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難成形部品への超ハイテン材の適用を可能とする新プレス工法が大手自動車メーカーに採用【新日本製鐵】

2012年9月6日

~軽自動車の難成形部品に強度980MPa級ハイテンが世界初採用~


当社は自動車の軽量化に寄与する高張力鋼板(以下、ハイテン)の適用拡大に向け、部品の要求性能に応じた各種ハイテンの開発と合わせ、ハイテンのプレス成形技術などのアプリケーション技術の開発を行っています。
この度、難成形部品への超ハイテン材の適用を可能とする当社開発の新プレス工法がスズキ株式会社殿に採用され、軽自動車では世界で初めて、難成形部品であるフロントピラーへの強度980MPa級ハイテンの採用が実現しました。

これまで、強度980MPa級以上の超ハイテンは、強度と相反する成形性能の制約から適用できる部品は単純で成形しやすい形状のものに限定されており、適用部品の拡大のためには、複雑な形状の加工が可能な新たな工法の開発が課題となっています。
当社は本課題に対して、プレス工法「NSafe®-FORM」シリーズの開発を進めており、フロントピラーやセンターピラーの特徴であるL字・T字形状の部品の加工に適した新プレス工法「NSafe®-FORM-LT」を開発しました。
L字やT字形状の部品成形では割れやしわが発生し易いため材料に高い延び特性が必要となり、従来これらの部品には強度590MPa級の適用が限界でした。
新プレス工法「NSafe®-FORM-LT」は、専用金型を用いた新しい成形法です。シミュレーション技術により金型内での鋼材の挙動を解析、鋼材のブランクの形や変形の仕方を変えることで割れやしわの発生を回避し、一気に強度980MPa級ハイテンでの複雑形状の成形を可能にしました。また、本工法は従来の絞り成形法に比べ、材料歩留まりが非常に高く省資源化・部品コスト低減にも寄与すると共に、成形荷重の大幅な低減によりプレス機にもやさしい工法です。

このたび、スズキ㈱殿が当社との共同開発の中で導入を検討され、新型「ワゴンR」のフロントピラーに「NSafe®-FORM-LT」工法の採用を決定されました。世界で初めて強度980MPa級ハイテンを適用した上下一体型のフロントピラーが車体に組み込まれた事になります。また、同車のセンターピラーにも本工法が採用されており、本工法により適用が可能になった超ハイテンが車の衝突安全性の向上と軽量化に貢献しています。

当社は「NSafe®-FORM」シリーズの一つとして強度1180MPa級以上の超ハイテンの冷間プレス工法の開発も進めており、今後とも自動車の軽量化に寄与する環境にやさしい鋼材の開発はもちろんのこと、それらをより広く適用することを可能にするプレス成形技術をはじめとしたアプリケーション技術の開発を通して需要家や社会に貢献していきます。


(お問い合わせ先)総務部広報センター  TEL : 03-6867-2135



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