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ドライビングシミュレータ用実写映像再生ソフトウェア 「Real Video Drive Player」 新機能を追加し、より精密なシミュレーション環境を実現【東陽テクニカ】

2021年8月5日

  

ドライビングシミュレータ用実写映像再生ソフトウェア 「Real Video Drive Player」
新機能を追加し、より精密なシミュレーション環境を実現
~自動車の電動化やADAS、自動運転車両開発の効率化を支援~

  

 株式会社東陽テクニカ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:高野 俊也、以下 東陽テクニカ)は、ビデオ映像の三次元化技術で世界的に高い評価を受ける株式会社 岩根研究所(本社:北海道札幌市、代表取締役:岩根 和郎、以下 岩根研究所)と共同開発した、実写映像内をバーチャルドライビングできる、実写映像再生ソフトウェア「Real Video Drive Player」について、新機能を追加し、新たに2021 年8月2日より日本ならびに米国で販売開始いたしました。新機能として、複数のドライバーで同一シミュレーション空間を走行できる連携機能と3Dモデルの挿入機能の二つを追加し、試験シナリオの拡張が可能となり、シミュレーション空間の幅を広げ、より精密なシミュレーション環境を提供できるようになりました。



「Real Video Drive Player」3Dモデル挿入イメージ

【 背景 】
~活発化する先進自動車技術の開発現場で求められるドライビングシミュレータの精密な環境構築~

 昨今活発化している電気自動車やADAS(先進運転支援システム)、自動運転車両の開発において、車両挙動のチューニングやドライバーの乗り心地評価はドライビングシミュレータでの没入感やリアリティが重視されています。これまでの一般的なドライビングシミュレータは、シミュレーション空間がCG(Computer Graphics)技術で制作されており、実走行試験との乖離や、精密な環境構築には納期が数カ月以上かかるという課題がありました。

  

~実際の映像を使用し高い没入感を実現~
 「Real Video Drive Player」は360 度カメラで撮影した映像を使用し、車速やステアリング操舵角に連動して自由に実写映像内を運転することができるソフトウェアで、ドライビングシミュレータとして使用可能です。CGではなく実際の映像を使用するため、高い没入感で車両挙動のチューニングや乗り心地評価を行うことができます。そのうえ、一度の撮影と数日間のデータ加工処理によってシミュレーション空間を構築できるため、短期間で評価に取り掛かることができます。また、「CarSim※1」や「CarMaker※2」などの車両運動シミュレーターと連携して使用することで、車両の傾きや沈み込みなどの挙動も「Real Video Drive Player」の映像と連動させることができ、ドライバーが実際に運転する環境を再現できます。

  

~新たに開発した連携機能と3Dモデル挿入機能で課題だった試験シナリオの拡張を可能に~
 「Real Video Drive Player」は2018年11月に発売しましたが、これまでは撮影した環境の再現以外はできなかったため、CGとは異なり、試験シナリオの拡張性がないことが課題でした。
 今回新たに、複数のドライバーで同一シミュレーション空間を走行できる連携機能と、車両や歩行者などの3Dモデルの挿入機能を開発し、試験シナリオの拡張が可能になりました。またこれらの新機能により、EuroNCAP※3やADAS(先進運転支援システム)の検証試験にも適用できます。
 東陽テクニカは、今後も、「Real Video Drive Player」の開発や販売などを通して、自動車開発における効率化を図り、電気自動車や自動運転車の開発に貢献してまいります。
 
※1 CarSimは米国Mechanical Simulation 社によって開発された、乗用車・小型トラック用車両運動シミュレーションソフトウェア
※2 CarMakerは独国IPG Automotive社によって開発された、乗用車・小型トラック用の車両運動シミュレーションソフトウェア
※3 EuroNCAP(European New Car Assessment Programme)はヨーロッパで実施されている自動車安全テスト

  

【 新機能について 】
 複数のドライバーで同一シミュレーション空間を走行できる連携機能を使用することで、シミュレーション空間で評価車両の周囲の車両を運転して、後方からの追い越しや前方車両の急ブレーキなどのシナリオをプログラミング無しで作成することが可能です。
 3Dモデルの追加機能では、動きのある3Dモデルを追加して、交差点での歩行者の飛び出しや、追い越し車両の急な割り込みなどのシナリオを作成可能です。特別なモデルを作成する必要はなく、一般的な3Dのモデリングソフトで作成した3Dモデルを挿入することができ、3Dモデルの動きを外部から制御することもできます。



「Real Video Drive Player」複数ドライバーで連携したイメージ
(左が白い車のドライバー、右が黄色い車のドライバーから見たシミュレーション空間)

  

【 「Real Video Drive Player」の主な特長 】(★はオプション)
 ・ 実写映像内をドライビング
 ・ 撮影時の揺れや傾きを補正
 ・ 車両速度に連動した映像の追従
 ・ 運転席位置の視点を自由に移動 ★
 ・ ハンドル操作による車両の動きと視界の変化を再現★
 ・ 1 回の撮影映像から車線変更など異なる軌跡を追従★
 ・ 高度な車両モデル(CarSim)と連携★
 ・ 高精度な位置情報(GNSS)と連動★
 ・ 運転トレーニング用に走行時の映像を記録★
 ・ 複数のドライバーと同一シミュレーション空間で連動★(新機能)
 ・ 任意の3Dモデルの挿入★(新機能)

  

<株式会社 岩根研究所について>
 岩根研究所は1979 年の設立以来、「地球に愛されていることを実感し、地球を愛する」ことをコンセプトに、 ビデオ映像の最新解析技術を開発してきました。特に同所が開発した道路ビデオ3DGIS(地理情報システム)は、地理・路面といった道路交通分野において広く普及し、国際的にも高い評価を受けています。システムを支える二次元全天球映像を三次元化するCV(カメラベクトル)技術(特許取得済)は、従来多くの工程と時間を必要とした三次元道路情報の取得を、高速かつ半自動的に行うことを世界で初めて実現しています。
 株式会社 岩根研究所 Web サイト:http://www.iwane.com/

  

<株式会社東陽テクニカについて>
 東陽テクニカは1953年の創立以来、世界最先端の計測機器の輸入販売を行ってきました。現在の事業分野は、情報通信、自動車、エネルギー、EMC(電磁環境両立性)、海洋、ソフトウェア開発、ライフサイエンスなど多岐にわたり、独自の計測技術を搭載した自社製品の開発にも力を入れ、国内外へ事業を拡大しています。「“はかる”技術で未来を創る」のスローガンのもと、5G(第5世代移動通信システム)の普及や自動運転車開発なども支える最新ソリューションを提供することで、安全で環境にやさしい社会づくりと産業界の発展に貢献してまいります。
 株式会社東陽テクニカ Webサイト:https://www.toyo.co.jp/

  

本件に関するお問い合わせ先

株式会社東陽テクニカ 経営企画部マーケティング課
TEL:03-3279-0771(代表)
E-mail:marketing_pr@toyo.co.jp
製品 Web サイト:https://www.toyo.co.jp/mecha/products/detail/toyo-iwane-rvdp.html

  

※本ニュースリリースに記載されている内容は、発表日現在の情報です。製品情報、サービス内容、お問い合わせ先など、
 予告なく変更する可能性がありますので、あらかじめご了承ください。
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