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産業用小型電子制御ディーゼルエンジン「D1105-K」を開発【クボタ】
2022年9月21日
産業用小型電子制御ディーゼルエンジン「D1105-K」を開発
「D902-K」に続き、独自の燃焼方式TVCRを採用した小型電子制御エンジンのラインアップを拡充
株式会社クボタ（本社：大阪市浪速区、代表取締役社長：北尾裕一、以下「当社」）は、欧米や中国の最新の排出ガス規制にも対応する産業用小型電子制御ディーゼルエンジン「D1105-K」（排気量1.123L、以下「本エンジン」）を開発しました。
独自の燃焼方式TVCRの採用により燃費性能の向上と当社従来製品からの載せ替えに配慮したコンパクトサイズを両立し、CO2排出削減を可能とするエンジンのラインアップを拡充することで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。
記
産業用小型電子制御ディーゼルエンジン「D1105-K」 |
１．開発の背景とねらい
■ 当社は、世界各地の最新排出ガス規制への適合をはじめとした、世界の建設機械・産業機械メーカーからの多様なニーズに応え、100馬力以下の産業用ディーゼルエンジンでは世界トップシェア*1を維持しています。
■ 現在、欧州をはじめ、世界各地で排出ガスの規制が強化され、また、低炭素化のニーズも高まっています。エンジンは電子制御化することで燃料噴射を細やかに調整できることから、従来の機械式エンジンと比べ燃費性能の向上によるCO2削減と排出ガスのクリーン化が期待できます。そのため、当社は電子制御の小型エンジンのラインアップ拡充に取り組んでいます。
■ しかし、一般的に機械式エンジンから電子制御エンジンに載せ替える際には、電子制御に関わる多くの部品が追加されるため、機械本体のエンジン搭載スペースの拡大が必要になり、機械本体側の設計変更の負担が大きくなる場合があります。
■ 本エンジンは、小型エンジン専用に最適化した電子制御システムに、当社独自の燃焼技術を組み合わせた、燃焼方式TVCRを採用しています。同出力の機械式エンジンのサイズを維持しながらも、黒煙を視認できないレベルまで改善したクリーンな排出ガスと低燃費を実現し、世界各地の排出ガス規制への適合に加え中国の国家スモーク規制の中で最も厳しいⅢ類*2にも対応可能です。さらに、ECU*3をエンジンに直接搭載することができるため、エンジンの載せ替えに伴う機械本体側の設計負担を軽減し、開発期間を短縮させることが期待できます。
■ 既に取り組んでいる大型エンジンの電子制御化に加え、小型ディーゼルエンジンにおいても電子制御に対応したラインアップの拡充を進めることで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。
*1. 当社調べ（2020 Power Systems research〔PSR〕Survey）
*2. 車両を対象とした中国の規制。車両から排出される黒煙を規制する
*3. ECU（Electronic Control Unit）: 運転条件に応じて、燃料噴射量、噴射圧力、噴射時期、噴射回数等を最適な値に制御する電子機器
２．特長
[1] 黒煙の排出抑制
黒煙が排出されやすい始動・加速・急負荷時においても、黒煙排出を視認できないレベルまで抑制しました。これにより、中国の国家スモーク規制Ⅲ類にも対応可能です。
[2] 低燃費
小型エンジン専用に開発された電子制御システムに、当社独自の燃焼技術を組み合わせた、燃焼方式TVCRを採用しています。従来機と比較して、約5％の燃費向上を実現しました。
[3] エンジン運転データの取得とドライバビリティ・作業効率の向上
電子制御化によりCAN*4通信が可能となります。これにより車両からの信号でエンジンの回転／トルクを制御することができます。テレマティクス技術に必要なエンジン運転データをCANを経由して取得可能です。
機械式制御では実現できなかったトルク特性により、急負荷時の回転低下を抑制し、ドライバビリティ・作業効率を向上させます。
[4] 従来機との搭載互換性
外観寸法、吸排気位置や動⼒取り出しの接続部などの位置は変わらないため、載せ替えが容易です。また、ECUをエンジンに直接搭載することができるため、取り付け位置やハーネスの設計等、一般的な電子制御エンジン搭載において生じる機械本体側の設計工数を低減可能です。
[5] サービス性の向上
大型オイルパンの採用により、定期的に必要なオイル交換のサイクルを最大500時間*5に延長することができます。エンジンの保守に必要な時間を削減することで、サービス性の向上を実現します。
*4.CAN（Controller Area Network）：ISOにて国際的に標準化されたシリアル通信規格。ホストコンピューターなしで、マイクロコントローラやデバイスが相互に通信できる
*5.運転条件により変動あり
３．製品の概要
| 製品名 | D1105-K |
|---|---|
| 排気量 | 1.123L |
| 気筒数 | 3 |
| 定格出力 / 回転数 | 18.5kW(24.8HP)/3000rpm |
| 燃焼方式 | TVCR |
| 量産開始時期 | 2023年12月以降 |
＜参考＞
クボタ初の電子制御による産業用小型ディーゼルエンジンを開発
▶https://www.kubota.co.jp/news/2021/newproduct-20210324.html
本エンジンの問い合わせ先
株式会社クボタ エンジン事業推進部 TEL：06-6648-3510
以上
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