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第7世代「低フリクション円すいころ軸受」を開発【日本精工】

2024年3月28日

  

第7世代「低フリクション円すいころ軸受」を開発
~ICE、HEV、PHEV、EV、すべてのモビリティの燃費・電費向上に貢献~

  

・ころ数の最適化により、転がり摩擦を低減

・全回転域で平均20%の低フリクションを実現、自動車の全車速域での燃費・電費向上に貢献

・既存の低フリクション円すいころ軸受にも「ころ数の最適化」を適用、2030年に売上高150億円を目指す

 日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長・CEO 市井 明俊、以下NSK)は第7世代「低フリクション円すいころ軸受」を開発しました。本開発品は、全回転域で平均20%の低フリクションを実現し、燃費・電費向上を通じた航続距離延長に貢献します。NSKは、本開発品の売上として、2030年に150億円を目指します。


本開発品

  

開発の背景

 円すいころ軸受は、タイヤ側の低回転高荷重環境で使用されることが多くあります。そのため、円すいころ軸受のフリクションを低減することで、パワートレインユニットの効率向上に貢献することができます。


トランスミッションとeAxleにおける円すいころ軸受の配置

 NSKは、1980年頃から様々な手法で円すいころ軸受の低フリクションを実現してきました。近年では、脱炭素社会を目指した自動車の電動化が急激に進むなかで、低フリクションに対するニーズが高まっています。また、2017年に国際的な燃費の測定方法であるWLTCモード*1が日本にも導入され、更なる燃費の向上が求められるようになりました。そのため円すいころ軸受にも、全回転域において低フリクションが要求されています。

 *1 WLTCモード:2017年に国土交通省が国内で導入を開始した、国際的な燃費の測定方法。従来の燃費値表示(JC08モード)では低~高車速全体平均で測定するが、WLTCモードでは、市街地・郊外・高速道路、といった各車速ごとにも測定。

  

製品の特長

1) ころ数を最適化することで、転がり摩擦を低減し、全回転域において平均20%低フリクション化(従来比)を実現。


軸受の転がり摩擦

従来品と本開発品の軸受フリクション

2) 現有設備で生産可能な仕様であり、今後速やかに顧客に提案し、早期の市場投入を図る。
3) 今回実現した「ころ数の最適化」は、既存の低フリクション円すいころ軸受にも適用可能。

  

製品の技術

1) 円すいころ軸受の寿命優位性に着目し、ころ数を最適化
 円すいころ軸受は、異物に対する耐久性が高く、寿命の優位性があることが分かっており、改めて検証を実施した結果、円すいころ軸受は、計算上の寿命に対して実寿命が長いことの裏付けに成功しました。


2) ころ数の最適化に伴う課題を解決
 NSKが、長年培ってきた特殊クラウニング技術や希薄潤滑環境向け保持器等の知見を結集し、ころ数の最適化により発生する、ころ端部での過大面圧や焼き付きといった課題を解決しました。

  

NSKについて

 NSKは、1916年に日本で最初の軸受(ベアリング)を生産して以来、100年以上にわたり軸受や自動車部品、精機製品などのさまざまな革新的な製品・技術を生み出し、世界の産業の発展を支えてきました。1960年代初頭から海外に進出し、現在では約30ヶ国に拠点を設け、軸受の分野で世界第3位、またボールねじ、電動パワーステアリングなどにおいても世界をリードしています。

 企業理念として、MOTION & CONTROL™を通じて円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全をめざすとともに、グローバルな活動によって、国を越えた人と人の結びつきを強めることを掲げています。2026年に向けてNSKビジョン2026「あたらしい動きをつくる。」を掲げ、世の中の期待に応える価値を協創し、社会への貢献と企業の発展の両立を目指していきます。

  

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