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過酷な使用環境における型寿命と製品品質の安定に貢献する 「QTP-HARMOTEX®」を開発

2022年3月31日

  

熱間ハンマー鍛造向けプリハードン金型用鋼
過酷な使用環境における型寿命と製品品質の安定に貢献する
「QTP-HARMOTEX®」を開発

~カーボンニュートラル実現に向けた被加工材の高強度化やニアネットシェイプ成形に対応~

  

山陽特殊製鋼株式会社(代表取締役社長 宮本 勝弘、本社姫路市)は、熱間ハンマー鍛造の過酷な使用環境におけ る型寿命と製品品質の安定に貢献するプリハードン※金型用鋼「QTP-HARMOTEX®」(キュー ティー プレミアム ハーモテックス)を 開発しました。
 この開発鋼は、自動車や建設機械の足回り部品をはじめとする複雑形状部品の 鍛造工程において、部品の小型化・軽量化を目指した被加工材(ワーク)の高強度化 や、部品製造工程の簡略化に繋がるニアネットシェイプ成形といった、カーボンニュ ートラルの実現に向けた部品製造・加工業界のニーズに対応することができます。
 当社は、お客様のニーズと社会課題の調和に向けた技術課題の解決に貢献する 高機能工具鋼“HARMOTEX®シリーズ”のラインアップ充実により、お客様の多様なニ ーズにお応えするとともに、今後も採用拡大に向けた積極的な商品展開と拡販活動 を推進してまいります。


※プリハードン:焼入れ・焼戻し熱処理済の納入状態

  

■開発の背景と QTP-HARMOTEX®の特長
 自動車や建設機械のアクスルシャフトやナックルをはじめとする複雑形状部品の製造には、熱間ハンマー鍛造が 広く用いられています。最近は、カーボンニュートラルの実現に向けて部品の小型化・軽量化を目指した被加工材(ワ ーク)の高強度化や、部品製造工程の簡略化に繋がるニアネットシェイプ成形(より最終製品に近い形状に成形し、 切削等の後工程を省略または簡略化すること)のニーズが高まっています。一方、熱間ハンマー鍛造の金型として一 般的に用いられる JIS SKT4 やその類似鋼種では、従来に対し過酷化されてきた使用に際し、金型の軟化による変形 や摩耗が早期に進展するという問題が生じていま した。
 こうしたなか、当社は、金型使用時の高温環境 下における内部組織変化を抑制する金型材の合金 設計と製造プロセスを確立することにより、JIS SKT4 に比べて高温強度(軟化抵抗特性)と靭性(耐 衝撃性)を大幅に向上した QTP-HARMOTEX®を開発し ました。
 当社が開発した QTP-HARMOTEX®を熱間ハンマー 鍛造用金型に適用することで、過酷な環境下にお いても金型使用時の変形や摩耗、欠け、大割れと いった金型寿命や部品製造効率を阻害する要因を 抑制することが可能となります。
 また、当社の QTP-HARMOTEX®は、既に一部のお客様から本格的に採用いただいており、熱間ハンマー鍛造用金型 の摩耗や割れ、ヒートチェック(金型使用時の繰り返し加熱・冷却に起因する金型表面のき裂)の発生が抑制された ことによる型寿命の向上や、型の変形が抑制されたことによる鍛造品の成形不良低減といった効果が得られ、高い 評価を得ています。これら金型寿命の向上や製品不良率の低減は、お客様における素材ならびに操業に要するエネ ルギー消費の抑制を通じた CO2 排出量削減にも貢献します。

 当社は、カーボンニュートラルの実現に向けた部品の小型化・軽量化や CO2 排出削減等に繋がる商品:エコプロ ダクトの一層の展開を図り、需要家の皆様からの高度かつ多様なニーズにお応えしてまいります。

  

以上

  

≪お問い合わせ先≫  山陽特殊製鋼株式会社 総務部広報グループ(TEL:079-235-6002)

  

  

  

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