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日本初のLPG燃料推進LPG運搬船 「CRYSTAL ASTERIA」の命名式を開催【川崎重工業】
2021年7月28日
日本初のLPG燃料推進LPG運搬船 「CRYSTAL ASTERIA」の命名式を開催
川崎重工は、KUMIAI NAVIGATION (PTE) LTD(クミアイ ナビゲーション プライベート リミテッド)向けに建造中のLPG(液化石油ガス)燃料推進LPG運搬船「CRYSTAL ASTERIA」(当社第1748番船)の命名式を坂出工場で行いました。
命名式では、アストモスエネルギー株式会社 矢木代表取締役副社長により「CRYSTAL ASTERIA」と命名され、ご令室の義子様により支綱切断が行われました。
命名式の様子 |
国際海事機関(IMO)による各種排気ガス規制強化が進む中、LPG燃料は重油に代わるクリーンな燃料として注目されており、特にLPG運搬船マーケットではLPG燃料化が加速しています。本船は、LPGと低硫黄燃料油を燃料とすることができる日本初のLPG二元燃料LPG運搬船で、2021年内の引き渡しを予定しています。
主機関は、当社製の舶用電子制御式液化石油ガスインジェクションディーゼル機関(ME-LGIPエンジン)「川崎-MAN B&W 7S60ME-C10.5-LGIP」を採用しています。
LPGを燃料とすることで、重油使用時に比べて排気ガス中の二酸化炭素や硫黄酸化物などの排出量を削減でき、SOx(硫黄酸化物)規制※1および2022年以降の建造契約船より要求されるEEDIフェーズ3※2にも適応します。
船舶の排出ガス規制への有力な対応策として、重油の代わりに液化ガスを燃料とする船舶の導⼊が世界的に進んでいます。本船は、当社グループがこれまで建造してきたLPG運搬船をはじめ、液化天然ガス(LNG)運搬船やLNG燃料推進船の建造で培った知見が活用されています。
当社は今後とも、LPG燃料推進LPG運搬船をはじめとした環境規制に対応した各種商船や、次世代エネルギーとして注目されている液化水素運搬船など、地球環境にやさしい船舶技術を開発・提供し、低炭素・脱炭素社会の実現に貢献していきます。
本船の概要は次のとおりです。
LPG貨物タンク容量 : 84,229 m3
全長 : 229.90 m
幅 : 37.20 m
深さ : 21.90 m
主機関 : 川崎-MAN B&W 7S60ME-C10.5-LGIP
※1 SOx排出規制:
2015年1月から欧米の排出規制海域(ECA)において、燃料中硫黄分0.1%以下のSOx排出量規制が
実施されています。また、2020年1月からは、その他の世界の全海域を航行する船舶に対し、
燃料中の硫黄分が0.5%以下の燃料を使用するか、排ガス中からのSOxを同等に低減する代替装置を
使用することが義務付けられています。
※2 EEDI(Energy Efficiency Design Index)規制:
1トンの貨物を1マイル運ぶ際に排出されるCO2のグラム数として定義されるエネルギー効率設計
指標(EEDI)を用いて新造船の省エネ性能の規制値への適合を強制する国際規制。EEDI規制値は
建造契約日と引渡日に応じて段階的に強化されます。大型LPG運搬船やLNG(液化天然ガス)
運搬船など一部の船種では、2022年以降の建造契約船からフェーズ3(基準値から30%の
CO2削減)が要求されています。
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