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KATECH、テグ広域市のデジタルデータを作成、自動運転車両の安全性評価とガイドライン開発にHexagonのVTDを活用【エムエスシーソフトウェア】
2021年6月1日
KATECH、テグ広域市のデジタルデータを作成、
自動運転車両の安全性評価とガイドライン開発にHexagonのVTDを活用
【カリフォルニア州アーバイン発】
5月20日- Hexagon Manufacturing Intelligence 事業部に属するMSC Software Corporation(以下MSC)は、KATECHによる、安全性において重要なADAS(先進運転支援システム)ならびに実際の都市環境を再現する自動運転システムを検証するための忠実度の高い仮想テストプラットフォームの作成をサポートしました。韓国の研究所は、自動車業界が将来の車両を安全に導入できるよう、都市をスキャンし、LiDARセンサーが物体をどのように認識するか、回避操作を損なう可能性にいたるまで、車両の挙動をシミュレーションを行っています。
現行の乗用車でも交通標識を読み取ったり周辺車両を認識することはできますが、最新のADASシステムと自動運転車両ではより複雑な機能が必要となります。そのため、様々な交通状況に対して安全に対応するために自動車メーカーは多大な努力を払っていますが、国の認証機関からは厳密な安全検証を求められています。 そこで、世界中の自動車業界では次世代の自動車を安全かつ効率的に都市環境に導入できるよう、自動車の認証とそれに伴う政策立案を支援する方法を開発しています。
車両はセンサーによって誘導され、センサーによって車両の位置と物理的な危険性を「状況に応じて認識」しますが、予期しない危険性がある都市環境では、このプロセスはさらに複雑になります。韓国の研究機関であるKATECHは、自動車メーカーとそのサプライヤーが必要とする技術とテスト環境の開発を支援しています。KATECHでは自動運転車の物理テストに関与しており、安全性が重要なADASと自動運転システムが現実的な都市環境で意図したとおりに機能することを検証するため、仮想環境にそれらを実装したいと考えていました。これらの研究開発を通じて、基本的な環境データおよび韓国の自動運転に関連する認証や法律をサポートするためのデータの構築を目指しています。
自律機能を備えた特定の車両が実際の道路状況でどのように機能するかを理解するための非常にリアルなシミュレーションを実行できるようになりました。
KATECHの車両安全研究センターのディレクターであるSeong-Jin Kwon博士は次のように述べています。「業界はさまざまなソリューションをリンクさせるという絶え間ない要求に直面しています。自動運転車両の学習のためには、シミュレーションや実機車両でのテストなど全てのプラットーフォームは、ドライバーがリアルタイムで介入するかもしくは介入しないかの条件作成も含め、自動運転車両シミュレーション環境を構築しなければなりません。すべてをリンクさせる試みは何度もありましたが、予想以上に難しく、現実的に可能なシミュレーションとシミュレータを使って進めなければなりませんでした」
その1つが、韓国のテグテクノポリスとテグ国立工業団地全体をモデル化し、シミュレーション環境を作ることでした。市のインフラストラクチャは、自動運転車両のテストに理想的であり、それらのテストを実施するためのグローバルハブとしての地位を確立することを目指しています。Seong-Jin Kwon博士によると、「自動運転のための正確な地図を作成するだけでなく、データ収集、保存、分析システムとともに、車両とその周辺の状態をリアルタイムで監視するシステムもあり、テグテクノポリスとテグ国立工業団地は、自動運転の研究に最適な都市となっています」
KATECHは、VTDおよびHexagonのLeica Geosystemsの3Dマッピングデータと組み合わせた「Adams Real Time」を使ってこの仮想環境を構築しました。彼らのチームは、車両の挙動に関する研究ですでにAdamsに精通しており、またVTDは他の部門で使用されていました。これら2つのソリューションを組み合わせることで、複雑なツールチェーンの問題に対する包括的な回答が得られました。これは、複数のビークルダイナミクスモデルやさまざまなシナリオを含めることによるシミュレーションの再現性の変動に関係なく、リアルタイムシミュレーションを採用し、必要な安定性と決定論的な結果を提供することによって実現されます。
自動車業界向けに特化して開発された「Adams Car」により、KATECHは事前に作成されたテンプレートを使用して車両の仮想プロトタイプを完成させることができます。 「これらは複数のオープンループとクローズドループのシナリオで実行されます。つまり、チームが通常テストラボまたはテストトラックで実行するのと同じテストを仮想的に実行できます」これにより、KATECHのエンジニアは、車両ダイナミクスのあらゆる局面にズームインし、設計から検証までの開発のすべての段階で同じ車両モデルを利用できます。
Adamsは、ツールに依存しない標準のインターフェイスを使用してVTDに接続し、KATECHが現実の世界に似た仮想環境を作成できるようにします。 「これは、予測できない行動を伴う歩行者、天候の変化、視界、車両のダイナミクスなど、複雑な都市の状況をシミュレートできることを意味します。 AdamsとVTDの組み合わせは、ADAS機能と自動運転車両を分析するための出発点です」 Seong-Jin Kwon博士は述べています。VTDはKATECHの重要な要件の1つであるサードパーティのツールと統合する柔軟性を有し、OpenDRIVE、OpenCRG、およびOpenSCENARIO準拠のデータを使用して路面や交通などの動的な動作を組み込んだ道路ネットワークを作成します。
車両周辺のLiDARおよびRADARセンサーによるVTDの物理ベースのシミュレーションは、車両の周囲の認識が正常に機能しない「誤検知」の特定に役立ちます。これらのセンサーモデルはレイトレーシング技術を採用しているため、KATECHは、特定のシステムを適切にテストするためにシミュレートする必要のある光線の数に応じて、少数の高解像度画像から多数の低解像度画像にスケーリングできます。
Hexagonは、初期のソフトウェア開発から、実際のプロトタイプ車両の検証にいたるまで、複数のソリューションを提供します。これには、Leica Geosystemsによる道路スキャン、NovAtelによるGNSSセンサーの検証、AutonomousStuffによる車両プロトタイプの検証が含まれます。 Hexagonの包括的なソリューションにより、サードパーティツールへの依存を減らし、企業内で完全なテストを実行することが可能になります。
*記載されている会社名および製品名は各社の商標または登録商標です。
以上
Hexagon | MSC Softwareについて
Hexagon はセンサーとソフトウェア、自動化ソリューションのグローバルリーダーです。
産業、製造、インフラ、安全、モビリティの業界において、効率性、生産性、品質の向上を担っています。当社のテクノロジーは、都市と生産のエコシステムを形成し、連携と自動化を加速させ、スケーラブルで持続可能な未来を実現します。
Hexagon Manufacturing Intelligence事業部に属するMSC Softwareは、オリジナルソフトウェア開発を行う上位10社の1つで、エンジニアリングプロセスに革新をもたらすシミュレーションソフトウェアとサービスを製造業の客様に提供する、エンジニアリングシミュレーションのリーディングカンパニーです。MSC Softwareは、信頼できるパートナーとして、製品の設計と試験に関連する品質の向上、時間とコストの削減を支援します。学術機関、研究者、学生は、MSCのテクノロジーを使って知見を深め、シミュレーションの領域を広げています。
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