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下水汚泥を原料とするバイオ水素の製造実証に着手【豊田通商】

2012年9月10日

~地産地消型の水素イノベーションタウンの実現に向けて~


㈱ジャパンブルーエナジー(本社:東京都千代田区、 代表取締役社長:堂脇直城 以下、「JBEC」という。)、大和リース㈱、豊田通商㈱及び三井化学㈱の4社は、HIT事業研究会(HITとは、「Hydrogen Innovation Town」を意味する。)を発足させ、下水汚泥から水素ガスを製造する実証試験に着手しました。(大和ハウス工業㈱、トヨタ自動車㈱がオブザーバーとして参加しています。)

1. HIT事業研究会とは?

HIT事業研究会は、JBECが所有するバイオマスガス化技術「BLUEタワー®技術」を利用することにより、現在一般的である化石燃料からの水素製造ではなく、その多くが焼却処分されている下水汚泥からの水素製造を目指しています。
各地の下水処理場にBLUEタワー®技術を導入することで、将来普及が見込まれる燃料電池自動車(FCV)や定置型燃料電池等へ水素を供給し、地産地消型の水素イノベーションタウンの実現(低炭素・循環型の街づくり)に貢献したいと考えております。
HIT事業研究会は、参加する各社の専門的な知見、人材、ネットワーク等を結集し、バイオ水素「BLUE水素®」に関する技術ライセンス、プラント建設、製造水素の流通・販売等を共同事業として推進していきます。

HIT事業のイメージ

2. 下水汚泥からの水素ガス製造

HIT事業研究会は、JBECが所有する島根県出雲市のBLUEタワー®の実証プラントにおいて、下水汚泥を原料としてバイオ水素を製造する実証試験に着手しました。
これまでの試験では、BLUEタワー®技術を用いて下水汚泥を加熱ガス化することにより、水素を主成分とするガスが得られ、バイオ水素の原料としての「下水汚泥」の持つポテンシャルが確認できました。
今後、実証プラントでの連続運転試験により、バイオ水素の製造技術を確立するとともに、商用規模のバイオ水素製造プラント、モデル事業の構築を目指します。

【参考】 BLUEタワー®技術

BLUEタワー®技術の最大の特長は、熱媒体としてアルミナボールを使用することにあります。熱分解器において、木質チップや下水汚泥等のバイオマス原料が、高温に加熱された多量のアルミナボールに接触することでメタン等のバイオガスが発生します。さらに改質器において、バイオマスガスがより高温のアルミナボールと水蒸気に接触し、水蒸気改質反応等を経て、バイオ水素が製造されます。このアルミナボールの循環によって、熱が各部に伝わるだけでなく、従来プラントの機器トラブル(閉塞等)の主要因となるタールの発生抑制・除去を可能としています。


※「BLUEタワー®」「BLUE水素®」は、株式会社ジャパンブルーエナジーの商標登録です。



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