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Dürr Assembly Products社が韓国でx-road curveを発表【dSPACE Japan】

2022年6月7日

  

Dürr Assembly Products社が韓国でx-road curveを発表
半自動運転車両および完全自動運転車両向けのテストスタンド

  

Dürr Assembly Products社は、自動運転車両および半自動運転車両向けの革新的な多機能テストスタンドであるx-road curveを発表し、韓国での運用を開始しました。このテストスタンドを使用するのは、車両や交通の安全を管理する公共団体である韓国交通安全公団(KOTSA)です。このプロジェクトの遂行にあたっては、dSPACEが運転シナリオのシミュレーション分野のスペシャリストとして協力しました。

x-road curveでは、従来のローラーテストスタンドとは異なり、ステアリング動作で自由走行を行いながらコーナリングをシミュレートすることが可能です。x-road curveはレーザー計測テクノロジによってフロントアクスルのステアリング角を検出しつつ、ローラーユニットを通じて自動的に前輪の動きを補正します。そのため、高速時であっても、ステアリングホイールの位置に関係なく車両をテストスタンドの中央に維持することができます。これをdSPACEが開発した仮想環境と組み合わせれば、一般的な交通状況のシミュレーションを行って車載センサの応答を引き出し、運転支援システムの機能をテストすることが可能です。

Dürr Assembly Products社は、ピュットリンゲンのテストスタンドにおいて、実際にKOTSAの担当者にこれを実演しました。このとき、同社の専門技術者は街路を外れて走行する車両を用いたシナリオを2つシミュレートしました。車両は車線を外れる危険性があるため、ステアリングへの介入が必要であり、ブレーキを掛ける前方車両に対応して緊急停止することも必要です。実演に際して、同社は現実に即した交通状況をモニタに表示するとともに、モニタ表示に合わせて他の交通参加者をレーダー信号でシミュレートできるようにしました。

Dürr Assembly Products社のx-road製品ラインマネージャであるTimo Wallscheid氏は、x-road curveの順調な運用開始は半自動および完全自動運転車両のテストにおける大きな一歩であるとし、「当社のステアリング対応x-road curveテストスタンドでは、これまでどうしても作り出せなかった車両の安全関連システムの実際の反応を、シミュレートされた交通状況で初めてテストすることができました。さらに、dSPACEのシミュレーション環境との極めて高い相互補完性も示すことができました」と述べています。

dSPACEのエンジニアリングサービス担当シニアマネージャであるDirk Berneckは、Dürr社とdSPACEのソリューションを組み合わせたこの新しい完全な妥当性確認システムを、高度な自動運転車両のテストや認証を行うテスト団体にとっての極めて重要な要素と見ており、「これらの車両では、レーダーやカメラなどのイメージセンサがこれまで以上に大きな役割を果たしています。dSPACEの極めて高精度な交通および環境シミュレーションでは、運転状況に応じて柔軟に実行できる総合的なライブラリが使用されているため、小型のテストスタンドにおいても車両やセンサの妥当性確認を効率的に実施することができます」と述べています。

公的機関であるKOTSAは、韓国においてドイツのTÜVと同様の役割を果たしており、PTI(定期技術点検)を統括しています。x-road curveは金泉市の本部に設置されて運用が開始され、3月の半ばに正式に公開されました。公開イベントには、韓国国土交通部の代表者も出席しました。また、Hyundai Motor社やMercedes-Benz Korea社に加え、ドイツのKÜS(独立したプロの自動車専門家で構成される自動車監視団体)など、他のテスト団体の報告担当者や代表者も来賓客として招待されました。

自動運転および半自動運転車両向けのセンサやアクチュエータは極めて複雑なだけでなく、バージョンの異なるさまざまなソフトウェアへの互換性も確保しなければなりません。そのためのテストは車両動作の安全性を証明するものとして法令により義務化される見込みです。そのため、Dürrグループの子会社であるDürr Assembly Products社は、x-road curveのようなテストスタンドは将来的に不可欠になると考えています。



KOTSAのx-road curve多機能テストスタンド

Dürrグループは、さまざまな自動化、デジタル化やIndustry 4.0に関する幅広い専門知識を有する世界有数の機械工学およびプラントエンジニアリング企業です。同社の製品、システム、サービスを活用すれば、さまざまな業界で製造プロセスの高度な効率化とリソース削減が可能になります。Dürrグループは自動車業界、機械工学、化学工業、医薬品、医療技術、木材加工業など、さまざまな業界をサポートしており、2021年度の売上高は35億4000万ユーロに達しています。また、約17,800人の従業員を擁し、33ヶ国に120の事業所を置いています。DürrグループはDürr、Schenck、およびHOMAGのブランドを、次の5つの事業部門で展開しています。

・塗装および最終組立システム:自動車業界向けの塗装工場や最終組立、テストおよび充填技術、医療機器の組立およびテストシステム

・アプリケーションテクノロジ:塗料、シーラント、および接着剤の塗布を自動化するためのロボット技術

・クリーンテクノロジシステム:大気汚染制御、ノイズ低減システム、およびバッテリ電極のコーティングシステム

・計測および処理システム:バランス調整装置および診断技術

・木工機械およびシステム:木材加工業向けの機械と設備

  

dSPACEについて
dSPACEは、コネクテッドカー、自動運転車両および電気自動車を開発するうえで必要なシミュレーションおよび妥当性確認ソリューションを提供する国際的企業です。自動車メーカーやサプライヤのお客様は、当社のエンドトゥエンドのソリューションを利用し、実車での試験前にソフトウェアやハードウェアの各種コンポーネントをテストしています。また、自動車産業だけでなく、航空宇宙や産業オートメーション、およびその他の産業分野でもdSPACEは開発パートナーとして選ばれ、当社の知識と経験はさまざまな現場に活かされています。当社の製品ポートフォリオは、シミュレーションや妥当性確認向けのエンドトゥエンドのソリューションからエンジニアリング、コンサルティングサービス、トレーニングやサポートまで幅広くカバーしています。dSPACEは、ドイツのパーダーボルンにある本社と、ドイツ国内の3つのプロジェクトセンター、米国、イギリス、フランス、クロアチア、日本、中国、および韓国にある子会社を含め、世界中で2,000名を超える従業員が製品・サービスを提供しています。

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