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リチウムイオン電池向けビニレンカーボネートの使用に関するライセンス契約で合意【三菱化学/BASF】

2012年7月17日

電解液フォーミュレーションで使用される重要な高機能添加剤であるビニレンカーボネートに関するライセンス契約を締結
BASFによるメルク社電解液事業の買収を受け、三菱化学が従来メルク社に許諾していたライセンスを引き続きBASFに許諾

三菱化学㈱(東京都千代田区、以下「三菱化学」)と、 BASF SE(ドイツ、ルートヴィッヒスハーフェン、以下「BASF」)は、三菱化学が保有するビニレンカーボネートに関する特許を、BASFに使用許諾するためのライセンス契約を締結したことを発表しました。
ビニレンカーボネートはBASFの電解液の重要成分であり、リチウムイオン電池を生産する電池メーカーに使用されています。BASFは本契約により、BASFまたは三菱化学が製造した電解液を使用する電池メーカーに対して、ビニレンカーボネート使用のサブライセンスを許諾する権利を得ることになります。

今回の契約は、三菱化学がドイツの化学・製薬会社であるメルク社の電解液事業部門との間で過去に締結していたライセンス契約を、新たにBASFと締結するものです。BASFは本年、メルク社の電解液事業を買収しており、同事業は現在BASFの「バッテリー材料」グローバル・ビジネスユニットに統合されています。

電解液は、リチウムイオン電池内部での電荷移動を可能にするための複雑な組成物です。高い電池性能を得るためには、高品質な電解液が必要不可欠です。ビニレンカーボネートは、リチウムイオン電池に長期的安定性を効率的に付与できる重要な高機能添加剤です。

三菱化学電池本部電池機材事業部長である荒木良剛は、次のように述べています。
「BASFへのライセンス供与は、当社の知的財産戦略が実を結んだ一例です。三菱化学はこれまでも、高度な電池性能を必要とするお客様に対し、ビニレンカーボネートのライセンス供与を行ってきました。先進的な研究能力を活用することによって、当社は今後も業界を牽引するポジションを強化していきます。」

三菱化学は、リチウムイオン電池産業の誕生以来、電解液事業で20年以上の経験を誇り、自動車用途で市場の成長が予想される日本、北米、欧州、中国の各地域で、電解液の製造拠点を構築しています。

BASFの「バッテリー材料」グローバル・ビジネスユニットのシニア・バイスプレジデントであるラルフ・マイクスナーは、次のように述べています。
「当社は現在、バッテリー材料の技術と知的財産において、すでに強力なポートフォリオを保有していますが、三菱化学からのライセンスが加わることによって、当社の市場における活動を活発化させ、世界各国のバッテリー・メーカーを支援するという、機能性材料および部品のリーディング・プロバイダーとしての長期的な目標を実現することが可能となります。」

安全で高効率な電気自動車を手頃な価格で実現するためには、画期的な材料と機能性部材が欠かせません。そのためBASFでは、産業界・科学界のパートナーと協力し、現在および次世代のリチウムイオン電池と未来のバッテリー・システムを担う材料や技術の開発を行なっています。

三菱化学の電池本部について

三菱化学の電池本部はリチウムイオン電池に使用される主要四材料 (電解液、負極材、正極材、セパレータ) すべてを取り扱うサプライヤーです。三菱化学は先進的な材料技術、卓越した製品品質、そしてグローバルに展開する供給体制を活かし、電池材料事業をより成長させるべく取り組んでいます。三菱化学は、高性能な材料と高度な材料組合せ技術の開発を通じて、リチウムイオン電池産業の発展をこれからも支えてまいります。製品情報はwww.m-kagaku.co.jp/products/でご覧いただけます。

三菱化学について

三菱化学は日本を代表する化学会社で、三菱ケミカルホールディングスグループの基幹事業会社のひとつです。機能商品、ヘルスケア、素材という事業領域において、化学に立脚する技術基盤を活用して、多様な技術と製品をお客様に提供しています。また、三菱化学は「Good Chemistry for Tomorrow」というグループ理念のもと、「Sustainability(環境・資源)、 Health (健康)、 Comfort (快適)のすべてを包含し、人にとっての心地よさ、社会にとっての快適、地球にとっての快適すべてを併せ持った真に持続可能な状態を追求する」という新しい価値――「KAITEKI」を提唱しています。
三菱ケミカルホールディングスグループの2011年度の売上は約3兆2千億円で、従業員数は約5万3千人です。
三菱ケミカルホールディングスグループの詳しい情報はhttp://www.mitsubishichem-hd.co.jp/を、三菱化学の詳しい情報はhttp://www.m-kagaku.co.jp/をご覧ください。

BASFの触媒事業本部について

BASFの触媒事業本部は、環境触媒とプロセス触媒の世界的なリーディングサプライヤーです。同事業本部は、私たちが呼吸する大気の保護、生活を支える燃料の製造、先進のバッテリー材料などを含む多岐にわたる化学品やプラスチックの効率的な生産を支える技術開発で卓越した専門知識を提供します。 BASFの業界をリードする研究開発プラットフォーム、技術開発への情熱、貴金属とベースメタルへの深い知識を活用することで、触媒事業本部は、独自のソリューションを開発し、顧客の成功をサポートしています。 BASFの触媒事業本部についての詳細は、インターネットホームページ(www.catalysts.basf.com)をご覧ください。

BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は世界をリードする化学会社「The Chemical Company」です。製品ラインは、化学品、プラスチック製品、高機能製品、農業関連製品、石油・ガスと多岐にわたっています。BASFは、経済的な成功、社会的責任、そして環境保護を同時に実現しています。また、BASFは科学とイノベーションを通して現代社会や将来のニーズを提示しながら、あらゆる産業のお客様を支援しています。BASFの製品とシステムソリューションは、資源の確保に貢献し、健康的で栄養価の高い食品を提供するとともに、生活の質の向上に寄与しています。BASFはこれらの活動を企業目標として「私たちは持続可能な将来のために、化学でいい関係をつくります」を掲げています。2011年の売上は約735億ユーロで、従業員数は約11万1,000人です。BASFの詳しい情報は、www.basf.com(英語)、newsroom.basf.com(英語)、www.japan.basf.com(日本語)をご覧ください。


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