全固体電池向け固体電解質「A-SOLiD ®」の量産試験用設備からの供給開始【三井金属鉱業】

2021年11月11日

全固体電池向け固体電解質「A-SOLiD ®」の量産試験用設備からの供給開始
～量産試験用設備での検証を完了し順次生産能力拡充～

　当社（社長：納武士）は、量産試験用設備で製造した全固体電池向け固体電解質「A-SOLiD ®」のサンプル供給を開始致しましたのでお知らせいたします。
　
　全固体リチウムイオン電池は、高エネルギー密度化、高入出力特性、高耐環境性などの特徴を有し、特殊環境下における用途や新しい蓄電用途および電気自動車（EV）用途において精力的に開発が進められており、一部は実用化段階を迎えています。
　当社が開発した固体電解質は、有機電解液と同等水準の高いリチウムイオン伝導性を有し、電気化学的にも安定な「アルジロダイト型硫化物固体電解質」であることを特徴としています。現在、協働しているマクセル株式会社などへのサンプル供給に加え、EV 用途向けのご要望も増加し評価も順調に進んでおり、当社の固体電解質を利用したお客様の開発が活発に進んでおります。
　
　2019 年 12 月 5 日付「全固体電池向け固体電解質の量産試験用設備の導入決定」にてお伝えいたしました量産試験用設備にて本格量産を見据えた検証を進めてまいりました。今般量産試験用設備での検証を完了し、固体電解質のサンプル供給を開始致しました。量産試験用設備にて、増加するお客様からの需要に対応するとともに、本格量産に向けて更なる検証を進めてまいります。今後は EV 用途をはじめ、全固体電池ならではの新しい用途をお客様や市場のパートナーの皆様と共に創造してまいります。
　
　なお、当社が開発いたしました「アルジロダイト型硫化物固体電解質」は「A-SOLiD ®」として商標登録いたしました。本ブランドのもと全固体電池の普及に貢献していきます。当社は、「マテリアルの知恵を活かす」というスローガンのもと、より安全で高エネルギー密度が期待される分野での商品化を目指すとともに、高性能な全固体電池の実現によって、サステナブル（持続可能）な社会作りに貢献します。

以上

【量産試験棟の概要】
所在地：事業創造本部総合研究所敷地内（埼玉県上尾市原市 1333-2）

【お問い合わせ先】
三井金属経営企画本部コーポレートコミュニケ―ション部
TEL：03-5437-8028　E メール：PR@mitsui-kinzoku.com

（ご参考）

アルジロダイト型硫化物固体電解質（A-SOLiD ®）写真