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LPG船でのバイオ燃料実証実験を完了【日本郵船】
2023年3月6日
LPG船でのバイオ燃料実証実験を完了
船舶用バイオ燃料サプライチェーンの安全性の証明
アストモスエネルギー株式会社(以下「アストモス」)と日本郵船株式会社(以下「日本郵船」)は液化石油ガス(LPG)船「LYCASTE PEACE(リカステ ピース)」(保有:日本郵船、定期傭船:アストモス)にて、FAME B24(注1)のバイオ燃料をシンガポールで補油し、2月26日に試験航行を終えました。海運業界の脱炭素化を目指す在シンガポールNPO法人、Global Centre for Maritime Decarbonisation(以下「GCMD」)が主導する船舶用バイオ燃料のサプライチェーンの確立を目指すプロジェクトの一環として、この実証実験は実施されました。
今回の実証実験では、バイオ燃料の生産地から補油地のシンガポールまでの輸送、通常燃料との混合、混合燃料の管理を追跡することで、本件のサプライチェーンが追跡可能かつ安全であることを証明しました。試験航行で収集したエンジン出力、燃費などのデータをGCMDに提供しそのフィードバックを貰うことで、今後のバイオ燃料の航行に生かす取り組みも行っていきます。
バイオ燃料は、既存の船舶エンジンやインフラをそのまま活用することが可能です。さらに、燃焼した際に二酸化炭素(CO2)は発生しますが、廃食油等が原料となりカーボンニュートラルと見なされるため、脱炭素に向けて有力な次世代燃料の候補の一つとされています。
2022年7月末に初めて発表された本プロジェクトには、アストモスと日本郵船のほか、オイルメジャーや大手海運会社など19の業界パートナーが参加し、コンテナ船、タンカー、ばら積み船などの13隻の船舶が5つのサプライチェーンで補油を行いました。この試みは、バイオ燃料の上流から下流までのサプライチェーンの透明性を確立することで、より信頼できる燃料として広く採用されることを目指しています。また、燃料アンモニアといったバイオ燃料以外の次世代燃料のサプライチェーンの透明性確立を見越した取り組みでもあります。
今後も両社は、船舶用バイオ燃料などの次世代燃料サプライチェーンの透明性確立の取り組みに協力していきます。
(参考)
> https://www.gcformd.org/press-release-dropin-biofuel
> https://www.gcformd.org/post/gcmd-led-consortium-successfully-completes-trialling-two-supply-chains-of-sustainable-biofuels
「LYCASTE PEACE」概要
全長:230.00メートル
全幅:36.60 メートル
計画満載喫水:10.782 メートル
総トン数:46,021.00 トン
載貨重量トン数:49,999.00 トン
竣工年:2003年
造船所:三菱重工業株式会社
(注1)FAME B24: FAMEとは脂肪酸メチルエステル(Fatty Acid Methyl Ester)のことで、UCOME(Used Cooking Oil Methyl Ester)、PME(Palm Methyl Ester)、 RME(Rapeseed)、SME(Soybean)、TME(Tallow)など呼び分けがある。B24とは混合率24%のことであり、今回はFAME (UCOME)が24%含まれた燃料で試験航行をした。
各社概要
アストモスエネルギー株式会社
本社: 東京都千代田区
代表者:代表取締役社長 山中 光
ウェブサイト:http://www.astomos.jp/
日本郵船株式会社
本社: 東京都千代田区
代表者:代表取締役社長 長澤 仁志
ウェブサイト:https://www.nyk.com/
以上
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