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Vicorの電源モジュールを採用したライトニング・モーターサイクル社、電動オートバイレースの記録を更新
2023年9月21日
Vicorの電源モジュールを採用したライトニング・モーターサイクル社、
電動オートバイレースの記録を更新
モジュールで構成する軽量な電源システムで世界トップクラスの電動オートバイを実現
時速215マイルを超える電動オートバイの陸上最速記録を持つライトニング・モーターサイクル社が、 世界最大の塩の平原、ボリビアのウユニ塩湖でレースに挑みます。 |
Vicor Corporation(本社:米国マサチューセッツ州、CEO: Patrizio Vinciarelli、NASDAQ上場:VICR、以下:Vicor)は、ライトニング・モーターサイクル社(本社:米国カリフォルニア州、)が、同社の電動オートバイに、Vicorの電源モジュールを採用したと発表しました。
「電動オートバイに初めて乗った時、これはビジネスになると確信しました。振動も騒音も熱もなく、無限のトルクを感じる―まるで魔法のようでした。」
自らの体験をこう語ったのは、ライトニング・モーターサイクル社の創業者でありCEOのリチャード・ハットフィールド氏です。現在同社の電動オートバイは、時速215マイルを超える陸上最速記録を保持しています。ライトニング・モーターサイクル社は、カリフォルニア州サンカルロスで2007年に設立されました。その場所は、電気自動車のパイオニアであるテスラから、通り数本分しか離れておらず、当時の電気自動車の開発と協業の中心でした。
ライトニングが地上最速記録を更新
ハットフィールド氏は1990年代後半にポルシェのEV開発で経験を積みました。彼は長年オートバイに乗っていて、同じEVの技術を活かせるオートバイの開発に着目しました。 当初、リチウム電池は希少で高級品でしたが、2005年までには最初のリン酸鉄リチウム電池と、市販の産業用可変周波数ドライブインバーター、誘導モーターを調達することができました。
ハットフィールド氏は、初期のプロトタイプであるオリジナルの電動オートバイを開発した後、次のオートバイにテスラのモーターを使いました。ライトニング社の電動オートバイの誕生です。
「それをボンネビル・ソルトフラッツに持ち込み、35年間破られなかった最速記録を更新しました」と、ハットフィールド氏は語ります。「ボンネビルの記録はSCTA(南カリフォルニア・タイミング・アソシエーション)公認の時速215.962マイルで、現在も破られていません。エル・ミラージュ乾湖でも時速211.7マイルの記録を出しました。その後、AMA(アメリカン・モーターサイクリスト・アソシエーション)のゼロエミッション・ロードレース・シリーズに参戦し、北米チャンピオンを勝ち取りました」。
その後まもなく、ハットフィールド氏はライトニング社初の市販オートバイLS-218を生産しました。 2013年には、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムで、レース・トゥ・ザ・クラウドのオープンクラスを走りました。ハットフィールド氏の電動オートバイLS-218はコース全体でリードし、最速のガソリンオートバイに20秒以上の差をつけて優勝しました。
オートバイのすばらしい性能で実績を積み、次に取り組んだ課題は航続距離と充電時間でした。ライトニング社の最新バッテリーパックは、一般的なグラファイトアノードをシリコンアノードに置き換えたもので、300Wh/kgものエネルギー密度を実現しています。ハットフィールド氏によれば、これはほとんどのEVメーカーのバッテリーより高い値です。現在ライトニング社のトップグレードのオートバイは航続距離が170マイル以上であり、10分間で80%の充電が可能です。 |
電動オートバイは1回の充電で、時速70マイルで100マイルを走れることが最低条件です。 現在のライトニング社の電動オートバイは、1回の充電で170マイル以上走行可能で、10分間で80%まで充電できます。 |
最高の性能を簡単に実現する電源モジュール
ライトニング社のオートバイの技術が進むにつれ、搭載する電子機器は、重量を増やさずに電力を増やす必要がでてきました。車体が極めて小さく軽いなかで電気的ノイズに対処することは、常に大きな課題です。ライトニング社は全車種にVicorの DCM電源モジュールを採用し、12V制御の電子機器、照明システム、計器類、センサーに電力を供給しています。ハットフィールド氏は、Vicorの DCMが、高い信頼性、低ノイズ、高い電力密度、優れた放熱性能を持つことから、採用を決めました。
ライトニング社は電力密度が高く、軽量で、極めてコスト効率の高いソリューションである、Vicor のDCM4623 DC-DCコンバータを使用しています。
電源システムの課題を解決
初期の課題の1つは、非常に高い過渡電圧ステップ(V/µs)に対応するときの、バッテリーとDCMの安全、確実な接続でした。 アクチュエータやモーターなどの負荷にバッテリーを接続するための機械式リレーもあったため、ノイズによってDC-DCコンバータやその他の電子機器がダメージを受ける可能性がありました。これに対処するため、Vicorは「プリチャージ」回路と入力フィルタを組み込み、オン・オフ時の安定した動作を可能にしました。ライトニング社の電源システム設計の進化に合わせて、Vicorはサポートで貢献しました。
ライトニング社の今後
ハットフィールド氏は今年、南カリフォルニアのエル・ミラージュ乾湖に再び赴き、チームが自己記録を更新できるかを見届ける予定です。ライトニング社はまた、FIM(国際モーターサイクリズム連盟)から招待を受け、ボリビアのウユニ塩湖で走ります。ウユニ塩湖は世界最大の塩の平原で、標高12,000フィート、面積は約4,000平方マイルにも及びます。この世界最高峰の陸上スピードイベントには、現時点で世界のエリート15チームが招待されています。
ハットフィールド氏にとって記録は重要ですが、電動オートバイに乗ることそのものが、感動があり最も気に入っていることです。
「それは、より進化した感覚です。変速機が不要でシフトチェンジは必要なく、パワーバンド全域でトルクが尽きることがありません。お客様からもよくそう言われます。長年オートバイに乗り続けている人ばかりですが、ライトニングを体験してからは、ガソリンのオートバイにはあまり乗らなくなったと言われます。」
■ Vicorウェブサイトからもプレスリリースをご覧いただけます。
https://www.vicorpower.com/ja-jp/press-room/lightning-motorcycles-accelerates-into-ev-racing
■ ケーススタディ「ライトニング・モーターサイクル社、電動オートバイレースの記録を更新」 にて詳しく解説しています。 (Vicorウェブサイト)
https://www.vicorpower.com/ja-jp/resource-library/case-studies/knightscope
Vicor Corporationについて
Vicorは、高性能のモジュール型電源コンポーネントの設計、製造、販売を行う米国(本社:マサチューセッツ州アンドーバー)の電源専業メーカーです。HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)、オートモーティブ、通信ネットワーク、産業機器、ロボティクス、鉄道、航空防衛アプリケーションなど、さまざまな産業分野で製品を供給しています。
日本法人のVicor株式会社(Vicor KK)は2017年に設立され、電源コンポーネントの販売・技術サポートを行っています。
詳しくは、Vicorウェブサイト: www.vicorpower.com/ja-jp をご参照ください。
Vicorは、Vicor Corporationの登録商標です。
ライトニング・モータサイクル社について
ライトニング・モーターサイクル社は、世界で最も高性能かつ先進的な電動オートバイを製造しており、現行のガソリンオートバイより高い効率と性能、手頃な価格の、世界トップクラスの二輪電動車を作ることをミッションとしています。
ライトニング・モーターサイクル社は、18年にわたる設計、エンジニアリング、研究開発の専門知識を持つ、電動オートバイ技術のリーディングカンパニーです。その技術は、長年にわたる厳しい検査、競争、お客様の試乗を通して実証されています。
www.lightningmotorcycle.com
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