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SUPER GT 2021年 第8戦 富士 GT 300km RACE 関口/坪井組GR SUPRAが大逆転チャンピオン!【トヨタ自動車】

2021年11月28日

  

SUPER GT 2021年 第8戦 富士 GT 300km RACE
関口/坪井組GR SUPRAが大逆転チャンピオン!
GR SUPRAが「ホーム」富士でトップ5独占
GT300クラスでも吉本/河野組GR SUPRAが優勝

  

 富士スピードウェイでSUPER GTの今季最終戦が行われ、関口 雄飛/坪井 翔組 au TOM’S GR Supra 36号車が今季初優勝。GR SUPRAがトップ5を独占する速さを見せ、関口/坪井組36号車は16点差を跳ね返しての大逆転シリーズチャンピオンを獲得しました。GT300クラスでも吉本 大樹/河野 駿佑組 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT 60号車が勝利を飾り、2021年シーズンをGR SUPRA両クラス制覇という有終の美で締めくくりました。

  


  

 SUPER GT第8戦「FUJIMAKI GROUP FUJI GT 300km RACE」が11月27日(土)、28日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。
 全8戦で争われる2021年シーズンのSUPER GTも最終戦を迎えました。今季のGR SUPRA勢は、開幕戦でトップ4を占めるなどシーズン序盤戦は速さを見せたものの、その後はサクセスウェイトの重さに苦しむ展開が続きました。
 この最終戦ではポール・トゥ・ウィンで最大21ポイント獲得が可能なため、チャンピオン獲得の可能性を残すのは、首位と16ポイント差の5位につける関口/坪井組 36号車と、同20ポイント差の大嶋 和也/山下 健太組 ENEOS X PRIME GR Supra 14号車。どちらもややポイント差が大きく、厳しい戦いとなりますが、サクセスウェイトが全車ゼロとなりイコールコンディションで争われるこの最終戦。「ホーム」富士で今季の締めくくりを好結果で終えるべく、GR SUPRA勢全チームが気合いを込めて臨みました。
 今大会も新型コロナウイルス感染拡大防止策を十分に配慮した上で、有観客で開催されました。イベント広場には「TGRブース」が開設され、レゴ®ブロックで再現されたレゴ®トヨタGRスープラ実物大レプリカ、実車のGR SUPRAに加え、先日発表された新型BEV「bZ4X」も展示され、集まったモータースポーツファンの皆様の注目を集めていました。

  


  

予選
 27日(土)は好天に恵まれたものの、11月末の寒さの中でノックアウト方式の予選が行われました。午後2時半、気温は10度、路面温度12度というコンディション。
 Q1ではセッション開始と同時に先陣を切ってコースインしたDENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車の中山雄一がこれまでのコースレコードを破るタイムで2番手につけると、ZENT CERUMO GR Supra 38号車の石浦宏明がこれをかわし2番手に。逆転タイトルを目指す36号車は関口のアタックで5番手、14号車は大嶋が7番手。
 KeePer TOM’S GR Supra 37号車のサッシャ・フェネストラズは8番手に入り、GR SUPRA勢は5台がQ2進出。WedsSport ADVAN GR Supra 19号車は国本雄資の健闘叶わず11番手となりました。
 Q2では各車さらにタイムアップしての激しい争いとなりました。37号車を駆る平川が1分25秒台に入れ、その時点での2番手につけ、さらにタイムアップを目指しましたが最終ラップでの更新はならず。
 一方で、最後までアタックを遅らせた山下の14号車が、最後の最後に山下自身が昨年記録していたコースレコードを大きく上回るトップタイムをマーク。ポールポジションによる1ポイントを獲得し、逆転タイトルへの可能性を残して決勝に臨むこととなりました。
 Q2は僅差の争いとなり、37号車が3番手、坪井の36号車が4番手、ヘイキ・コバライネンの39号車が5番手、立川祐路の38号車が7番手。ここまでのトップ7台が約コンマ5秒差で、全車従来のコースレコードを更新するという激戦の予選となりました。

 GT300クラスは、Q1は2グループに分けて実施。A組では埼玉トヨペットGB GR Supra GT 52号車が吉田広樹のアタックでトップ通過を果たしました。
 B組は混戦となりました。セッション終盤に激しく順位が入れ替わる展開の中、第2戦の富士大会で優勝を飾っている60号車が河野のアタックで2番手。逆転タイトルの可能性を残すたかのこの湯 GR Supra GT 244号車は三宅淳詞が4番手につけてQ2進出。早い段階で好タイムをマークしていた織戸学のTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 30号車が5番手、ジュリアーノ・アレジのarto RC F GT3 35号車が6番手で前戦に続きQ2進出。
 一方でK-tunes RC F GT3 96号車は阪口晴南の健闘及ばず10番手、第6戦オートポリスで初優勝を飾ったTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 31号車も11番手でQ1敗退となりました。 Q2では川合孝汰の52号車が好走を見せ暫定トップに立ちますが、ラストアタックでライバルにかわされ、それでも最前列2番手グリッドを獲得。吉本の60号車が3番手、堤優威の244号車は9番手、35号車が10番手、30号車が16番手から決勝レースに臨むこととなりました。

  


  

決勝
 28日(日)も雲一つ無い快晴に恵まれました。決勝前には、エアレースパイロットの室屋義秀氏によるフライトパフォーマンス、『”Challenge for the future” Yoshi MUROYA × LEXUS Special Flight@ FUJI SPEEDWAY』が実施。このデモフライト時のメインストレート上では、先日世界耐久選手権(WEC)勇退を発表した中嶋一貴がLC500コンバーチブルで先導走行を務める中、スーパー耐久に参戦している水素エンジン搭載の「ORC ROOKIE Corolla H2 concept」、NSX(HEV)、EVレーシングカーの「NISSAN LEAF NISMO RC」によるデモ走行が実施され、集まったモータースポーツファンの皆様を沸かせました。

 そして午後1時、気温13度、路面温度22度のコンディションの下66周で争われる決勝レースのスタートが切られました。
 ポールポジションの14号車は大嶋のドライブで順調なスタートを切り首位をキープ。その後方では、逆転タイトルには優勝しかない36号車の関口が、2列目4番手からチームメイトの37号車をかわし3位へと順位を上げると、その勢いのままに前を行くライバルもかわし2位へ。翌周にはフェネストラズの37号車もライバルをかわし、2周目にして早くもGR SUPRAが1-2-3体制となりました。
 3周目には11番手スタートから9位へと順位を上げていた国本の19号車が、他車の接触に巻き込まれスピン。順位を落とすと共に、車両にもダメージを負ってしまいました。
 36号車同様に逆転タイトルへ向け優勝しかない14号車大嶋は、序盤からハイペースで周回を重ね、6周目を終えたところで2位との差は4秒まで広げました。
 しかし、7周目にGT300クラスの車両が接触でコース脇にストップ。この車両回収のためにセーフティカーが導入され、14号車が築いたマージンは帳消しとなってしまいました。
 13周目にセーフティカーが退去し再スタートが切られると、トップ3のGR SUPRAは団子になったままTGRコーナー(1コーナー)へと進入。このバトルを制した36号車が首位を奪取、続くヘアピンでは37号車も14号車をかわし、36号車、37号車、14号車へと順位が入れ替わりました。
 今度は代わって首位に立った36号車の関口がハイペースで逃げる展開となり、後続との差を広げていくこととなりました。3位の14号車は、タイトルを争うライバルから何度も激しい追撃を受けるも、ストレートスピードで勝るGR SUPRAの速さを活かして防戦。
 規定となるレース距離の3分の1を過ぎると、各車がドライバー交代、タイヤ交換と給油のために次々にピットへ。25周を終えたところでピットインした36号車は、ピットを終えたグループでのトップを守ってコースへ復帰。タイヤが暖まっていないアウトラップでは、先にピットインしていたライバルの猛追を受けましたが、ポジションを守りました。
 一方、先にピットインし、ライバル2台の先行を許した14号車は、交代した山下が猛烈な追い上げを見せ、前を行くライバルの2台をパス。
 全車がピットを終えた時点で、再び36号車が首位、37号車が2位、14号車が3位とGR SUPRAの1-2-3体制に。その後では、立川から石浦へと交代した38号車が5位、コバライネンから中山雄一へと交代した39号車が8位で追い上げる形でレースは後半戦に入りました。
 51周目、4位を走行していたランキング首位のNSX-GT 1号車が、TGRコーナー進入でGT300クラスの車両と接触し、ピットイン。これで1号車が上位争いから脱落したことで、36号車のタイトル争いのターゲットは、11ポイント差で追うNSX-GTの8号車となりました。
 36号車が優勝した場合、8号車が4位以下であれば逆転タイトル獲得となる条件下で、GR SUPRA勢は着実に上位を走行。トップの3台に加え、38号車も8号車をかわして4位に浮上しており、また、62周目には39号車の中山雄一も8号車をかわし、スープラがトップ5を占めることとなりました。
 レースは終盤になると、タイヤのバーストに見舞われる車両が続出し、上位を占めるGR SUPRA勢も慎重なドライビングを要求されることとなりましたが、首位を行く36号車の坪井は、後続とのマージンを保ちながらも着実に周回を重ね、トップを守りきってチェッカー。坪井にとってはGT500クラス初勝利となりました。
 37号車が2位、14号車が3位、39号車が4位、38号車が5位で続き、GR SUPRAは「ホーム」富士での今季最終戦を、トップ5独占という最高の結果で締め括り、そして優勝した36号車の関口と坪井が、念願のドライバーズチャンピオンを獲得。参戦2年目のGR SUPRAにチャンピオンをもたらすとともに、36号車のTGR TEAM au TOM’Sもチームタイトルを獲得しました。

 GT300クラスでは、2番手、3番手からスタートを切った川合の52号車と河野の60号車がGR SUPRA同士で序盤から激しい2位争いを展開。後方では、9番手からスタートしたアレジの35号車がトップ10圏内での好走を見せていましたが、35号車は15周目に他者に接触されてスピン。大きく順位を落とすこととなってしまいました。
 今大会、全車にタイヤ4本交換が義務づけられたものの、GT300クラスではピットタイミングで各チームが様々な作戦を採る中、終盤全車がピットを終えた時点で、52号車が首位、60号車は2位とGR SUPRAが1-2体制となりました。しかし、首位を行く52号車は51周目の最終コーナーで突然左リアタイヤがバーストし、スピンからコースアウト。辛うじて接触無く自力でピットへと戻りましたが、大きく順位を落とすこととなってしまいました。
 52号車の後退により首位に浮上した60号車がそのままポジションを守り切ってトップチェッカー。60号車は第2戦に続き今季2勝目を挙げました。244号車が7位でフィニッシュ。52号車は9位でポイント獲得を果たしました。


「ホーム」富士でGR SUPRA勢が表彰台を独占

今季初勝利を挙げ、大逆転でシリーズチャンピオンを獲得した関口 雄飛/坪井 翔組 au TOM’S GR Supra 36号車

2位フィニッシュを果たした平川 亮/サッシャ・フェネストラズ組 KeePer TOM’S GR Supra 37号車

3位表彰台を獲得した大嶋 和也/山下 健太組 ENEOS X PRIME GR Supra 14号車

今季2勝目を挙げた吉本 大樹/河野 駿佑組 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT 60号車

イベント広場にはTGRブースが開設され、先日発表された新型BEV「bZ4X」も展示

  


  

au TOM’S GR Supra 36号車 ドライバー 関口雄飛:
 チャンピオン争いの権利は残っていたものの、条件としては厳しい状況だったので、チャンピオンを意識するというよりは、今年できていない、絶対に1勝をと思って最終戦に臨みました。もう停まりきれなくても良いから抜くくらいの強い気持ちで攻めて、1位で戻ってくることができました。後半は坪井選手が、かなり長いスティントで辛かったと思いますが、しっかりタイヤマネージメントしてミス無く、ずっと1秒2秒という差の中で耐えてくれて、感謝しています。今シーズンは、基本的に僕たちはミスなく素晴らしいシーズンを送れていると思っていました。今まで自分はポカすることもあったんですけど、今年は本当に完成度が高く、ノーミスで、しかも高い次元で走れていて、そこは胸を張っていいかなと思っていました。ただ優勝ができてなかったので、最後は何が何でも1勝したいという気持ちだったので、それが達成できて良かったです。やっとチャンピオンを取れましたが、自分はここに来るまでに色々遠回りをしてきたドライバーなので、それだけに本当に多くの人に支えていただき、いろんな方のおかげでここまで来られました。その中の誰か1人でも欠けていたらここに自分はいないだろうと思いますし、皆さんに本当に感謝すると共に、ようやくしっかり結果で返すことができて自分としてもとても嬉しいです。とはいえ、SUPER GTでチャンピオンを取ってそこで終わりではなく、目標は高く持って、2連覇3連覇を目指し、さらに良いドライバーになって、誰もが日本最速は関口だねと思われるように、今後も努力していきたいと思います。

  


  

au TOM’S GR Supra 36号車 ドライバー 坪井翔:
 第2戦で勝てなかった悔しさをずっとためてきたので、この富士で絶対優勝して取り返してやるという気持ちで臨んだ一戦でした。スタートから関口選手が魂のこもった熱い走りで、トップで僕にバトンを繋いでくれたので、これはこの位置を絶対守り切らないといけないなと思いましたし、守れる自信もありました。途中14号車に詰められるシーンもありましたが、自分をうまく冷静にコントロールして、タイヤをマネージメントしながら最後までプッシュし、優勝できて良かったです。まさかチャンピオンが取れるとは思っていなかったので、まだ実感はなく、本当に取ったんだろうかという感じで若干ふわふわしています。僕自身そもそもGT500で勝つのは今回が初めてですし、今回は勝つことが目標だったので、初優勝と共にまさかシリーズチャンピオンがついてくるとは思っていなかったという驚きはありますが、本当に嬉しいです。今シーズンは開幕戦で、優勝目前でバトルに競り負けて2位に終わってしまったところから始まり、2戦目で勝てるかと思ったら目前で勝てず、と正直すごい悔しい思いをしてきました。昨日の予選も14号車にポールを取られてしまったりとか、思うことはすごいたくさんあったんですが。その中でもミスなく、重い状態の時にしっかりポイントを重ねられて、最終戦に権利を残してこれたのはすごい大きかったです。最終戦で勝つことができて、チャンピオン獲得することができて、最後の最後に笑って終えることができて本当に嬉しいですし、今年頑張ってきたことが結果で報われたので本当に良かったです。

  


  

TGR TEAM au TOM’S チーム監督 伊藤大輔:
 限りなくチャンピオンの可能性が低く、本当に首の皮一枚残った状態でのレースだったので、とにかくチームとしては勝つことしか考えずに臨みました。本当に素晴らしい2人の走りのおかげでチャンピオンを取れたんだと思います。最後まで諦めず、チーム一丸となって挑んだことが形になって嬉しいです。今日のレースでは、関口選手のスタート直後のオーバーテイクや、リスタート後も彼らしいすごく力強い走りを見せてくれて、そのバトンを受け継いだ坪井選手も本当にクレバーな走りをしてくれました。結果的にいろんなことがあったレースですけども、諦めずにきちんと頑張った結果がちゃんとついてきたんだと思います。今季、2戦目で停まったこと以外はほぼ我々の中ではミスがなかったシーズンだったと思っていますが、優勝ができてなかったし、チャンピオンからも遠い位置にいたという状況の中、最終戦で優勝してチャンピオンを取ることができて本当に良かったです。毎戦毎戦細かい課題があったんですがそれをチーム、トヨタ、TCDとみんなが力を合わせて対策してくれました。その一致団結するということが結果に繋がったんだなと思います。

  


  

  

  

  

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