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スズキ財団 令和3年度(2021年度)の助成について【スズキ】
2022年2月18日
スズキ財団 令和3年度(2021年度)の助成について
助成総額1億3,954万円、内研究助成として57件、1億3,545万円の助成を決定
公益財団法人スズキ財団(理事長 鈴木 修)は2月18日、全国の大学等研究機関から応募のあった助成申請に対して、令和3年度(2021年度)の科学技術研究助成および課題提案型研究助成として57件、1億3,545万円の助成を決定しました。
その他の助成と合わせ、本年度の助成は、件数で69件、総額で1億3,954万円となりました。
●研究助成
(1)科学技術研究助成について
本年度の科学技術研究助成は、①生産関連技術、②環境・資源エネルギー関連技術、③計測・
制御・解析関連技術、④材料関連技術、⑤電気・電子・情報関連技術、⑥人間工学・医療関連技術、
⑦ロボット関連技術、⑧リサイクル関連技術、の 8 つの研究分野を対象に公募され、一般 31 件、
35 歳以下若手 22 件、計 53 件の研究テーマへの助成を決定しました。
いずれも独創的、先進的な研究開発テーマで、総額 9,869 万円を助成します。
(2)課題提案型研究助成について
同財団では、自然科学分野の基礎的・独創的な研究に対する助成に加えて、平成 15 年度(2003
年度)より、時代が要請し、かつ可及的速やかに解決が求められる問題等につきテーマを設定
して応募を募る「課題提案型研究助成」も実施しています。研究期間は 2 年間、過去 19 年で 41 件
の研究助成を行いました。
本年度は、自動車に代表される移動体の環境負荷改善、および使用エネルギーの低減とカーボン
ニュートラル技術に関して、解決すべき課題とその解決方法に向けた方策の提案を受け、その中
から次の 4 件に対して助成しました。
1)「中低温での二酸化炭素還元触媒の開発」
2)「リチウム金属を負極とするバルク型酸化物系全固体電池の創製」
3)「精密構造化貴金属タングステートによる廃棄物系バイオマス燃料電池電極触媒への展開」
4)「ライフサイクルアセスメントを考慮した運輸部門シミュレーションモデルとシナリオの開発」
本年は、本年度決定の 4 件と昨年度の継続研究 4 件をあわせ、総額 3,676 万円を助成しました。
(3)科学的成果の普及助成について
同財団では研究成果を普及させ、研究の更なる充実・発展を図るため国内外で行われる
シンポジウム・フォーラム等の開催に対して会場費用等を助成しています。本年度は 6 件の助成
を行いました。
また、研究者の海外学会等への渡航・宿泊費の助成に対しても 6 件の助成を行いました。
(4)海外研究研修助成について
同財団では、ハンガリー、インドからの研究者の招聘を行っています。本年度は、ハンガリー
ブタペスト工科経済大学から 3 名、インド工科大学ハイデラバード校から 3 名、インド工科大学
デリー校から 1 名の計 7 名の研究留学者の招聘を予定していましたが、新型コロナウイルス
感染拡大のため、来日することが出来ませんでした。
スズキ財団の概要
スズキ財団はスズキ株式会社が創立60周年の記念事業として基金を寄託し、1980年3月に設立したもので、2011年4月1日、新しい公益法人制度に則り公益財団法人となりました。
研究助成は本年で42回目となります。
スズキ財団 シンボルマーク スズキ財団はスズキ株式会社が創立 60 周年の記念事業として基金を寄託し、1980 年 3 月に設立 したもので、2011 年 4 月 1 日、新しい公益法人制度に則り公益財団法人となりました。 研究助成は本年で 42 回目となります。 ・財団名 公益財団法人スズキ財団 ・理事長 鈴木 修 (スズキ株式会社 相談役) ・所在地 東京都港区東新橋二丁目 2 番 8 号 ・TEL 03-3431-2255 ・FAX 03-3431-3558 ・助成総件数 1,924 件 ・累計助成総額 23 億 9,413 万円 ・資産総額 113 億 7,190 万円(令和 3 年 3 月末現在) ・目的 国民生活における利便の増進に資する機械等の生産及び利用、消費に係わる科学的研究の 助成その成果の普及を通じて、日本の機械工業の総合的な発展と国民福祉の増進に寄与する ことを目的としています。 |
●令和3年度科学技術研究助成(一般)(令和4年2月18日助成決定者)
No. | 研究課題 | 機関名 | 役職 | 研究期間(年) | 専門分野 | 研究分野 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 短時間で疲労特性を向上するためのキャビテーション加工法の開発 | 東京都立大学 | 助教 | 1 | 機械材料学,表面加工学,材料力学 | ①生産関連技術 | |
2 | 次世代精密アクチュエータによる高性能xyナノポジショナの開発 | 福井大学 | 准教授 | 1 | メカトロニクス,制御工学,精密工学,計測工学 | ③計測・制御・解析関連技術 | |
3 | マルチモーダルモビリティ情報基盤を活用した包括安全制御の研究 | 東京大学 | 講師 | 1 | 知能化モビリティ | ③計測・制御・解析関連技術 | |
4 | フッ化物系リチウムイオン伝導体の探索と超高電圧全固体電池の作製 | 九州大学 | 助教 | 2 | 固体電気化学 | ④材料関連技術 | |
5 | 特殊形状電極を用いた抵抗スポット溶接によるFe-Al異材接合法の開発 | 大阪工業大学 | 准教授 | 1 | 接合工学 | ①生産関連技術 | |
6 | 再生医療とロボットリハビリテーションに関する研究 | 秋田大学 | 教授 | 1 | 医用生体工学 | ⑦ロボット関連技術 | |
7 | メタ表面を利用した革新的シリコン系赤外イメージセンサの基礎研究開発 | 茨城大学 | 教授 | 1 | 電気電子材料工学,半導体工学 | ⑤電気・電子・情報関連技術 | |
8 | マイクロ超音波モータの自律動作のためのシリコン/窒化物半導体集積回路 | 豊橋技術科学大学 | 教授 | 1 | 半導体デバイス,半導体プロセス技術 | ⑤電気・電子・情報関連技術 | |
9 | ヒートチェックに優れたダイカスト金型の開発 | 岡山大学 | 教授 | 2 | 機械材料,鋳造,圧延 | ④材料関連技術 | |
10 | 究極の軽量車体骨格の開発 | 東海大学 | 特任講師 | 1 | 弾塑性力学,構造設計,塑性加工学 | ②環境・資源エネルギー関連技術 | |
11 | 次世代パワーデバイス向け高耐熱性実装のための金属ナノ粒子焼結接合材の研究 | 早稲田大学 | 助手 | 1 | 半導体実装,表面分析 | ④材料関連技術 | |
12 | 自動車二次資源からのレアメタルの高効率リサイクルプロセスの開発 | 九州大学 | 教授 | 1 | 分離工学 | ⑧自動車のリサイクル高度化に関する分野 | |
13 | ばね鋼の超高サイクルねじり疲労き裂の発生挙動とその発生機序の解明 | 静岡大学 | 教授 | 1 | 材料強度学,材料力学,複合材料工学 | ④材料関連技術 | |
14 | 有機電子デバイスを構成する有機膜中の分子配向同定技術の確立 | 金沢大学 | 教授 | 1 | 太陽電池,分子配向 | ②環境・資源エネルギー関連技術 | |
15 | 超高感度磁気センサ用いた位相検波方式微小鉄粉検査装置の開発 | 豊橋技術科学大学 | 教授 | 1 | 電子計測,超伝導エレクトロニクス | ⑤電気・電子・情報関連技術 | |
16 | 小型自動車の車両軽量化推進に貢献する金属と樹脂の異材接合技術の開発 | 大阪産業技術研究所 | 主任研究員 | 2 | 材料工学(金属物性,構造・機能材料,材料加工・処理) | ②環境・資源エネルギー関連技術 | |
17 | 超低圧半溶融成形法による異方性鋳造ネオジム磁石の作製 | 産業技術総合研究所 | 研究チーム長 | 1 | 鋳造,凝固プロセス,機能性材料 | ④材料関連技術 | |
18 | 微細拡張流路内低キャピラリー数領域におけるスラグ流の薄液膜蒸発特性に関する研究 | 福井大学 | 准教授 | 1 | 熱工学 | ③計測・制御・解析関連技術 | |
19 | eVTOL(電動垂直離着陸機)用可変ピッチ・プロペラ機構の研究開発~ 空飛ぶクルマ高効率飛行のための基盤技術の研究開発 ~ | 静岡理工科大学 | 教授 | 1 | 機素・潤滑,自動車工学,医工連携分野,制御システム | ③計測・制御・解析関連技術 | |
20 | ペルチェ効果を利用した熱電変換材料性能評価の国際標準化 | 埼玉大学 | 准教授 | 1 | 熱電気物性,ナノ加工 | ⑤電気・電子・情報関連技術 | |
21 | 繰り返し放電誘起流動を活用した燃料希薄環境下における点火促進 | 京都大学 | 准教授 | 2 | 燃焼工学 | ②環境・資源エネルギー関連技術 | |
22 | 希少金属の有効利用を志向した貴金属ナノ粒子の自発的複合化現象の解明と応用 | 静岡大学 | 教授 | 1 | 物理化学,ナノ材料科学,光化学 | ②環境・資源エネルギー関連技術 | |
23 | ユーザの興味と施設の評判に基づく訪問地推薦システムの開発 | 山梨大学 | 教授 | 1 | 人工知能・自然言語処理 | ⑤電気・電子・情報関連技術 | |
24 | 自動車運転時の音声言語情報による煩わしくない注意喚起の研究 | 東京都立産業技術高等専門学校 | 准教授 | 1 | ヒューマンインタフェース,人間工学 | ⑥人間工学・医療関連技術 | |
25 | 軽度認知機能低下群の運転可否判断と、小形電動車(セニアカー)利用者の移動に関する、車両挙動解析に基づく連続的モビリティ支援開発 | 福岡国際医療福祉大学 | 教授 | 2 | 運転リハビリテーション,認知神経心理学,老年医学,認知症学 | ⑥人間工学・医療関連技術 | |
26 | グリーン水素社会のための水電解陽極用の非貴金属酸化物系触媒の開発 | 横浜国立大学 | 准教授 | 1 | 電気化学 | ②環境・資源エネルギー関連技術 | |
27 | レーザーアブレーションを用いたCoCrFeMnNiハイエントロピー合金コーティング技術の確立 | 金沢大学 | 准教授 | 1 | 金属材料物性 | ④材料関連技術 | |
28 | 光弾性法と機械学習が拓く血液と血管壁の応力相互作用モデルの構築 | 東京農工大学 | 特任助教 | 1 | 流体力学(混相流,マイクロ流体,レオロジーなど)/光学 | ③計測・制御・解析関連技術 | |
29 | 強力磁石の創成を目指した新規な磁気イメージング技術の開発 | 九州大学 | 教授 | 1 | 材料科学,電子顕微鏡学 | ④材料関連技術 | |
30 | 新しい波動ブラックホールを用いた軽量高制振構造の研究 | 群馬大学 | 教授 | 1 | 機械力学,計算工学 | ③計測・制御・解析関連技術 | |
31 | 低温熱源の排熱回収に用いるフラッシュ蒸気機関の開発 | 北九州市立大学 | 教授 | 2 | 内燃機関,燃焼工学,熱工学 | ②環境・資源エネルギー関連技術 |
●令和3年度科学技術研究助成(若手)(令和4年2月18日助成決定者)
No. | 研究課題 | 機関名 | 役職 | 研究期間(年) | 専門分野 | 研究分野 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 直鎖アルカン冷炎の可燃特性の解明に関する研究 | 東京大学 | 助教 | 1 | 燃焼工学,熱流体工学 | ②環境・資源エネルギー関連技術 | |
2 | 組み込み制御機器を活用した柄杓型注湯評価装置の開発 | 東京都立産業技術高等専門学校 | 助教 | 1 | 制御工学,機械力学,鋳造プロセス工学 | ①生産関連技術 | |
3 | 超高空間分解能計測による強制乱流中の高シュミット数物質混合特性の解明 | 名古屋大学 | 助教 | 1 | 流体工学 | ②環境・資源エネルギー関連技術 | |
4 | 走行中ワイヤレス給電システムの大容量化に向けた新回路方式の開発 | 東京理科大学 | 助教 | 1 | パワーエレクトロニクス | ⑤電気・電子・情報関連技術 | |
5 | 人間の足裏への路面反力・路面形状再現システムの開発 | 早稲田大学 | 次席研究員 | 1 | 機械工学・ロボット工学・人間工学 | ⑦ロボット関連技術 | |
6 | 人体に無害な氷スラリー液滴衝突を用いた急冷技術の開発 | 弘前大学 | 准教授 | 1 | 熱流体工学,伝熱工学,生体熱工学 | ⑥人間工学・医療関連技術 | |
7 | ACCとLCSの機能を兼備した高度運転支援の下で一時停止交差点における運転者の減速・停止を支援するヒューマンインタフェースの開発 | 筑波大学 | 助教 | 1 | ヒューマンマシンシステム,ヒューマンファクター | ⑥人間工学・医療関連技術 | |
8 | 高齢者の在宅運動実践を支援するリアルタイム姿勢評価システムの開発 | 流通経済大学 | 助教 | 1 | スポーツ神経科学,運動生理・生化学,測定評価学 | ③計測・制御・解析関連技術 | |
9 | 低温メタノール合成を志向した新規メタノール合成触媒の開発 | 茨城大学 | 助教 | 1 | 触媒化学,反応工学,材料化学 | ②環境・資源エネルギー関連技術 | |
10 | 核沸騰現象の解明に向けた加熱液中原子間力顕微鏡の開発 | 九州大学 | 助教 | 1 | 熱物理工学 | ③計測・制御・解析関連技術 | |
11 | 直観的理解を促す自動車室内視聴覚ディスプレイ配置のためのデザイン指針構築 | 福岡大学 | 助手 | 1 | 環境音響学・心理音響学 | ⑥人間工学・医療関連技術 | |
12 | カーボンニュートラル材料を用いた繊維強化樹脂部品の3Dプリンティング | 東京工業大学 | 助教 | 1 | 塑性加工 | ②環境・資源エネルギー関連技術 | |
13 | ポイントオブケアに向けた光熱駆動型マイクロポンプの開発 | 山口大学 | 助教 | 1 | マイクロ・ナノ加工 | ⑥人間工学・医療関連技術 | |
14 | 自動車樹脂構造のオイラー型超並列構造解析 | 名古屋大学 | 講師 | 1 | 計算力学(動的構造解析,構造流体連成解析,スーパーコンピューティング) | ④材料関連技術 | |
15 | 多様な把持形態実現のための少駆動源多自由度ソフトロボットハンドの開発 | 金沢大学 | 助教 | 1 | ロボティクス | ⑦ロボット関連技術 | |
16 | 軟鋼板の円板圧縮挙動に及ぼす応力緩和現象の影響 | 岐阜大学 | 助教 | 1 | 塑性加工,塑性力学 | ①生産関連技術 | |
17 | 永久磁石形モータにおける3次高調波電流制御による円環0次モードの振動低減 | 東京工業大学 | 助教 | 1 | 電動機(特に永久磁石形モータ),磁気浮上式ベアリングレスモータ | ⑤電気・電子・情報関連技術 | |
18 | 製造業の省エネルギー化に向けたパラレルワイヤ駆動ロボットの開発 | 近畿大学 | 講師 | 1 | ロボット工学 | ⑦ロボット関連技術 | |
19 | ロボットの直交座標系操作における知的制御 | 東京工業大学 | 講師 | 1 | 知能機械システム,ヒューマンインタフェース | ⑦ロボット関連技術 | |
20 | 人と協働するロボットの周期精密かつ非周期柔軟な関節空間制御 | 広島大学 | 助教 | 1 | モーションコントロール,制御工学,メカトロニクス,ロボティクス | ⑦ロボット関連技術 | |
21 | 機械学習を用いた弾性波動のプログラマブルな振動制御の探求 | 宇宙航空研究開発機構 | 宇宙航空プロジェクト研究員 | 1 | 構造力学,機械的メタマテリアル,非線形波動 | ④材料関連技術 | |
22 | 高性能低価格測距システムに向けた直接変調型狭線幅波長可変レーザの研究 | 東北大学 | 助教 | 1 | 光エレクトロニクス | ⑤電気・電子・情報関連技術 |
●課題提案型研究助成(令和3年6月10日に決定済み)
No. | 研究課題 | 機関名 | 役職 | 研究期間(年) | 専門分野 | 研究分野 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 中低温での二酸化炭素還元触媒の開発 | 千葉大学 | 准教授 | 2 | ナノテク・材料,ナノ構造化学 | CO2の還元と回収 | |
2 | リチウム金属を負極とするバルク型酸化物系全固体電池の創製 | 長崎大学 | 准教授 | 2 | 電気化学,無機個体化学,個体イオニクス材料 | 電動化技術(電池・モータ・FC等) | |
3 | 精密構造化貴金属タングステートによる廃棄物系バイオマス燃料電池電極触媒への展開 | 静岡大学 | 准教授 | 2 | 機能物質科学,無機化学,ナノ材料化学 | 電動化技術(電池・モータ・FC等) | |
4 | ライフサイクルアセスメントを考慮した運輸部門シミュレーションモデルとシナリオの開発 | 東京工業大学 | 准教授 | 2 | 地球・資源システム工学,環境影響評価・環境政策 | 環境 |
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