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東レ独自のテクノロジー・ブランド “NANOALLOY®”/“ナノアロイ®” の展開について【東レ】
2012年10月9日
東レ㈱(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣)は、このたび、当社独自の革新的微細構造制御技術“NANOALLOY®”(“ナノアロイ®”)について、ブランドロゴマークを新たに設定し、テクノロジー・ブランド*1として本格的に訴求していくことを決定しました。
具体的な展開として、ブランドロゴマークを使った広告展開、顧客企業へのブランド貸与による“ナノアロイ®”技術を使用した製品へのブランドロゴマーク表示、ウェブサイトによる情報発信 などを通じ、当社顧客企業だけでなく広く産業界、一般消費者の方々へも定着を図ります。
“ナノアロイ®”とは、10億分の1を表す接頭語の「ナノ」と、本来は「合金」を意味する「アロイ」の造語です。“ナノアロイ®”技術とは、「ナノメートルオーダー(1mの10億分の1に相当する大きさ)」で複数のポリマー(樹脂成分などの高分子)をアロイ(混合)する特殊な技術で、既に様々な製品で活用されており、今後も幅広い分野への展開を見込んでいます。
一般的な「ミクロンオーダー(1mの100万分の1に相当する大きさ)」のアロイでは、混合する前の各ポリマー固有の特性を十分に活かせないという課題がありました。当社独自の“ナノアロイ®”技術は、その課題を解決して高分子材料の高性能化・高機能化を可能にする、当社が基本特許ならびに主要な製造特許、用途特許を保有している革新的技術です。代表例として、強度と柔軟性を両立した炭素繊維複合材料や、急激に衝撃を加えたときにゴムのように変形して衝撃を吸収するナイロン樹脂などがあります。
当社は“ナノアロイ®”のパイオニアとして2001年に技術開発、2007年に商標登録を行いました。これまで当社の技術名称として一定の広まりは見られましたが、このたび、新たにデザインしたブランドロゴマークを活用し、当社の技術力を駆使した先端材料・技術の使用をアピールすることによって、各種最終製品の高品質性・高価値の保証が可能となる、テクノロジー・ブランドとしての確立を目指します。
ブランドロゴマーク
東レは創業以来、「有機合成化学」「高分子化学」「バイオテクノロジー」の3つのコア技術とともに発展してまいりました。そして近年「ナノテクノロジー」をコア技術に加え、成長市場に向けて事業拡大を図っています。今後は、この“ナノアロイ®”を当社の高い技術力を象徴するテクノロジー・ブランドのひとつとして積極的に発信し、新しい先端材料・ソリューションの提案を加速して参ります。
*1 : 特許などで守られた独自技術をブランドで「見える化」し、技術力の高い企業イメージの向上や、技術を適用した商品の差別化を図り、間接的に事業収益に貢献させる事業ソースとして活用するブランド。
“ナノアロイ®”テクノロジーの定義
複数のポリマーをナノメートルオーダーで混合したポリマーアロイ構造を形成させる技術。
ポリマーアロイ構造としては、
① ナノメートルオーダーで微分散させる構造
② ポリマーを混合する際に、自発的に集合していく「自己組織化」作用を制御することでポリマーをナノオーダーで精密に整列させ3次元的な連続構造を形成させた構造
③ それぞれの材料特性を併せ持った数十ナノメートル単位の粒子「ナノミセル」を多数含む構造等がある。
尚、関連特許件数は、基本特許、主要な製造特許ならびに用途特許で100件超。
技術資料
ブランドロゴマークについて
ナノレベル(10-9)でポリマーを混合することによって、優れた特性を持った新素材を生み出す革新的な先進技術 “ナノアロイ®” テクノロジー。
ブランドロゴは小数点以下、8つの「0」と「1」を“NANOALLOY”という9つの文字に重ね合わせ9つのグリッド上に文字をレイアウトすることにより、「技術の精緻さ」を象徴しています。
ロゴと組み合わせて使用する斜めの連続したラインのサブグラフィックは、極限まで小さいナノレベルのテクノロジーから素材の無限の可能性を引き出し、未来を創造することを表現しています。
ウェブサイト
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