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米国Ample社とEVトラック向けバッテリー交換技術を実証【三菱ふそうトラック・バス】
2023年7月26日
米国Ample社とEVトラック向けバッテリー交換技術を実証
・トラック向けのバッテリー交換技術により、車両待機時間を大幅に短縮
・MFTBCのEVトラック「eCanter」新型モデルを使用
・走行実証を日本国内で今冬に実施
三菱ふそうトラック・バス株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長・CEO:カール・デッペン、以下 MFTBC)は、米国Ample Inc. (本社:カリフォルニア州サンフランシスコ、President:John de Souza、CEO: Khaled Hassounah、以下「Ample社」)と、日本国内におけるEV(電気)トラック向けバッテリー交換技術の共同実証に関する契約を締結しました。
2023年3月、MFTBCは電気小型トラック「eCanter」の新型モデルを発売し、99km~324km*1の航続距離によって、都市内輸送を中心に多くの引き合いをいただいています。今回の実証では、さらに将来を見据え、より長距離を走行する用途など、「eCanter」の活用の可能性拡大を探ります。
*1 国土交通省審査値
MFTBCとAmple社は、MFTBCの電動化ソリューションとAmple社のバッテリー交換技術を融合させるべく、実証を行います。初期の実証では「eCanter」新型モデルを使用します。Ample社のモジュールを装着した「eCanter」がAmple社のバッテリー交換ステーションに入庫すると、ロボットが自動でバッテリーを交換する仕組みです。バッテリーの交換時間は5分を目標にしています。この取り組みを通じて、お客様の反応、この技術の拡張性、日本における将来的な商業化の可能性を検討します。日本国内での試験車両の走行を今冬に実施する予定です。
【バッテリー交換技術のイメージ】
MFTBCは2017年に国内初の量産型電気小型トラックとして「eCanter」を導入して以来、eモビリティ分野の先頭を走ってきました。2023年3月には「eCanter」の新型モデルを発売し、2039年までに全製品をカーボンニュートラル化するという目標に向けた取り組みを続けています。Ample社との取り組みを通じて、「eCanter」を用いたサステナブルな輸送へのさらなる貢献を目指します。
Ample社は、既存の充電ソリューションよりも迅速かつ低コストなバッテリー交換ソリューションを開発し、ラストマイル配送、配車サービス、カーシェアリングの分野を中心にエネルギー供給サービスを提供してきました。特許に裏付けされたこのAmple社の技術によって、交換ステーションでの「eCanter」のバッテリーモジュールの交換は、最短5分で完了します。MFTBCとAmpleはこの技術を用いて、中距離輸送・ラストマイル配送におけるニーズに対応するソリューションの確立を目指します。
日本政府の2050年カーボンニュートラル目標やグリーン成長戦略における商用車の電動化目標設定など、輸送の分野でもカーボンニュートラルに向けた動きが加速しています。その手段であるEVトラックは、充電時間の長さによるダウンタイム(非稼働時間)の長さが課題の一つとされてきました。通常のEV小型トラックの日本国内での充電時間は、普通充電で10時間前後、急速充電で1~2時間程度を要します*2。今回の実証において、MFTBCとAmple社は、バッテリー自体を交換してEVトラックの稼働可能時間を大きく高めることで、この課題を解決するとともに、ひいては物流業界のEVシフトを後押しすることを目指します。
*2 充電時間は一例です。電池残量やトラックの仕様等の条件によって変動します。
Ample社のようなパートナーとの協業を通じて、MFTBCは「人と地球に、より良い生活と環境を実現するモビリティ・ソリューションを提供します」というビジョンを推進すべく、今後も革新的な製品・サービスの開発に取り組んでまいります。
【「eCanter」とAmple社のバッテリー交換ステーション】
Ample社について
Ample社は、電動車両とサステナブルな輸送エネルギーの導入をグローバル規模で促進することを目指しています。迅速なモジュール式バッテリー交換というエネルギー供給の新しい手法を生み出し、どのようなEVも10分以内に満充電とすることが可能です。サンフランシスコに本社を置き、2.7億ドルの資金を調達してきました。Ample社のモジュール式バッテリー交換技術は、TIME誌の2023年「最も影響力のある企業100社」に選出されました。また、Fast Company誌の「世界を変えるアイデア」や2022年の「世界で最も革新的な10の企業」にも選ばれています。
詳細はwww.ample.comをご覧ください。(英語のみ)
三菱ふそうトラック・バス株式会社について
三菱ふそうトラック・バス株式会社(MFTBC)は、ダイムラートラック社が89.29%、三菱グループ各社が10.71%の株式を保有し、川崎市に本社を置く商用車メーカーです。90年以上の歴史を持つFUSOブランドの、小型、中型、大型トラックやバス、産業用エンジンを含む製品を世界約170の市場向けに開発・製造・販売しています。2017年、初の量産型電気小型トラック「eCanter」を市場に導入し、2019年には、日本の商用車市場のベンチマークとなる、SAEレベル2相当の高度運転支援技術を搭載した大型トラック「Super Great」を商用車メーカーとして初めて日本に導入しました。MFTBCは、ダイムラー・インディア・コマーシャル・ビークルズ社(DICV)とともにダイムラー・トラック・アジアの一員として、製品開発、部品調達、生産などの分野で協力し、お客様に最高の価値を提供しています。
電気小型トラック「eCanter」について
今日の都市が抱える騒音や排出ガス、CO2低減の課題を解決する答えとして、MFTBCが2017年に発売した国内初の量産型電気小型トラックです。電動で駆動することで排出ガスが一切出ない「eCanter」は、従来のディーゼル車と比較して騒音や振動も少ないため、都市内輸送のほか深夜早朝での輸送に適しています。2017年の初代モデル発売後、2020年8月に安全装備を拡充した改良モデルを発売し、これまで日本をはじめ、欧州、米国、オーストラリア及びニュージーランドのお客様の下で活用されています。そして2023年3月にフルモデルチェンジした新型モデルを発売し、さらに多様なビジネスニーズへの対応が可能になりました。新型モデルは、さらに多くの海外市場での展開を予定しています。
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