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8チャネル入力で世界最高クラスの確度と柔軟性を備えたパワーアナライザPW8001およびAC/DCカレントセンサCT6872, CT6873を発表【日置電機】

2021年9月1日

  

機器の小型化・高効率化開発に最適、
8チャネル入力で世界最高クラスの確度と柔軟性を備えた
パワーアナライザPW8001およびAC/DCカレントセンサCT6872, CT6873を発表

  

HIOKI(日置電機株式会社:長野県上田市、代表取締役社長:岡澤尊宏)は、このたび「パワーアナライザPW8001 および AC/DCカレントセンサCT6872, CT6873」を発表します。いずれも2021年末に出荷開始を予定しています。

PW8001は、高確度、広帯域、高安定な測定が求められる電力測定器において、基本性能や高度な解析性能など、すべての領域において当社の技術とこだわりを尽くしたフラッグシップモデルとなります。最大8チャネルの高速電力解析を実現する「新世代デジタルプラットフォーム」や、電流センサーの性能を最大限に引き出す「新・電流センサーインターフェイス」を搭載し、計測性能を大幅に向上しました。

CT6872(電流定格50A)、CT6873(同200A)は、当社の従来電流センサーを基盤に、周波数帯域幅と耐ノイズ性能を飛躍的に向上させた貫通型電流センサーです。産業機器、データセンターおよびEV(電気自動車)分野で要望される、小型で高効率な電源の評価に最適です。SiC(シリコンカーバイド)やGaN(ガリウムナイトライド)*1で構成される次世代パワー半導体を搭載する高速スイッチング電源の評価において、その性能が十分に発揮されます。

当社の代表取締役社長である岡澤尊宏は、次のように述べています。 「私たちHIOKIが社会に存在する意義として、電気計測を通してお客様の安全で有効なエネルギー活用を促進し、社会の安心と発展に貢献することであると定めております。この度の、パワーアナライザPW8001 および AC/DCカレントセンサCT6872, CT6873による新たな計測ソリューションで、世界のお客様と共に持続可能な社会の実現に貢献していきます。」



パワーアナライザ PW8001


AC/DCカレントセンサ CT6872, CT6873

■開発の背景
地球温暖化を防ぎ、私たちの生きるかけがえのない「自然環境」を次世代へ引き継ぐため、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが世界中で行われています。その取り組みの一つに自動車の電動化があります。世界規模で電動化に関する開発が行われ、その性能向上のための研究が進められています。モーターや電源の効率化、小型化を目指して、素材や部品から制御に至るまで、計測に関する要求も高度化しています。計測器には、複雑、多チャネル化している測定対象において、DCから高周波、大電流、低力率をより正確に安定して測定する必要があります。
一方、エネルギー供給源に目を向ければ、風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギー関連の開発が世界的に加速しています。大きなエネルギーをより効率よく安価に提供するため、関連機器の開発では、高電圧化、低コスト化、生産性向上が加速しています。計測器には、高電圧、多チャネルを、高確度かつ低コストで測定することが求められます。
当社はこのような背景と測定ニーズの高まりに応えるため、PW8001、CT6872およびCT6873を開発しました。

■PW8001の特長
1.世界最高クラスの確度、広帯域電力測定と、高電圧測定を実現
PW8001は、2種類の入力ユニットU7005*2とU7001を用意しました。
U7005は、商用周波数の電力基本確度±0.03%、直流電力確度±0.05%を実現し、当社従来のフラッグシップモデル以上の正確さを提供します。さらに、測定周波数帯域を従来の2MHzから5MHzに広帯域化しました。これにより、高効率化、高周波化するパワーエレクトロニクス機器の電力、変換効率、および損失をより正確に測定でき、より一層の性能向上にお役立ていただけます。
一方U7001は、商用周波数の電力基本確度±0.07%、直流電力確度±0.07%を実現し、当社従来のフラッグシップモデルに迫る正確さを提供します。さらに、DC 1500V CATⅡの測定を可能としました。これにより、1500Vの直流高電圧を有する電源機器においても、安全で正確な評価を実現します。

2. 1台で8チャネルの電力を一括測定、最大16チャネルまで拡張
PW8001は、2種類の入力ユニットU7005*2とU7001を1台につき最大8チャネル(入力ユニット8枚)まで自由に組み合わせて、用途に応じた最適な測定システムを柔軟に構築できます。また、4つのトルクと4つの回転数を同時測定し、4 モーターを1 台で解析できる機能を用意しました。EVに搭載されるインホイールモーターや電動AWD など、複数のモーターで各車輪を制御する複雑なシステムの評価にたいへん有効です(オプション機能「モーター解析」、発注時指定)。
さらに、電力測定の大規模化や複雑化に応えるため、2台のPW8001を光ケーブルで接続して、最大16チャネルの連結測定を可能としました。2台連結により、測定データを1台のPW8001にリアルタイムで集約します。これにより16チャネル分の表示、解析、記録が一元管理できます(オプション機能「光リンクインターフェイス」*2、発注時指定)。



光リンクインターフェイス機能のイメージ

3. 新・電流センサーインターフェイスを搭載、手間なく正確な測定を実現
インバーターの電力測定や高周波リアクトル、トランスの損失測定では、正確に測定するために、電流センサーの位相誤差を補正して測定する方法が有効です。しかし、位相補正を都度適切に設定することは、測定準備の増加や設定ミスを引き起こします。PW8001は、対応する電流センサーを接続するだけで、適切な位相を自動補正する「新・電流センサーインターフェイス」を搭載しました。測定準備に手間をかけず、電流センサーの性能を最大限引き出します。



新・電流センサーインターフェイスのイメージ

4. CAN/CAN-FD信号出力で、CANネットワークに測定データを統合
自動車の開発場面では、車載通信CANまたはCAN-FDが広く利用されています。これまでCAN/CAN-FD信号と電力測定データを同時に収集する場合、CAN/CAN-FD信号とパワーアナライザのアナログ出力信号をデータロガーに統合していました。しかし、アナログ出力信号では再現性劣化や出力数の制限といった課題がありました。これらの課題を解決するため、PW8001は、電力測定データをCAN/CAN-FD信号として、CANバス上にリアルタイム出力する機能を用意しました。電力測定の確度劣化なくデータを統合し、総合的な評価を実現します(オプション機能「CAN/CAN-FDインターフェイス」*2、発注時指定)。

■CT6872, CT6873の特長
1. 次世代パワー半導体を搭載する電源評価で威力を発揮
CT6872, CT6873は、それぞれ10MHz、5MHz(当社従来比10倍)の周波数帯域を実現。さらに、振幅確度、CMRR(コモンモードノイズ除去比)の各性能を向上させました。各性能が飛躍的に向上したCT6872, CT6873を使用することにより、SiCやGaNといった次世代パワー半導体を搭載した高速スイッチング電源においても、正確で再現性の高い電源評価を実現します。

■主な用途/顧客
・製品開発や生産工程における、電力変換効率評価や損失評価試験
・EV、FCV(燃料電池自動車)などの自動車メーカー、および関連の充電器メーカー
・風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギー関連の機器メーカー

■価格
近日に公開を予定。

■発表製品に関する特設サイト
 (和文) https://lpcreator.hioki.co.jp/pw8001_top_jp/
 (英文) https://lpcreator.hioki.co.jp/pw8001_top_en/

*1 SiCやGaNは、低損失、高耐圧で高温動作に適した新しいパワー半導体です。周辺の受動部品や冷却装置を小型化にできるため、高性能電源機器への採用が広がっています。
*2 2022年に発売を予定。

  


  

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