ニュース

医療機器、航空宇宙部品など高精度部品加工、および、金型加工に対応 リニアモータ駆動 ワイヤ放電加工機のエントリーモデル 「VN400Q/VN600Q」販売開始のお知らせ【ソディック】

2022年8月23日

  

医療機器、航空宇宙部品など高精度部品加工、および、金型加工に対応
リニアモータ駆動 ワイヤ放電加工機のエントリーモデル
「VN400Q/VN600Q」販売開始のお知らせ

  

 株式会社ソディックは、近年、小型化・高精度化が進む精密部品加工に対応する新機種として、リニ アモータ駆動ワイヤ放電加工機のエントリーモデル「VN400Q/VN600Q」を開発、販売を開始します。
 医療機器、航空宇宙産業においては、大量の複雑形状加工を効率よく行いたいとの要望が増えてきて います。また、一般的な金型においても、コストパフォーマンスに優れたリニアモータ駆動ワイヤ放電 加工機への需要要望が高まっています。このような市場環境要望に対応するため「VN400Q/VN600Q」を市 場に投入することにいたしました。
 本製品は、ソディックの最先端技術である、リニアモータ駆動方式、テンションサーボ機能、自動結 線装置(FJ-AWT)※1、精密熱変位補正機能(TH COM:サーマルコミット)※1、加工板厚変化に自動的に 対応する DSF(ダイナミック・シェイプ・ファースト)機能※1、セラミック・スタンドなどをすべて標 準搭載しながら、電源部・サービスタンク周辺装置などを最適配置することで省設置スペースも実現し ています。 (※1:日本国内向けに標準仕様。)
 なお、「VN400Q/VN600Q」は、2022 年 9 月 12 日~17 日にアメリカ合衆国(シカゴ)にて開催される 「IMTS2022」、および、2022 年 11 月 8 日~13 日に東京で開催される「JIMTOF2022」に出展いたします。

  

VN400Q」の外観

  

■販売予定価格および生産目標台数
 標準価格:VN400Q:1500 万円~(税抜き)、VN600Q:1700 万円~(税抜き)
 生産目標台数: 120 台/年(VN400Q/VN600Q シリーズ)

  

■「VN400Q/VN600Q」の主な仕様

●本機部
 各軸移動距離(X軸×Y軸×Z軸) 400×300×230 [600×400×310] mm
 最大加工物寸法(幅×奥行×高さ) 830×700×225 [1100×820×305] mm
 加工タンク内寸法(幅×奥行) 860×740 [1050×840] mm
 最大加工物質量 500 [850] kg
 ワイヤ電極径 φ0.1~φ0.3 [φ0.1~φ0.3] mm
 最大テーパ角度 (板厚:100mm) ±15° [±15°]
 機械本体寸法(幅×奥行×高さ) 2070×2935×2135 [2615×3265×2245] mm
 機械本体質量 2920 [ 3280 ] kg
 総電気容量 11.5 [11.5] kVA
 ※ [ ] はVN600Q仕様。

●電源装置部
 電源入力仕様 200/220 V 50/60 Hz
 NC 部 マルチタスクOS、KSMC-LINK方式
 同時制御軸数 最大4軸(オプション:最大8軸)

  

■詳細説明
 ① 4 軸(X・Y・U・V 軸)リニアモータ駆動方式により高精度加工を実現
 ② 最新の設計技術を駆使した高剛性機械構造、および、精密熱変位補正機能
 ③ 自動結線装置(FJ-AWT: Fixed Jet Automatic Wire Threader)標準搭載
 ④ 加工現場の生産効率をたかめる各種機構・機能
 ⑤ 安定した微細放電を実現するセラミックスを標準搭載
 ⑥ 新型「LN3W・LP3W 電源」および自動プログラム作成機能「HeartNC:ハート NC」
 ⑦ 電力消費量の削減
 ⑧ 純正サプライ品によるリサイクル(環境循環)システム

  

■販売予定価格および生産目標台数
 ① 4 軸(X・Y・U・V 軸)リニアモータ駆動方式により高精度加工を実現
 当社ワイヤ放電加工機のエントリーモデルとして、X・Y・U・V の 4 軸に自社開発・製造リニアモータを 搭載。リニアモータ駆動方式は、移動速度と位置決め精度に優れており、機械的な接触が無いため、高い 応答性と長期的に安定性・保守性・信頼性を維持します。 また、エントリーモデルでありながら、一般的な工作機械ではオプションでの取り扱いとなるリニアス ケールを標準搭載しているため、ワンランク上の加工精度が実現可能です。

 ② 最新の設計技術を駆使した高剛性機械構造、および、精密熱変位補正機能
 上位機機種 AL シリーズで好評の高剛性機械構造および精密熱変位補正機能(TH COM:サーマルコミッ ト)を採用。これにより、長時間に及ぶ加工においてもより安定した精度が得られます。

 ③ 自動結線装置(FJ-AWT: Fixed Jet Automatic Wire Threader)標準搭載
 アニール・熱溶断性能の向上を図り、アニール長を従来比 13%拡大とすることで、ワイヤ真直長さが 拡大。より高板厚での安定した自動結線の対応が可能となりました。ワイヤ先端を引き上げて降ろすポ ップアップサーチ動作を細かく繰り返すことで狭小下穴や複雑形状、断線点にて高い結線率を実現して います。

 ④ 加工現場の生産効率をたかめる各種機構・機能
 ワークの下からでも通電駒のメンテナンスや中子の処理が可能な「ロの字」ワークスタンドを採用。通 電駒のメンテナンス時の工具レス化、加工エリアへのアクセス性向上、ハンドリフトを用いたワーク搬入 対応しています。加えて、加工液処理フィルタ数を 3 本にすることでの交換頻度を低減など、加工現場で の作業性にも配慮しており、よりいっそうの生産効率向上を実現しています。

 ⑤ 安定した微細放電を実現するセラミックスを標準搭載
 硬い・軽い・熱に強い・磨耗しにくいといった特長に加え、電気加工機械にとって重要な絶縁性をも つ自社製セラミックスをワークスタンドに使用しているため、専用の絶縁用治具は不要、微細な仕上げ 加工まですべて同じ段取りで作業が可能です。これは、セラミックスを効果的に適用する弊社独自の優 位技術であり、この絶縁性が微細な仕上げ加工領域での安定性を高めています。

 ⑥ 新型「LN3W・LP3W 電源」および自動プログラム作成機能「HeartNC:ハート NC」
 新型「LN3W・LP3W 電源」では、従来比 5~15%の浮き加工速度の向上を図りました。 加工支援システム「HeartNC:ハート NC」を標準搭載することで、上下異形状、インボリュート歯 車、自由曲線などのプログラムが簡単に作成できます。また、他の CAD/CAM で作成したデータを DXF 形 式で読み取り、簡単に加工プログラムを出力することが可能なため、初心者でも簡単に複雑形状のプロ グラムを作成できます。
 さらに、「LP3W」電源は、3 次元モデルを直接ワイヤ放電加工機に取り込む機能を標準搭載しており、 経験則を必要としない操作環境が可能です。これにより、G コードの知識がなくても簡単に加工プログ ラムが作成でき、単純なヒューマンエラーも回避されるため生産性が向上しました。

 ⑦ 電力消費量の削減
 ワイヤ放電加工機で使用される電力量のうち約 70%は加工液処理系で消費されています。この点に着 目し、加工時の上下噴流として使用する流量をモニタリングすることで、加工液処理に必要なポンプ駆 動エネルギーを抑える液処理回路を標準搭載しました。これにより、待機中も含めた電力消費量は従来 比で、約 20%の削減を可能としています。(※当社モデルケース比)

 ⑧ 純正サプライ品によるリサイクル(環境循環)システム
 ワイヤ放電加工機のサプライ品である、ワイヤ電極、フィルタ、イオン交換樹脂などは、いずれも貴重 な資源でありながら、産業廃棄物としての取り扱いが通例でした。これらの消耗品についても、リユース・ リサイクル・リソース・リデュースの観点から地球環境にやさしい対策が重要であると考え、当社では省 エネ・エコに有益なサプライ品のリサイクル(環境循環)システムを確立、積極的な利用促進を提唱して いきます。

  

以上

  

  

  

株式会社ソディック ホームページはこちら

キーワードをクリックして関連ニュースを検索

#ソディック
#加工技術
#2022年8月23日