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市村産業賞貢献賞を受賞 ~鋼材の利用加工技術として初受賞~【日本製鉄】
2021年3月12日
市村産業賞貢献賞を受賞
~鋼材の利用加工技術として初受賞~
日本製鉄株式会社(以下、日本製鉄)は、公益財団法人市村清新技術財団より、第53回(令和2年度)市村賞において、市村産業賞貢献賞を3年連続で受賞しました。
市村賞は、科学技術の進歩、産業の発展に貢献した技術開発者を表彰する伝統と権威ある賞です。
今回受賞した「自動車の進化を支える超高強度鋼板加工技術の開発」は、鋼材の利用加工技術として初受賞となります。
日本製鉄は、次世代自動車及びその各パーツに求められる性能を想定し、先進的な素材開発はもちろん、最大限に素材性能を引き出すための部品構造やその構造を具現化する加工技術を組み合わせることによって、次世代自動車構造コンセプト“NSafe®-AutoConcept”を構築し、自動車全体の付加価値の向上策をご提案しております。
今回の受賞技術は、この“NSafe®-AutoConcept”において中核となる技術の一つです。
(参考)NSafe®-AutoConcept:https://www.nipponsteel.com/news/20190109_200.html
1.市村産業賞の受賞内容
(1) 名 称 : 市村産業賞 貢献賞
(2) テーマ : 自動車の進化を支える超高強度鋼板加工技術の開発
(3) 受賞者 : 名古屋製鉄所 品質管理部 室長 田中 康治
名古屋製鉄所 品質管理部 主幹 宮城 隆司
技術開発本部 鉄鋼研究所 主幹研究員 西村 隆一
2.開発技術
(1) 概要
自動車に求められている安全性向上のための車体高強度化とCO2排出量削減のための軽量化を両立するためには、車体へより高強度な鋼板を適用することが有効です。日本製鉄では世界に先駆けて冷間プレス用超高強度鋼板(強度780MPa~1470MPa)を開発しましたが、鋼板は強度が高いほどプレス成形性が低下して自動車部品に加工することが困難となります。このような先進材料を活かすための加工技術の開発に取り組みました。
(2) 開発した技術
車体部品の多くは端部にL字・T字状の湾曲や連続的なフランジを持つ複雑形状であるため、従来のプレス技術では超高強度鋼板を加工することが困難でした。これに対し、コンピュータシミュレーションを駆使して、プレス成形時の材料変形を最適に制御するプレス加工技術「自由曲げ工法」と「フランジ連続化工法」を開発し、それらを実現するための金型装置を開発しました。開発技術は加工時の材料変形量を従来の50%以下に低減する画期的な工法で、超高強度鋼板を複雑な形状の部品へ加工することを可能にしました。
(3) 効果
開発技術により、①従来の2倍以上の強度を持つ超高強度鋼板を適用して車体の軽量化と高強度化を実現し、②プレス加工後に切り捨てられる余肉を減らすことによりお客様の大幅な歩留り改善に貢献いたしました。開発技術は1000万台以上の自動車に適用され、42,300ton/年のCO2排出量削減※に貢献しております。
※日本鉄鋼協会データにより算出
日本製鉄は、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)にも合致した上記製品をはじめとする優れた製品・サービスの提供を通じて、これからも社会の発展に貢献して参ります。
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