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EMC対策製品: 車載用小型コモンモードフィルタの開発と量産【TDK】

2021年9月7日

  

EMC対策製品: 車載用小型コモンモードフィルタの開発と量産

  

・使用温度上限125℃
・導電性樹脂電極構造により高耐久性を実現

TDK株式会社(社長:石黒 成直)は、車載用コモンモードフィルタKCZ1210AHシリーズ開発し2021年9月より量産することを発表します。本製品は、車載向け差動伝送信号ライン用のノイズ対策製品です。

先進運転支援システム(ADAS)の普及により、フロントセンシングカメラ、アラウンドビューモニタ用等の車載カメラの需要が急速に増加しています。これらの信号ラインにノイズ対策製品としてコモンモードフィルタが使用されます。しかしながら、従来の積層タイプのコモンモードフィルタの使用温度範囲は、-40 ~ +105℃であるため、ADAS用のカメラには使用できず、主にカーアクセサリーへの対応のみ使用可能でした。本製品はTDK独自の材料技術と構造設計により、市場ニーズに沿った-55 ~ +125℃の使用温度範囲を実現しました。また、導電性樹脂電極を採用することで熱衝撃による製品クラックの抑制し、基板の歪み等の機械的ストレスに対する耐性を向上させています。本製品は小型サイズ L:1.25 × W:1.0 × H:0.5(mm)であり、基板実装の省スペース化に貢献します。

TDKでは、ADAS用のインダクティブデバイスの製品強化をはかっており、今後もさらなる高速差動信号に対応した小型コモンモードフィルタのラインアップを拡充し、市場ニーズに対応して参ります。

主な用途
・高速インターフェイス(USB2.0,LVDS等)
・先進運転支援システム(ADAS)

主な特長と利点
・使用温度上限125℃で使用可能
・導電性樹脂電極の採用により機械的、熱的ストレスを軽減

主な特性
製品名 コモンモード
インピーダンス
[Ω] @100MHz
直流抵抗
(1ライン)
[Ω] max.
定格電流
[mA] max.
定格電圧
[V] max.
KCZ1210AH900HR 90±25% 1.75 100 5

生産・販売計画
・サンプル価格 : 30円/個(税抜)
・生産拠点 : 日本
・生産予定 : 1,000万個/月(当初)
・生産開始 : 2021年9月

  

TDK株式会社について
TDK株式会社(本社:東京)は、スマート社会における電子デバイスソリューションのリーディングカンパニーを目指しています。 独自の磁性素材技術をそのDNAとし、最先端の技術革新で未来を引き寄せ(Attracting Tomorrow)、社会の変革に貢献してまいります。
当社は各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立されました。主力製品は、積層セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、インダクタ、フェライトコア、高周波部品、ピエゾおよび保護部品等の各種受動部品をはじめ、温度、圧力、磁気、MEMSセンサなどのセンサおよびセンサシステムがあります。さらに、磁気ヘッドや電源、二次電池などです。これらの製品ブランドとしては、TDK、EPCOS、InvenSense、Micronas、Tronics、TDK-Lambdaがあります。
アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、自動車、産業電子機器、コンシューマー製品、そして情報通信機器など幅広い分野においてビジネスを展開しています。2021年3月期の売上は約1兆4790億円で、従業員総数は全世界で約129,000人です。

製品の詳細情報は、
https://product.tdk.com/system/files/dam/doc/product/emc/emc/cmf_cmc/catalog/cmf_automotive_signal_kcz1210ah_ja.pdf
で参照できます。

  

  

  

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