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パイロットプロジェクト:メカニカルリサイクルで混合プラスチック廃棄物をリサイクル可能に(ドイツ本国発表資料)【アウディ ジャパン】

2022年9月29日

  

パイロットプロジェクト:メカニカルリサイクルで混合プラスチック廃棄物を
リサイクル可能に(ドイツ本国発表資料)

  

 アウディは自動車バリューチェーンの不可欠な要素としてリサイクルを推進
 ビジョン:大量生産に使用可能な高品質なプラスチック顆粒を作成

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(ドイツ本国発表資料)
2022年9月26日、インゴルシュタット:アウディはサステナブルな製品開発を推進しており、より多くの分野でリサイクルを確立したいと考えています。そのため、アウディは科学および産業界のパートナーと協力しながら、素材のリサイクルの可能性を追求し、1次素材の使用を削減する方法を研究しています。アウディはフラウンホーファー研究所と協力して、プラスチックをリサイクルして大量生産に使用できるようにする様々な方法のテストを行っています。アウディ環境ウィーク(Audi Environmental Week)の一環として、アウディの社員は、よりサステナブルな企業になるためのリサイクル方法や、その他の多くのアイデアに思いを巡らせています。今年2年目となるこのキャンペーンは、アウディの持続可能性を向上させるために、ネットワークによる交流、意見交換、学際的な協力を推進することを目的としています。

アウディは、リサイクルを自動車のバリューチェーンの不可欠な要素にしたいと考えています。そのため、数多くの素材とコンポーネントを再処理する数多くのパイロットプロジェクトを始めています。その目的は、可能な限り多くの処理技術に関するノウハウを蓄積し、特定の原材料を将来的な用途に使用できるようにするための派生物を作成することです。素材サイクルには、いくつかの利点があります。まず、再生できない素材の需要を削減します。さらに、素材サイクルに組み込まれた原料は、より好ましいエネルギーフットプリントを実現します。アウディは、リサイクルに必要なエネルギー消費量にも注意を払っています。環境保護の観点からリサイクルしても意味がないものは、パイロット段階で研究を終了します。さらに、これまで以上に効率的なリサイクル方法を確立することにより、会社全体の持続可能性が向上します。

プラスチックの種類ごとに異なるリサイクル方法

すべての種類のプラスチックを同じ品質で、または同じ方法で分別してリサイクルできるわけではないので、アウディは、機械的、化学的、そして最近では物理的リサイクルなど、様々な技術を同時に検討しています。アウディのビジョンは、自動車の多様で要件の厳しい用途で、利用可能な数多くの素材を特定し、クローズドサイクルを確立することができるように、最適な処理とリサイクル技術を確立することです。アウディのポリマーチームに所属するマイク ハービッグは、次のように述べています。「私たちは、車両がその寿命を迎えたときに、できるだけ多くのプラスチックを取り出して、再びリサイクルすることに焦点を当てています」

今日の車両には、通常200kgを超える様々なプラスチックやプラスチック複合材が使用されています。バンパー、ラジエターグリル、各種インテリアパーツ、駆動系やエアコンディショナーのコンポーネントに至るまで、これらはプラスチックから作られています。これらの複合材を含むプラスチック廃棄物は、最初に機械的に破砕され、他の素材と分離されます。その後、各種の処理プロセスにより、再びプラスチック顆粒に加工することができます。

リサイクル素材とバージン素材に同じ基準を適用してコンポーネントを製造

プラスチックには、非常に高い品質要件が適用されます。リサイクル素材で製作されたコンポーネントには、バージン素材と同じ基準が適用されます。これらには、衝突安全性、耐熱性、耐油・耐薬品性(有機溶剤、オイル、作動油などに対する耐性)が含まれます。さらに、車両の耐用年数を通じて、寸法安定性、品質、感触、外観、匂いなどに対する基準も存在します。環境に対する要件も高まっています。マイク ハービッグは、次のように付け加えています。「リサイクル素材を使用するのは、その素材から作られたコンポーネントがアウディの要件を満たしている場合のみです。つまり、コンポーネントの品質は、耐用年数全体にわたって、バージン素材で作られたものと同等である必要があります」

プラスチックの機械的リサイクルは、部品の製造過程で、さまざまな接着剤、コーティング、ガラス繊維などの充填剤が使用されるため、その処理には限界があります。さらに、プラスチックの品質は、機械的な処理を重ねるごとに低下します。原則として、この方法でリサイクルされたプラスチックは、車両の製造、特に安全関連のコンポーネントでの使用には適していません。

そのため、アウディは、カールスルーエ工科大学(KIT)および業界パートナーと協力して、化学的リサイクルの方法も開発しました。混合プラスチック廃棄物は、熱分解油により化学処理されます。熱分解油は、高品質なプラスチック生産における原材料として、原油の代わりに使用することができます。このようにして製造されたコンポーネントは、バージン素材から製造された場合と同等の価値と安全性を備えています。

メカニカルリサイクルの事業化可能性の調査

機械的および化学的リサイクルに焦点を当てた研究プロジェクトに加えて、アウディはフラウンホーファー研究所プロセスエンジニアリング&パッケージングIVVと協力して、自動車用プラスチック廃棄物の物理的リサイクルおよび車両で再利用する可能性を探る事業化可能性の調査も行っています。この方法により、汚れのレベルが非常に高いプラスチックを扱うことが可能になります。つまり、古い車両から単純にプラスチック部品を選別するだけで処理が可能です。

化学的リサイクルとは異なり、物理的リサイクルでプラスチックが破壊されることはありません。このプロセスでは、溶剤を使用してプラスチックを溶解します。つまり、プラスチックの化学分解反応が起こらず、ポリマー鎖が損傷を受けないことを意味します。フラウンホーファーIVVのDr.マーティン シュルマーは、次のように説明しています。「完全に無害な物質のみを溶媒として使用しています。新しい製品に悪影響を及ぼす可能性のある固形物は分離されます」。必要に応じて、難燃剤などの溶解物質をプラスチック溶液から分離することもできます。使用した溶剤は蒸発させサイクルに戻します。乾燥後、バージン素材の品質に匹敵する、非常に純粋なプラスチック顆粒が得られます。

現在の目的は、技術的な実現可能性を確立し、費用対効果をテストするために、この顆粒を大量生産することです。追加のテストでは、「使用済みプラスチック」は、シートハイトアジャスターなどのアドオンパーツにリサイクルされます。これらは小さなコンポーネントですが、排出物や臭いに関して高い基準を満たさなければなりません。今後、アウディは、様々なリサイクル技術を使用して、それらを相互に補完し、高品質なプラスチックとして再利用するために、廃棄車両からプラスチックを回収することを計画しています。

車両におけるリサイクル素材の割合が継続的に増加

今後アウディは、車両におけるリサイクル素材の割合をさらに増やしたいと考えています。Audi Q4 e-tronには、リサイクル素材で作られた27のコンポーネントがすでに使用されています。エクステリアでは、機械的特性に関して特に高い要求を満たす必要がある、取り付けブラケットなどのコンポーネントが含まれます。さらに、ヘッドライトマウント、ホイールアーチライナー、フェンダーカバー、フロアトリム、ホイールスポイラーなど多くの部品が二次原料から作られています。

Audi Q4 e-tronのインテリアでは、断熱材や制振材としてリサイクル素材が使われています。さらに、目に見えるインテリアの表面にも、リサイクル素材が含まれています。これらには、フロアカバーやラゲッジコンパートメントトリムのパーツが含まれます。S lineインテリアでは、スポーツシートの生地は、Dinamica(ダイナミカ)マイクロファイバー素材と人工皮革の組み合わせで作られています。Dinamica素材の45%はポリエステル繊維から構成されていますが、スエードのような外観と手触りを備えています。この繊維は、リサイクルされたペットボトル、古いテキスタイル、端切れなどから作られたものです。

アウディ環境ウィークは学際的な交流を促進

アウディは、今年で2回目となる環境ウィークを開催しています。インタラクティブな形式で行われるこのイベントは、知識の伝達を促し、自分の行動を見つめ直すことを目的としています。この環境ウィークでは、従業員による従業員向けの50以上のプレゼンテーションと、環境保護、リサイクル、CO2削減、節水、栄養に関する専門家によるディスカッションが行われ、遊び心のあるチャレンジや、従業員が参加できる様々な活動が行われます。環境保護部門の責任者 リュディガー レクナゲルは、次のように述べています。「環境ウィークのモットーは、“環境保護を常に自分自身の使命にする”というものです。持続可能性は、私たちの優先事項です」

※本リリースは、AUDI AG配信資料の翻訳版です。

  

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関連サイト
ドイツ本国発表資料 – Pilot Project: Physical Recycling Makes Mixed Plastic Waste Recyclable(英語版)

  

  

  

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