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自動運転/ADAS車両開発用ヒューマンライク交通流シミュレータ「Intelligent Traffic」を発売【東陽テクニカ】

2021年3月30日

  

自動運転/ADAS車両開発用ヒューマンライク交通流シミュレータ
「Intelligent Traffic」を発売

~AIで現実に近い交通環境のシミュレーションを可能に~

  

 株式会社東陽テクニカ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:高野こ う の俊也と し や 、下東東陽テクニカ)は、自動運転/ADAS(先進運転支援システム)車両用のシミュレーションソフトウェアのリーディングメーカーである、Automotive Artificial Intelligence GmbH(本社:ドイツ・ベルリン、下東AAI社)と、国内総代理店契約を締結し、2021年3月30日よりヒューマンライク交通流シミュレータ「Intelligentイ ン テ リ ジ ェ ン トTrafficト ラ フ ィ ッ ク」を発売いたします。  
「Intelligent Traffic」はカメラで撮影した実際の交通環境をAIに強化学習させることで、実走行相当の他車両の動きを再現できる交通流シミュレータです。開発したアルゴリズムを実走行試験前に評価するシミュレーションでより現実に近い交通環境の再現を可能にし、安全で快適な自動運転/ADAS車両開発に寄与します。東陽テクニカは、AAI社と国内総代理店契約を締結したことで、AAI社製品の提供を通して、日本のより安全・安心な自動運転/ADAS 車両開発に貢献してまいります。


ヒューマンライク交通流シミュレータ「Intelligent Traffic」ソフトウェア画面1

【背景】
 ~自動運転/ADAS車両開発においてシミュレーションと実走行の乖離が課題に~

 近年、交通事故の低減、渋滞の緩和、地方の移動手段の確保、物流ドライバー不足の解決など、安全で快適な社会の実現に向けて、自動運転/ADAS車両の実用化への期待が高まっています。その自動運転/ADAS車両の開発において、開発したアルゴリズムは実走行試験やシミュレーションによって評価が行われています。実走行試験では、長距離の走行によってさまざまな交通環境で開発アルゴリズムの評価ができる一方、その走行試験にかかる膨大な時間と費用が課題になっています。また、実走行が故に危険なシナリオで開発アルゴリズムを評価することが難しいという課題や、不具合が発生したアルゴリズムの改良後の評価を同一のシナリオで実施できない課題があります。一方シミュレーションは、実際に道路を走行する必要がなく、短期間で開発アルゴリズムの評価を行うことができます。また、任意で作成した危険なシナリオで開発アルゴリズムを評価すること、不具合が発生したアルゴリズムの改良後の評価を同一のシナリオで行うこともできます。このようなことから自動運転/ADAS車両の開発を行っている企業はすでにシミュレーションでの評価を実施していますが、シミュレーションを行う上で、現実の交通環境の再現性の低さが現在大きな課題となっています。従来は統計的なモデルによってシミュレーション上で評価車両の周囲の交通環境を生成していましたが、統計的なモデルでは他車両の動きが現実とはかけ離れており、人間が運転しているような滑らかで連続的な加減速を再現できず、シミュレーションと実走行に大きな乖離が発生していました。

~実際の交通環境をAIに学習させ、現実に近い交通環境を再現可能に~
 ヒューマンライク交通流シミュレータ「Intelligent Traffic」はカメラで撮影した実際の交通環境をAIに強化学習させることによって交通環境を構築しています。そのため、現実の人間の運転に近い、実走行相当の他車両の動きをシミュレーション上に再現することができます。交通ルールを厳守/違反するドライバー(defensive/moderate/aggressive)の割合の変更や、ドライバーのドライビングスキル、地域の交通ルールなど、ドライバーモデル生成時にさまざまな要因の想定に対応しています。また、多様なシナリオシミュレータへのアドオンが可能な上、実走行相当の環境東での長時間のシミュレーションにより、予見が難しい想定外の危険なシナリオを発見することに繋がります。さらに、危険なシナリオをOpenDRIVE※1形式とOpenSCENARIO※2形式で出力することで、アルゴリズム改良後に同一のシナリオで車速や他車両との相対距離を変更しながら繰り返しシミュレーションを行うことができます。

※1 OpenDRIVE形式:道路ネットワーク(道路形状)の記述用のファイル形式
※2 OpenSCENARIO形式:車両運動・交通流シミュレータの動的コンテンツ(車や歩行者の動きなど)の記述用のファイル形式


ヒューマンライク交通流シミュレータ「Intelligent Traffic」ソフトウェア画面2

【ヒューマンライク交通流シミュレータ「Intelligent Traffic」の主な特長】
 ・滑らかで連続的な加減速など、実際の交通環境を再現
 ・交通ルールを厳守/違反するドライバー(defensive/moderate/aggressive)の割合などの条件変更が可能
 ・各種シナリオシミュレータへのアドオン可能
 ・長時間のシミュレーションにより、予見が難しい危険なシナリオの発見が可能
 ・危険なシナリオをOpenDRIVE形式/OpenSCENARIO形式で出力

【製品データ】
 ・製品名:ヒューマンライク交通流シミュレータ「Intelligent Traffic(インテリジェントトラフィック)」
 ・販売開始日:2021年3月30日

  

<AAI社について>
 AAI 社は、2017年7月にドイツ・ベルリンで設立された自動運転/ADAS車用のソフトウェアメーカーです。ヨーロッパの自動車関連企業を中心に中国のスマートモビリティ企業などと協業し、自動運転/ADAS開発に寄与しています。
 AAI社Webサイト:https://www.automotive-ai.com/

<株式会社東陽テクニカについて>
 東陽テクニカは1953年の創立下来、世界最先端の計測機器の輸入販売を行ってきました。現在の事業分野は、情報通信、自動車、エネルギー、EMC(電磁環境両立性)、海洋、ソフトウェア開発、ライフサイエンスなど多岐にわたり、独自の計測技術を搭載した自社製品の開発にも力を入れ、国内外へ事業を拡大しています。「“はかる”技術で未来を創る」のスローガンのもと、5G(第5世代移動通信システム)の普及や自動運転車開発なども支える最新ソリューションを提供することで、安全で環境にやさしい社会づくりと産業界の発展に貢献してまいります。
 株式会社東陽テクニカWebサイト:https://www.toyo.co.jp/

  

★ 本件に関するお問い合わせ先 ★

株式会社東陽テクニカ 経営企画部マーケティング課
TEL:03-3279-0771(代表)
E-mail:marketing_pr@toyo.co.jp
AAI社製品サイト:https://www.toyo.co.jp/AAI

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  など、予告なく変更する可能性がありますので、あらかじめご了承ください。
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