ニュース
信頼性に優れ、汚染物質や厳しい環境への耐性を備えた新しい湿度センサを発表
2021年6月28日
信頼性に優れ、汚染物質や厳しい環境への耐性を備えた新しい湿度センサを発表
業界最高の精度と低消費電力を実現した湿度センサでシステムの効率を最適化し、
産業用および車載用システムの寿命を延長
日本テキサス・インスツルメンツは、業界最高の信頼性と精度と同時に低消費電力を実現し、センシング素子の保護機能を内蔵した、新しい湿度センサ・ファミリの最初のデバイスを発表しました。『HDC3020』と『HDC3020-Q1』を使用することで、湿度に起因する損傷の発生を抑え、時間によって変化する水蒸気条件に対して必要に応じて対処できる、より信頼性の高い産業用および車載用システムを構築できます。製品の詳細に関しては、www.tij.co.jp/HDC3020-pr-jpとwww.tij.co.jp/HDC3020-q1-pr-jpをご覧ください。
湿度は、自動車、電化製品、医療機器などのアプリケーションでシステムの性能や製品の寿命に影響を与えます。輸送中や保管中の製品寿命の延長から、車載カメラのくもり防止、建物内の空気の品質や流量の制御まで、信頼性向上や環境の安全性と快適性向上のニーズにより、相対湿度(RH)センサの導入が増加しています。
既存のRHセンサと比較して、長期的な誤差を減らしながら相対湿度測定の精度を高めるために、『HDC3020』と『HDC3020-Q1』は、ストレス状況下でもデータの一貫性を保持するほか、業界で初めて、自然な経年変化、環境的ストレス、汚染物質との接触によるドリフトに対処する補正機能を内蔵しています。長期的なドリフトと精度による影響の詳細については、技術記事「相対湿度センサで長期的に一貫した性能が重要である理由」(英語)をご覧ください。
強化されたセンシング素子によってシステムの信頼性を向上
『HDC3020』と『HDC3020-Q1』は、厳しい条件でのドリフトが競合製品よりも低く、1年あたりのRH精度のドリフトが0.21%未満、温度および湿度ストレスによるRHドリフトが5%未満です(最大85% RHおよび85℃でテスト)。この持続的な精度によって、システムの寿命が延び、センサを頻繁に交換または再校正する必要がなくなります。
また、ストレスや汚染物質にさらされた場合、センサには第2の防衛線としてドリフト補正技術が内蔵され、センサのゼロ時間仕様からのわずかな精度ドリフトも除去できます。低ドリフトは、寿命全体にわたる性能と信頼性の向上につながるため、長期間使用されるアプリケーションでは特に重要です。
業界最高の精度でシステム効率を向上
『HDC3020』と『HDC3020-Q1』は、米国国立標準技術研究所が規定するトレーサブルな手順によって検証された最高の精度を備え、1.62V~5.5Vの電源電圧範囲全体および幅広い温度範囲と湿度範囲にわたって±1.5% RHを維持します。この高精度によってシステムをより精密に制御でき、システムが必要なときだけ動作するようにできるため、効率が向上します。
また、『HDC3020』と『HDC3020-Q1』は、リムーバブル・ポリイミド・テープや永続的IP67等級フィルタ・カバーなど、いくつかのピン互換パッケージ・カバー・オプションで供給されます。これらのカバーは組み立て時やシステム寿命全体にわたってデバイスを塵や水分の侵入から保護し、センサが汚染物質にさらされた場合でも精度を維持するのに役立ちます。
業界最低消費電力の湿度センサでバッテリ駆動システムの寿命を延長
1.62V~5.5Vの広い電源電圧範囲全体にわたる超低消費電力(ナノアンペア)性能により、システムのアクティブな動作中とスリープ・モード中の両方で低消費電力を実現します。自動測定モードでは、システムの他の部分がスリープ中でも定期的な間隔で湿度センシングを行ってデータを取得できるため、コールドチェーン・データ・ロガーや、ワイヤレス接続の環境センサ(建物内の空気品質モニタ、スマート・ホーム、ワイヤレス・センサ・ノードなど)、IPネットワーク・カメラなどのアプリケーションで、システムのバッテリ寿命をさらに保持できます。
パッケージ、供給と価格について
『HDC3020』と『HDC3020-Q1』の量産前製造分は、8ピンのリードレス・プラスチック・スモール・アウトライン・パッケージで現在TI.comのみで供給中です。1,000個受注時の単価(参考価格)は1.65ドルから設定されています。TIウェブサイトでは、日本円でのご購入が可能です。また、お支払い方法や注文時の各種オプションをご用意しています。アナログ出力搭載および保護カバー付きパッケージのデバイスがファミリに追加され、年内に提供される予定です。
※すべての登録商標および商標はそれぞれの所有者に帰属します。
日本テキサス・インスツルメンツ株式会社ホームページはこちら