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スズキ財団 2023年度の助成について
2024年2月16日
スズキ財団 2023年度の助成について
公益財団法人スズキ財団は2月16日、全国の大学等研究機関から応募のあった助成申請に対して、2023年度の科学技術研究助成として、55件、1億1,183万円の助成を決定しました。
その他の助成を含めると、本年度の助成件数は116件、総額1億8,066万円となります。
2023年度 助成の内容 | 件数 | 助成額 | |
---|---|---|---|
(1)科学技術研究助成 | 一般 | 33件 | 8,983万円 |
若手 | 22件 | 2,200万円 | |
科学技術研究助成 小計 | 55件 | 1億1,183万円 | |
(2)課題提案型研究助成 | 4件 | 3,880万円 | |
(3)研究成果普及助成 | 11件 | 410万円 | |
(4)研究者海外研修助成 | 42件 | 1,164万円 | |
(5)外国人の研究・研修助成 | 4件 | 1,429万円 | |
助成件数・総額 | 116件 | 1億8,066万円 |
研究助成
(1)科学技術研究助成について
本年度の科学技術研究助成は、①生産関連技術、②環境・資源エネルギー関連技術、③計測・制御・解析関連技術、④材料関連技術、⑤電気・電子・情報関連技術、⑥人間工学・医療関連技術、⑦ロボット関連技術、⑧リサイクル関連技術の8つの研究分野を対象に公募し、一般33件、35歳以下若手22件、計55件の研究テーマへの助成を決定しました。
いずれも独創的、先進的な研究開発テーマで、総額1億1,183万円を助成します。
(2)課題提案型研究助成について
同財団では、自然科学分野の基礎的・独創的な研究に対する助成に加えて、2003年度より、時代が要請し、かつ可及的速やかに解決が求められる問題等につきテーマを設定して応募を募る「課題提案型研究助成」も実施しています。研究期間は2年間で、過去21年間に49件の研究助成を行いました。
1)革新的ハニカム多孔体による低コスト・高効率パッシブ冷却装置開発
2)燃料電池自動車の普及を加速させる高活性及び高耐久性を有する酸素還元電極触媒の創出
3)ハイブリッドパワートレインシステムの諸元探索方法の開発と軽自動車への応用
4)無水高温型PEMを有効活用するための燃料電池構造・全体システムの開発
本年度は、本年度決定の4件と昨年度の継続研究4件をあわせ、総額3,880万円を助成しました。
(3)研究成果普及助成について
同財団では、研究成果を普及させ、研究の更なる充実・発展を図るため国内外で行われるシンポジウム・フォーラム等の開催に対して会場費用等を助成しています。本年度は、11件、410万円を助成しました。
(4)研究者海外研修助成について
同財団では、研究者の海外学会等への渡航・宿泊費を助成しています。本年度は、42件、1,164万円を助成しました。
(5)外国人の研究・研修助成について
同財団では、ハンガリー、インドからの研究者の招聘を行っています。本年度は、ハンガリーのブタペスト工科経済大学から1名、インド工科大学ハイデラバード校から1名、マドラス校から1名、デリー校から1名の計4名の研究者の招聘を行い、総額1,429万円の助成となる予定です。
スズキ財団の概要
スズキ財団は、スズキ株式会社が創立60周年の記念事業として基金を寄託し、1980年3月に設立したものです。2011年4月1日、新しい公益法人制度に則り公益財団法人となりました。
研究助成は本年で44回目となります。
財団名 | 公益財団法人スズキ財団 |
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理事長 | 鈴木 俊宏(スズキ株式会社 代表取締役社長) | |
所在地 | 東京都港区東新橋二丁目2番8号 | |
TEL | 03-3431-2255 | |
FAX | 03-3431-3558 | |
助成総件数 | 2,152件 | |
累計助成総額 | 27億5,633万円 | |
資産総額 | 111億1,193万円(2023年3月末現在) | |
目的 | 小型自動車をはじめとする、国民生活における利便の増進に資する機械等の生産及び利用、消費に係わる科学的研究の助成とその成果の普及を通じて、日本の機械工業の総合的な発展と国民福祉の増進に寄与することを目的としています。 |
2023年度 科学技術研究助成(一般) (2024年2月16日助成決定者)
No. | 研究課題 | 機関名 | 役職 | 研究期間(年) | 専門分野 | 研究分野 | |
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1 | メカニカルクリンチ接合の高強度化に関する研究開発 | 豊橋技術科学大学 | 准教授 | 1 | 塑性加工学 | ①生産関連技術 | |
2 | 多機能磁性カプセル冷媒による自励駆動冷却装置の開発 | 中央大学 | 准教授 | 1 | 熱流体工学 | ②環境・資源エネルギー関連技術 | |
3 | 生物模倣による表面張力駆動ヒートパイプの開発 | 名古屋工業大学 | 准教授 | 1 | 材料工学、高分子物理化学、界面科学 | ②環境・資源エネルギー関連技術 | |
4 | 電気自動車普及のための全固体金属空気電池の創出 | 筑波大学 | 准教授 | 2 | 電気化学 | ②環境・資源エネルギー関連技術 | |
5 | 全固体リチウム電池用固体電解質その場形成負極の生成機構の解明 | 九州大学 | 助教 | 1 | 固体電気化学 | ④材料関連技術 | |
6 | 電気自動車向け走行中ワイヤレス給電システムの高伝送電力密度化 | 東京都立大学 | 助教 | 1 | パワーエレクトロニクス | ⑤電気・電子・情報関連技術 | |
7 | 人間の足裏への鉛直・水平床反力再現システムの開発 | 早稲田大学 | 研究院講師 | 1 | ロボティクス | ⑦ロボット関連技術 | |
8 | 指紋修復機能とヒトの触感情報処理を有する質感センサ | 東京都立大学 | 准教授 | 1 | ハプティクス | ③計測・制御・解析関連技術 | |
9 | パルス状電磁波を用いた非白金酸素還元触媒改質プロセスの創出 | 北海道大学 | 准教授 | 1 | 反応工学分野 | ①生産関連技術 | |
10 | 水素エンジン摺動部材への水素吸蔵が摩擦摩耗特性に及ぼす影響の解明 | 東京都市大学 | 准教授 | 2 | 生産加工学、材料学 | ②環境・資源エネルギー関連技術 | |
11 | 準安定ω相に誘起されたラメラ組織の階層化による強靱化二相チタン合金の開発 | 熊本大学 | 教授 | 1 | チタン合金、マグネシウム合金、セラミックス、電子顕微鏡学、回折結晶学 | ④材料関連技術 | |
12 | 水素内燃機関のLSPI克服に向けたオイルリング上面の油膜流動メカニズムの研究 | 早稲田大学 | 講師 | 1 | 熱工学、トライボロジー、設計工学 | ②環境・資源エネルギー関連技術 | |
13 | リチウムイオンバッテリーリサイクルを目指した超音波振動による付着微粉体の剥離 | 日本大学 | 教授 | 1 | 粉体工学、混相流工学 | ⑧自動車のリサイクル技術の高度化 | |
14 | 次世代モビリティ社会の実現に向けた重縮合硫黄ポリマープラットフォームの構築 | 大阪大学 | 助教 | 1 | 高分子・超分子 | ④材料関連技術 | |
15 | 実路走行計測データに基づく交通流シミュレータ用排出ガスモデルの構築 | 東京工業大学 | 准教授 | 1 | 車載排出ガス計測、排気後処理システム、ディーゼル燃焼、ガソリン燃焼、HCCI燃焼 | ③計測・制御・解析関連技術 | |
16 | 時間応答問題に対するバイメタル複合構造体の分布系形状最適設計手法の開発 | 公立小松大学 | 准教授 | 1 | 設計工学 | ③計測・制御・解析関連技術 | |
17 | 有限要素解析による小型自動車部材の腐食疲労寿命予測 | 東京大学 | 講師 | 1 | 材料信頼性 | ④材料関連技術 | |
18 | 複合ピーニングによる金属製機械材料の表面特性の向上 | 東北大学 | 教授 | 1 | 機械工学 | ④材料関連技術 | |
19 | ガス透過性多孔質金型で切り開く汎用射出成形装置を活用するプラスチック表面微細ナノ加工生産技術 | 富山県立大学 | 教授 | 1 | 微細加工、射出成形、ナノインプリント、多孔質材料、レジスト | ①生産関連技術 | |
20 | 運動学的冗長性を追加したロボット切削加工システムの高速高精度な軌跡生成法 | 東京工業大学 | 助教 | 1 | 加工学、生産工学、ロボット工学 | ①生産関連技術 | |
21 | 局所的な振動特性計測に基づく自動車タイヤの高周波帯域固有振動の実験推定 | 滋賀県立大学 | 講師 | 1 | 機械力学・振動工学 | ③計測・制御・解析関連技術 | |
22 | 太陽光水素生成用中間バンド型光電極における物性・界面制御と応用 | 佐賀大学 | 教授 | 1 | 半導体電子工学 | ⑤電気・電子・情報関連技術 | |
23 | ナノコロイドインクが拓く光積層造形:多元素化とマルチマテリアル化 | 広島大学 | 特定准教授 | 1 | 無機材料化学、ナノ材料科学 | ④材料関連技術 | |
24 | 金属材料における軟化・強化しない極低温接合技術の開発とそれらのメカニズムの解明 | 広島大学 | 助教 | 2 | 金属材料、塑性変形、微細組織、固相接合 | ④材料関連技術 | |
25 | オペランド表面X線分析による二酸化炭素還元触媒の活性因子決定と最適化 | 慶應義塾大学 | 助教 | 1 | 表面界面化学、放射光科学、触媒化学、電気化学 | ③計測・制御・解析関連技術 | |
26 | 潤滑油の閉じ込め挙動に関する研究 | 九州工業大学 | 助教 | 1 | トライボロジー | ③計測・制御・解析関連技術 | |
27 | ナノカーボン材料を用いたセンサ一体型マルチモーダル物理リザバーの作製と評価 | 京都大学 | 准教授 | 2 | 熱工学、電子工学 | ⑤電気・電子・情報関連技術 | |
28 | 複雑内側形状計測に向けた2重周期回折格子による3次元空間座標基準計測 | 東京大学 | 准教授 | 1 | 精密計測学 | ③計測・制御・解析関連技術 | |
29 | リチウム酸素電池の充放電サイクルの高精度シミュレーションの構築 | 東京電機大学 | 教授 | 1 | 電気化学、計算化学 | ②環境・資源エネルギー関連技術 | |
30 | 金属ナノ粒子触媒の表面構造と電位分布:電子顕微鏡による実測 | 九州大学 | 主幹教授 | 1 | 電子顕微鏡学、材料科学 | ③計測・制御・解析関連技術 | |
31 | ロゴアンテナの設計手法確立と自動最適化に関する研究 | 電気通信大学 | 准教授 | 1 | 生体電磁工学 | ③計測・制御・解析関連技術 | |
32 | SiC-BGSITカスコード素子を用いた高電力効率・高信頼性電力変換器の研究開発 | 山梨大学 | 教授 | 1 | 半導体工学 | ⑤電気・電子・情報関連技術 | |
33 | 宇宙機近接運用における光度曲線を用いた相対軌道・姿勢推定手法の構築 | 九州大学 | 助教 | 1 | 航空宇宙工学、制御工学 | ③計測・制御・解析関連技術 |
2023年度 科学技術研究助成(若手) (2024年2月16日助成決定者)
No. | 研究課題 | 機関名 | 役職 | 研究期間(年) | 専門分野 | 研究分野 | |
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1 | 高分子材料のケミカルリサイクルを志向した新規熱分解シミュレーションの構築 | 名古屋大学 | 日本学術振興会特別研究員PD | 1 | 高分子系材料の劣化・分解の科学 | ③計測・制御・解析関連技術 | |
2 | オイルフィルム内部流動の3次元可視化に基づく高精度壁面摩擦力分布計測技術の開発 | 東京理科大学 | 嘱託助教 | 1 | 流体工学 | ③計測・制御・解析関連技術 | |
3 | ナノシート状金属チオラートをフィラーとした樹脂複合材料の高機能化 | 名古屋工業大学 | 助教 | 1 | 高分子材料、有機材料化学、トライボロジー | ④材料関連技術 | |
4 | 水素による鉄鋼の高強度・高延性化利用に向けた合金元素・加工熱処理戦略 | 国立研究開発法人 物質・材料研究機構 | 研究員 | 1 | 材料強度学、鉄鋼材料、水素脆化、金属疲労 | ④材料関連技術 | |
5 | 非破壊検査X線3D表示における複合現実(Mixed Reality)の活用 | 静岡大学 | 特任助教 | 1 | 光医工学、xRによる不可視3D情報処理 | ③計測・制御・解析関連技術 | |
6 | 燃料アンモニアの燃焼特性改善に向けたデトネーション燃焼実証 | 静岡大学 | 准教授 | 1 | 航空宇宙工学 | ②環境・資源エネルギー関連技術 | |
7 | 金属ナノ構造を利用した革新的ポリマー固相成膜法の開発 | 東北大学 | 助教 | 1 | 材料加工学、電磁流体力学 | ④材料関連技術 | |
8 | 大規模宇宙輸送のための時間変動を付加した磁気ノズルプラズマ推進機の実証と性能評価 | 東京大学 | 助教 | 1 | 航空宇宙工学、プラズマ応用科学、宇宙推進工学 | ⑤電気・電子・情報関連技術 | |
9 | 三相モータ駆動システムにおける入出力コモンモードノイズキャンセル技術の開発 | 秋田大学 | 講師 | 1 | パワーエレクトロニクス | ⑤電気・電子・情報関連技術 | |
10 | 細胞イメージング操作の完全自動化を目指した全自動マイクロマニピュレータの開発 | 宇都宮大学 | 助教 | 1 | 自動化、知能ロボット、柔軟物モデリング | ⑦ロボット関連技術 | |
11 | 非対称型ランダム振動を受ける振動エナジーハーベスタの出力電力解析技術の開発 | 東京工業大学 | 助教 | 1 | 機械力学、不規則振動、確率力学 | ③計測・制御・解析関連技術 | |
12 | センサフュージョンによる簡易的疲労推定システムの構築 | 苫小牧工業高等専門学校 | 准教授 | 1 | バイオメカニクス・ロボティクス | ⑥人間工学・医療関連技術 | |
13 | がん検査用PET装置の解像度向上に向けた高速応答計測材料の開発 | 奈良先端科学技術大学院大学 | 特任准教授 | 1 | 放射線計測、蛍光体、結晶成長 | ③計測・制御・解析関連技術 | |
14 | 自然で安全なヒトとの触覚インタラクションを実現するタッチロボットシステムの開発 | 神戸大学 | 助教 | 1 | ハプティクス | ⑦ロボット関連技術 | |
15 | 気相燃焼反応を用いた酸化スズ系熱線遮へい材料の開発 | 広島大学 | 助教 | 1 | 化学工学、微粒子工学 | ④材料関連技術 | |
16 | チップスケール多波長発光素子に向けたInGaN系マイクロ構造の設計モデル構築 | 京都大学 | 特定助教 | 1 | オプトエレクトロニクス | ⑤電気・電子・情報関連技術 | |
17 | 電磁誘導試験を用いた炭素繊維強化プラスチックの吸湿率測定原理の解明 | 京都大学 | 助教 | 1 | 固体力学 | ③計測・制御・解析関連技術 | |
18 | 三次元の「モノの動き」の予測モデルの開発とロボティクス応用 | 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 | 研究員 | 1 | 知能ロボット、ロボットマニピュレーション、マシンビジョン | ⑦ロボット関連技術 | |
19 | 車体軽量化を実現する異種材料分子接着高分子の開発 | 大阪大学 | 特任助教 | 1 | 高分子物理、界面科学 | ④材料関連技術 | |
20 | バイオマス/プラスチック複合材料の燃焼挙動予測モデルの開発 | 豊橋技術科学大学 | 助教 | 1 | 燃焼工学、火災科学 | ④材料関連技術 | |
21 | 免荷型空気式パワーアシスト装置を用いた歩行リハビリ支援システムの開発と身体負担メカニズムの解明 | 岡山理科大学 | 助教 | 1 | ロボティクス・メカトロニクス | ⑥人間工学・医療関連技術 | |
22 | 広帯域・全方位深部撮像が可能な自己放射・自走式のカーボンナノチューブ膜型ミリ波-赤外光内視鏡の創出 | 中央大学 | 助教 | 1 | ナノカーボン材料、光熱起電力効果、広帯域電磁波・光計測、フレキシブル・ストレッチャブルエレクトロニクス、非破壊検査技術 | ④材料関連技術 |
2023年度 課題提案型研究助成 (2023年6月9日に決定済み)
No. | 研究課題 | 機関名 | 役職 | 研究期間(年) | 専門分野 | 研究分野 | |
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1 | 革新的ハニカム多孔体による低コスト・高効率パッシブ冷却技術開発 | 九州大学 | 教授 | 2 | 熱流体工学 | ②環境・資源エネルギー関連技術 | |
2 | 燃料電池自動車の普及を加速させる高活性及び高耐久性を有する酸素還元電極触媒の創出 | 東京理科大学 | 教授 | 2 | ナノ物質化学・物理化学・材料化学・触媒化学 | ②環境・資源エネルギー関連技術 | |
3 | ハイブリッドパワートレインシステムの諸元探索手法の開発と軽自動車への応用 | 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 | 主任研究員 | 2 | 熱工学、内燃機関工学、自動車工学 | ②環境・資源エネルギー関連技術 | |
4 | 無水高温型PEMを有効活用するための燃料電池構造・全体システムの開発 | 北海道大学 | 教授 | 2 | 伝熱工学、エネルギー変換工学 | ②環境・資源エネルギー関連技術 |
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