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車載・デジタル機器の音判定テストを自動化する 「SimuField(R)-AS」を提供開始  AI技術を活用した音判定で、製品検査を効率化・省力化

2022年6月21日

  

車載・デジタル機器の音判定テストを自動化する 「SimuField(R)-AS」を提供開始
AI技術を活用した音判定で、製品検査を効率化・省力化

  

株式会社シーイーシー(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:大石 仁史、以下 シーイーシー)は、車載ソフトウェアのテスト支援サービス「SimuField(R)(シムフィールド)」に、機器音声の判定テストをAIで自動化する「SimuField(R)-AS(シムフィールド-エーエス)」を新たに加え、本日6月21日より提供開始します。メーカー・機種で異なる車載・デジタル機器の音判定を、シーイーシーのAI判定技術で自動化し、従来人手による音に関するテストの負荷低減と製品の品質向上に貢献します。

「SimuField(R)-AS」は、音に特化したAI音判定エンジン(シーイーシーの独自開発)を活用し、音に関する仕様に沿った機器音声を自動判定します。従来、検査担当者による検査工程が多い自動車や産業用装置、デジタル家電の中でも、機器音の判定は手動操作の必要性や判定精度も低く、自動化の課題を抱えています。シーイーシーは、車載システム開発に加えて、電子機器、医療機器など長年のMBD※1で培った経験をもとに、MILS/SILS※2環境のテストシナリオ作成サービス「SimuField-(R)SC(シムフィールド-エスシー)」に続き、「SimuField(R)-AS」を開発しました。

※1 Model Based Development(モデルベース開発)
※2 MILS(Model In the Loop Simulation)、SILS(Software In the Loop Simulation)。エンジンや車両挙動などを模擬した数式をリアルタイムに実行することで、モデルを用いたシミュレーションを行うことが可能な開発環境。



図1:「SimuField(R)」シリーズ全体像

SimuField(R)-ASの詳細はこちら:https://www.cec-ltd.co.jp/promotion/mobility/simufield/

  

■「SimuField(R)-AS」の特長
● AI技術の活用で、ノイズありの音声を精緻に判定
AI活用には大量の学習データが必要ですが、「SimuField(R)-AS」は独自ロジックにより、10サンプルと少ない学習データから精度の高いデータベースを作成できます。
<例>音を波形判定するケース
従来の検査手法の場合、周囲の環境音などのノイズが含まれたデータは、音の開始位置がズレるなど誤判定が生じます。「SimuField(R)-AS」は、音の波形と音圧を解析し、特徴点をとらえたメタデータを組み合わせることで、テスト対象機器のライン入力が不要になります。マイクで集音したノイズが含まれたデータから音声判定を実現したことで、多種多様なメーカーの機器に対応できます。



図2:AIとメタデータの組み合わせで高精度の音判定を実現

● 機器音声特有のさまざまなレベルの音を判定可能
独自のアルゴリズムにより、テスト対象機器の音が単純に鳴っているかを確認する判定から、ブザー音やメロディ音、機械アナウンス音など機器音声として定義された作成済みの音判定が可能です。そのほか、定義されていない異音・特定音なども検出できます。

● 導入済みの自動評価システムと連携可能
「SimuField(R)-AS」は、お客様の持つ自動評価システムと連携できる接続ライブラリ(C#)を提供しています。お客様が導入済みの自動評価システムに音判定テストを取り入れることで、夜間・休日の音判定テストを人手が要らずに実施できます。

  

■「SimuField(R)-AS」の導入メリット
お客様側で録音したテスト対象機器の音源データを元に、シーイーシーのエンジニアが教師データの学習を行います。お客様側で学習データベースを用いた自動テストを実行するだけで、判定結果は自動評価システムに通知され、ログファイルに出力されます。判定結果がNGの場合はシーイーシーのエンジニアが要因分析を行うサポートがあります。今後は、学習工程もお客様側で実行できるバージョンアップを予定しているため、よりスムーズなテスト自動化を実現します。



図3:「SimuField(R)-AS」サービス利用の仕組み

■開発背景と今後の展望
近年、自動車や産業機器、デジタル家電のものづくり領域では、国際的な安全・環境基準への厳しい要求やグローバル標準化が加速しています。自動運転技術が進む自動車業界ではソフトウェア開発の大規模化・複雑化に加え、市場からの短納期・高品質な開発要求により、検証工程の負担は年々増大しています。ソフトウェア開発現場では、品質保証と同時に効率化を目指すため、テスト領域の自動化が加速しています。しかし、機器音に関しては、複雑なノイズ音や音のタイミングの違いにより、従来の波形や周波数を使ったテスト手法では自動化されにくいのが現状です。加えて、メーカーごとの最新機種・モデルのライフサイクルも短縮化しているため、現在のテスト手法は社内で蓄積されにくい課題もあります。

「SimuField(R)-AS」は、音の特徴である波形・周波数と、判定能力に特化したAI技術を活用することで複雑な音判定の自動化課題を解決し、車載機器のメーターなどコックピット製品におけるソフトウェアテスト工程以降のテスト自動化と、QCD(品質・コスト・納期)改善を通じ、業務軽減によるものづくりのDXを支援していきます。

今後シーイーシーは、製造業で進む自動化に必要なテスト支援に新たな価値を付加し、QCD向上に貢献するため、「SimuField(R)」シリーズとしてツール・サービスのラインナップを拡充します。

※記載の会社名・商品名などの固有名詞は各社の商標または登録商標です。

  

  

  

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