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SABICの樹脂を採用したフォード社のバッテリーパックとシトロエン社のリアクォーターウィンドウが、今年度最優秀自動車プラスチックイノベーション賞の最終候補に選出【SABIC】

2012年11月7日

ABICのイノベーティブプラスチックス事業は、フォード・モーター・カンパニー(以下フォード社)とPSAプジョー・シトロエングループ(以下シトロエン社)が、それぞれSABICの熱可塑性樹脂を革新的な自動車用途に採用し、米国プラスチック技術者協会(Society of Plastics Engineers:SPE®)主催の第42回SPEオートモーティブ・イノベーション・アワード・コンペティションにおいて自動車部門最優秀イノベーション賞の最終候補に選出されていることを明らかにした。1つ目の候補はフォード・フォーカス・エレクトリックに採用された高電圧バッテリーパックで、このバッテリーパックはSABICのNORYL? GFN樹脂を用いることで軽量化が図られており、電気自動車の走行距離を延長すると共にバッテリー容量の増加に貢献している。2つ目の候補はシトロエンDS5ハッチバックのリアクォーターウィンドウの樹脂ガラスである。この樹脂ガラスはLEXANTMGLXポリカーボネート(PC)樹脂が用いられており、先進的な3Dデザインを可能にしている上、従来のガラス材と比べ20%の重量軽減を実現している。NORYL GFNとLEXAN GLX樹脂は、自動車業界のお客様に対し、車両重量の削減、燃費向上、電気自動車技術の促進、世界に通用するデザイン自由度を提供するSABICの継続的なコミットメントを表す好例である。

イノベーティブプラスチックスの自動車部門マーケティング部長のV. ウママヘシュワランは「世界で最も革新的な自動車のプラスチックソリューションに当社の材料が採用されているのは大変光栄なことです。最終候補に挙げられているお客様のアプリケーションを改めて見ても、当社が取り組んでいるイノベーションがどれだけ高いレベルにあるかを確認できます。最終候補に選出された2社の製品は、自動車メーカーが消費者の好みやビジネス要求を先取りできる大幅な設計自由度を提供しながら、車体重量の軽量化にも大きく貢献することを示しています。」とコメントする。

フォード・フォーカス・エレクトリックのバッテリーパックはSPEコンペティションの「パワートレイン部門」の最終受賞候補であり、シトロエン社のリアクォーターウィンドウは「外板部門」の最終受賞候補である。同賞は11月7日に米ミシガン州リボニアのSPEオートモーティブ・イノベーション・アウォーズ授賞パーティで授与される。

ABICの熱可塑性樹脂が自動車のイノベーションを実現

米国で最も燃費性能の高い5人乗り乗用車として宣伝されている全電気式のフォード社のフォーカスは、高電圧EVバッテリーパックを用いることで走行距離を76マイル(約122km)にまで伸ばし、燃費換算(MPGe)は105マイル/ガロン、そして充電時間の短縮を達成している。フォード社は、SABICのNORYL GFN樹脂が薄肉成形可能でバッテリーセルの搭載スペースを拡張できることから、同樹脂をバッテリーのハウジングに採用した。薄肉設計とNORYL樹脂の低比重との組み合わせによって15%軽量化を達成している。この変性ポリフェニレンエーテル(MPPE)樹脂は優れた寸法安定性を持ち、過酷な環境下でも物性を保持する。

シトロエンDS5の洗練されたデザインは、なだらかにカーブしたリアクォーターウィンドウによって強調され、ウィンドウはエアロダイナミック・スポイラーとルーフピラーを滑らかに一体化している。LEXAN GLX樹脂はガラス材では実現不可能な3D設計を可能にし、リアクォーターウィンドウの全重量を1/5削減している。この樹脂ガラス部品は、商用化されたものでは最大のリアクォーターウィンドウとなり、残留応力を低減する射出-圧縮成形技術を使用した最初の樹脂リアウィンドウとなる。このウィンドウ部品はSABIC製品の高い透明性、耐候性、コーティング適合性によって実現したものである。

さらに4つのSPEオートモーティブ・イノベーション賞にノミネート
産業の進歩とSABIC樹脂の多目的性をアピール

最終候補に選出された2つの応用例に加え、SABICの樹脂は他にも4つの賞にノミネートされている。
●2013年式三菱アウトランダースポーツコンパクトSUVの樹脂フロントフェンダーは、SABICのNORYL GTX樹脂を用いた革新的な2個取り射出成形技術が評価を受けノミネートされている。左右の部品を同時に成形できることでサイクルタイムが半分になる。このフロントフェンダーの設計には歩行者保護を目的としたエネルギー吸収用のブラケットが組み込まれている。
●デルファイ社が手掛けた2013年式シボレーボルトのポータブルEVチャージャーには、SABICのVALOXTM樹脂が複数グレード使用され、高性能化と規格の準拠に寄与している。
●2012年式フィアットパンダのリアバンバービームは、初のプラスチック/スチールによるハイブリッド・バンパーシステムで、e-コーティング(電着塗装)が可能、使用材料はNORYL GTX樹脂である。このアプローチによって重量とコストが削減でき、金属単体のバンパービームよりもエネルギー吸収性に優れている。
●2013年式リンカーンMKZラグジュアリーセダンのコンソールカップホルダー内部ドアは、ナノタルクを充填したCYCOLOYTM樹脂が初めて用いられ、着色成形による内装用途に採用された。このSABIC製品は、ナチュラルのアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)やPC/ABSと比べて耐熱性に優れ、OEMから要望されている高温環境下における荷重-たわみ要件に適合する。

SABIC材料の自動車でのプラスチックイノベーション受賞は2009年に始まり、これまでに7社のSPEオートモーティブ・イノベーション・アワード受賞者を輩出した。その中には昨年念願がかなったホール・オブ・フェイム賞(初の全プラスチック一体化ドアモジュール、SuperPlug®)や総合的なグランド・アワード受賞(フォード社のエスケープSUVおよびクウガCUVインストルメント・パネル)などがある。これまでにSABICの樹脂を採用した11の用途が最終受賞候補になっている。

写真
左 : SABICのNORYLTM GFN樹脂で成形したフォード・フォーカス・エレクトリックの高電圧バッテリーパック
中央と右 : SABICのLEXANTM GLX樹脂で成形したシトロエンDS5ハッチバックのリアクォーターウィンドウ

SABICのイノベーティブプラスチックス事業は、フォード・モーター・カンパニー(以下フォード社)とPSAプジョー・シトロエングループ(以下シトロエン社)が、それぞれSABICの熱可塑性樹脂を革新的な自動車用途に採用し、米国プラスチック技術者協会(Society of Plastics Engineers:SPE®)主催の第42回SPEオートモーティブ・イノベーション・アワード・コンペティションにおいて自動車部門最優秀イノベーションの最終候補に選出されていることを明らかにした。1つ目の候補はフォード・フォーカス・エレクトリックに採用された高電圧バッテリーパックで、このバッテリーパックはSABICのNORYLTM GFN樹脂を用いることで軽量化が図られており、電気自動車の走行距離を延長すると共にバッテリー容量の増加に貢献している。2つ目の候補はシトロエンDS5ハッチバックのリアクォーターウィンドウの樹脂ガラスである。この樹脂ガラスはLEXANTM GLXポリカーボネート(PC)樹脂が用いられており、先進的な3Dデザインを可能にしている上、従来のガラス材と比べ20%の重量軽減を実現している。

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