっとアグレッシブなセットアップとタイヤ選択というギャンブルに出て、それが予想以上に上手く行きました。右京もすごく良いスティントで、14番手スタートからトップまで上がって素晴らしい走りをしてくれました。 僕は彼よりはちょっと簡単な、ドライに近いコンディションでしたが、それでもどんどん路面のコンディションが変わって、タイヤが乾いていく中でタイヤの温度も上がっていきましたし、あのコンディションでミス無く走るのはとても大変でした。そんな中でチームの皆さんと一緒に最後までミス無くトップを守って、優勝できて本当に良かったです。メカニックやエンジニアの皆さんも頑張ってくれて、タイヤの選択も良かったので、ドライバーだけでなく、チームワークの勝利だと思います。
KeePer CERUMO GR Supra 38号車 ドライバー 石浦宏明:
前半スティントを担当しました。スタートダッシュは良かったんですけれども、その後ちょっとペースが悪くなって苦しい展開になってしまいました。とはいえセーフティカーにも助けられて、その後の大湯選手の素晴らしい追い上げにつながったので、何とかしのぎきれて前半は良かったなというところです。
KeePer CERUMO GR Supra 38号車 ドライバー 大湯都史樹:
ファーストスティントで想定外のことが起きて、ベースをあまり上げられませんでした。そこで落ちてしまった分をなんとか取り返すべく頑張って2位という結果でした。ちょっとチーム・クルマ的にも課題はあったので、次戦オートポリスは絶対優勝できるように、今回の課題を改善できるように準備していきたいなという反省もありますが、2位という結果は嬉しいです。2戦連続表彰台ということで、ランキングもチャンピオンがちょっと見えてきつつあるので頑張ります。
今季2勝目を挙げた笹原右京/ジュリアーノ・アレジ組 Deloitte TOM’S GR Supra 37号車 |
今季2勝目を挙げたDeloitte TOM’S GR Supra 37号車の笹原右京(左)とジュリアーノ・アレジ(右)、監督のミハエル・クルム(中央) |
2位に入り、2戦連続表彰台を獲得した石浦宏明/大湯都史樹組 KeePer CERUMO GR Supra 38号車 |
4位でフィニッシュしランキング首位を守った坪井翔/山下健太組 au TOM’S GR Supra 36号車 |
第6戦 リザルト GT500クラス
第3戦 リザルト GT300クラス
ドライバーズポイント(GT500)
チームポイント(GT500)
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