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光学設計解析ソフトウェア「CODE V」最新バージョン11.5 販売開始のお知らせ【サイバネットシステム】

2021年4月1日

  

光学設計解析ソフトウェア「CODE V」最新バージョン11.5 販売開始のお知らせ

  

暗号化機能により、独自の設計情報を非公開のまま解析・評価可能に! AR/VRデバイスや宇宙望遠鏡など、高性能化・軽量化が要求される光学系設計をより高速・柔軟にする支援機能も強化されました。
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サイバネットシステム株式会社(本社:東京都、代表取締役 社長執行役員:安江 令子、以下「サイバネット」)は、主要取引先であるSynopsys, Inc.(本社:米国カリフォルニア州、以下「シノプシス社」)が開発し、サイバネットが販売・サポートする光学シミュレーションソフトウェア「CODE V(コードファイブ)」最新バージョン11.5の提供を2021年4月15日から開始することをお知らせいたします。

CODE Vは、光学設計(レンズ設計)・評価解析・製造支援などのための各種機能を搭載した、光学製品開発業務を総合的にサポートする光学設計解析ソフトウェアです。対象となるアプリケーションは、撮像機器(カメラレンズ、ビデオレンズなど)、投影機器(プロジェクタ、HUD〔ヘッドアップディスプレイ〕、HMD〔ヘッドマウントディスプレイ〕など)、レーザー関連機器、光通信機器、医療機器、産業用計測機器、航空・宇宙関連機器など多岐にわたります。

  

CODE V 11.5 の主な新機能と機能強化

光学モデルの暗号化が可能になり、設計情報を保護しながら顧客・製造業者とのコラボレーションが可能に

レンズ設計においては、顧客や製造業者とのデータのやり取りが求められることが多くあります。そのため、設計者は自社の設計情報が漏れないよう細心の注意を払う必要があります。
 
今回のバージョンより、HLM(Hidden Lens Module:秘匿レンズモジュール)が搭載され、光学モデルの一部または全体に対して、面の形状や材質、サイズ、位置などの設計情報を暗号化することができるようになりました。暗号化された部分については、他のユーザーがその情報を参照したり編集したりすることはできません。
 
これにより、詳細な設計情報は非公開の状態で、高精度な解析や光学性能の評価、光線の視覚化などが可能になりました。レンズの設計情報という貴重な知的財産(IP)を保護しながら、顧客・製造業者とのコラボレーションが可能になります。


秘匿レンズモジュールのイメージ

  

最適化機能の強化

■ BFGSアルゴリズム※1が新たに追加

CODE Vにおける「最適化」とは、レンズの形状や配置などをパラメータとし、設定した制約条件を満たしつつ、よりよい光学性能を得るための機能で、「自動設計」とも呼ばれます。
 
今回のバージョンでは、この最適化の探索過程における計算手法として、新たにBFGS法が追加されました。CODE Vによる最適化の探索アルゴリズムとしては減衰最小二乗(DLS)法※2が用いられますが、その際、2次導関数行列を求める手法の代替としてBFGS法を選択することができます。これにより、特異変数が複数あるような悪条件の2次導関数行列の最適化問題において、より適切な結果を得られる可能性があります。

■ レンズに用いられるガラスの自動選択処理が高速化(Glass Expert)

Glass Expertは、実在するガラスのリストから、光学性能を最大化するのに最適な組み合わせを自動選択する機能です。今回のバージョンでは、AIを活用した改良によりガラス選択処理の高速化が実現しました。さらに選択処理の過程で、重量、コスト、透過率、熱などに関する自動チェック機能が追加されました。より短時間で最適なガラスの探索が可能となり、設計の高速化に寄与します。

  

AR/VRデバイスなどで活用される自由曲面※3レンズの設計機能が強化され、利便性が向上

自由曲面レンズは、球面から自由曲面への変更により高性能化やレンズの枚数低減を実現できることから、AR/VR、自動車のドライブレコーダーのカメラ、宇宙望遠鏡などのように、小型化、軽量化を必要とするシステムにおいて利用が広がっています。今回のバージョンでは、自由曲面レンズの設計機能の強化により、利便性が大幅に向上しました。


■ 自由曲面の変換機能の拡張

自由曲面には、XY多項式面※4(SPS XYP)、各種ゼルニケ多項式面※5(SPS ZRN、SPS ZFR、SPS ZFE)、Qタイプ自由曲面※6(SPS Q2D)など複数の定義があり、設計する光学系に合わせて使い分けられています。

今回のバージョンで、これらの定義式間の相互変換が可能になりました。従来の設計や設計途中のものに対して、より性能向上や薄型化を期待できる面タイプに変換して設計を改善する際に有用です。


■ 自由曲面の係数入力画面の改良

自由曲面の設計では多数の係数入力が必要となります。以下の多項式非球面に導入された2次元格子形式の係数テーブルでは、係数が形状の対称性を考慮して配置されており、自由曲面設計の対称性を容易に把握できるため、編集しやすくなりました。
 
 ・XY多項式面 (SPS XYP)
 ・ゼルニケ多項式面 (SPS ZRN)
 ・フリンジゼルニケ多項式面 (SPS ZFR)


ゼルニケ多項式面の係数入力画面

  

その他の追加・強化された機能


■ インポート機能の強化

ZMXファイル(Zemax, LLC のソフトウェア製品 OpticStudio®用のレンズ規定ファイル形式)をCODE V互換形式に変換する、新しいマクロZEMAXOS_TO_CVを追加しました。このマクロはUnicodeファイルの自動変換、複合光学系、公差、追加の面形状をサポートしており、ファイルメニューから簡単に実行できます。


■ 液浸体積ホログラム光学素子※7のサポート

以前のバージョンのCODE Vでは、ARデバイスに用いられるホログラム光学素子(Holographic Optical Device: HOE)は空気中にあることを前提としていました。今回のバージョンでは、周囲の屈折率を指定し、水などの液浸HOE製造を表現できるようになりました。


■ マクロ機能の強化

配列操作用マクロ関数が追加されました。データ処理マクロを自分で書いているユーザーにとって特に有用です。
 
 ・配列要素に対する加算、減算、乗算、除算、関数適用
 ・行と列の転置
 ・擬似逆行列の計算
 ・行列乗算の実行

  

シノプシス社のコメント

Stuart David, vice president of engineering in Synopsys’ Optical Solutions Group

CODE Vユーザーが、光学系をより速く、より柔軟に最適化できるように、高度な機能を追加しました。また、設計者がAR/VR、自動車、航空宇宙アプリケーションでよく使用される自由曲面を使った光学系の性能を簡単に評価できるようにしました。

  

新機能紹介Webセミナー

最新バージョンCODE V 11.5の新機能および特長について解説します。ぜひご参加ください。

日程 2021/4/15(木)13:30~14:00
開催地 オンライン(Web会議システムZoomを用いたWebセミナー)
参加費 無料(事前登録制)
お申込み https://www.cybernet.co.jp/optical/seminar_event/seminar/special/cv_2104_live.html

CODE V 11.5の詳細については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.cybernet.co.jp/codev/product/release/ver115.html

注釈
※1: BFGSアルゴリズム: Broyden-Fletcher-Goldfarb-Shanno(ブロイデン-フレッチャー-ゴールドファーブ-シャンノ)アルゴリズム。非制限非線形最適化問題に対する反復的解法の1つ。準ニュートン法の一種であり、よりよい性能を発揮するため最も普及している。
※2: 減衰最小二乗法(DLS): Damped Least Squared method。取り扱いの簡便さとコンピュータとの相性の良さから、最も一般的なレンズ設計の最適化手法である。
※3: 自由曲面: 球面や放物面、そして従来の回転対称非球面などでは表すことのできない、より自由度の高い曲面形状のこと。レンズやミラー面として用いることにより、光学系のコンパクト化や高性能化を実現できる。近年の自由曲面製造の低コスト化、高品質化により光学機器設計における採用が進んでいる。光学設計では設計対象に応じて特徴の異なる各種の面形状タイプが使い分けられており、得られる解の良さはその選択に依存する。
※4: XY多項式面: 非回転対称な面形状タイプの1つ。YZ平面、ZX平面に対して対称である。
※5: ゼルニケ多項式面: ベースコーニック面とゼルニケ多項式の和により定義される面形状タイプ。直行多項式となっており、各項が特定の光学収差に関連しているため、光学分野で多く利用されている。項の順序の異なる幾つかの定義が存在し、フリンジゼルニケ多項式もそのうちの1つである。
※6: Qタイプ自由曲面: QED Technologies社のG.W.Forbes氏により提案された面形状タイプ。製造性の高い自由曲面の設計に優れた面タイプで、軽量・コンパクトなHMDの設計などにも有用である。
※7: 液浸体積ホログラム光学素子: 参照波を用いて物体波の複素振幅分布を記録する技術をホログラフィ(holography)、この複素振幅分布の感光材料記録をホログラム(hologram)という。感光材等により厚さのある場合に「体積」が付けられ、体積ホログラムにより実現される光学素子を一般的にホログラム光学素子(HOE: Holographic Optical Element)という。角度・波長選択的な光波の記録・再生が可能なことが特徴である。「液浸」とは、水などの液体に浸した状態にすること。液体は空気よりも屈折率が高く、実質的に短い波長を得られるため、液体中に浸すことにより光学的には解像度や分解能が向上する。顕微鏡やステッパー(半導体露光装置)で一般的である。

シノプシス社について
Synopsys, Inc.(Nasdaq上場コード:SNPS)は、我々が日々使用しているエレクトロニクス機器やソフトウェア製品を開発する先進企業のパートナーとして、半導体設計からソフトウェア開発に至る領域(Silicon to Software)をカバーするソリューションを提供しています。電子設計自動化(EDA)ソリューションならびに半導体設計資産(IP)のグローバル・リーディング・カンパニーとして長年にわたる実績を持ち、ソフトウェア品質/セキュリティ・ソリューションの分野でも業界をリードしており、世界第15位のソフトウェア・カンパニーとなっています。シノプシスは、最先端の半導体を開発しているSoC(system-on-chip)設計者、最高レベルの品質とセキュリティが要求されるアプリケーション・ソフトウェアの開発者に、高品質で信頼性の高い革新的製品の開発に欠かせないソリューションを提供しています。
シノプシス社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.synopsys.com/ja-jp

サイバネットについて
サイバネットシステム株式会社は、CAEのリーディングカンパニーとして、30年以上にわたり製造業の研究開発・設計関係部門、大学・政府の研究機関等へ、ソフトウェア、教育サービス、技術サポート、コンサルティングを提供しています。またICT分野では、最新のセキュリティソリューションのみならず、企業のセキュリティ向上に欠かせないIT資産管理ツールやIT運用管理ツールを提供しています。近年では、IoTやデジタルツイン、ビッグデータ分析、AI領域で、当社の得意とするCAEやAR/VR技術と組み合わせたソリューションを提案しています。
企業ビジョンは、「技術とアイデアで、社会にサステナビリティとサプライズを」。日々、多様化・複雑化する技術課題に向き合うお客様の課題を、期待を超える技術とアイデアで解決し、更にその先の変革へと導くことを目標に取り組んでまいります。
サイバネットシステム株式会社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.cybernet.co.jp/

本件に関するお問い合わせ:サイバネットシステム株式会社

内容について
CAE事業本部 営業統括部/栗山
E-MAIL:opt-info@cybernet.co.jp

報道の方は
コーポレートマーケティング部/宮崎
E-MAIL:prdreq@cybernet.co.jp

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